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第724話 晩餐の席でカロルに解呪ポーションの相談をする

「晩餐にいこうか」

「そうだね、足も痛く無くなった事だし」


 コリンナちゃんはふくらはぎを揉んだ。

 運動しなさすぎであるなあ。

 走り込みとかしなさいよ。


 二人で廊下に出て施錠した。

 階段をトコトコと下りる。

 一階に降りると良い匂いがしてきてお腹が自己主張を始めた。

 今日は何かなあ。


 エレベーターホールでみんなと合流。

 カロルが遅れていたが、エレベーターが開いて出てきた。


「おまたせ。ちょっと錬金に手間取って」

「待ってないよ、大丈夫」


 みなでぞろぞろと食堂へ入る。


「クララ、今日のお献立は何?」

「今日のメインはミニステーキよ」

「おお、豪華ねっ」


 上級貴族食はミニでないステーキで、下級はミニらしい。

 まあ、食費が安いので差が付くのはしかたがない。

 命令さんが勝ち誇ったような顔をしてこちらを見るのがウザイ。


 トレイにお料理を乗せて行く、ミニステーキにシーザーサラダ、スープはコンソメだね、パンはいつもの黒パン。

 ああ、良い匂い。

 付け合わせは人参にポテトにブロッコリーだ。


 テーブルに付くとグレーテ王女が入って来てこちらに来た。

 目でよろしいかしらと言ってるような気がしたので、こちらもうなずいて、どうぞどうぞと無言で伝えた。

 彼女はカウンターに並んでお料理を取って来た。


「もう、黙って一緒に来て良いですよ」

「ありがとうございます、いつもこの時間ですわね」

「一度エレベーターホールで派閥員は集まりますわよ」

「これからは……、今日までですわね」


 そうか、明日は飛空艇の中だなあ。


「トール王子とティルダ王女とご飯を食べれば良いよ、アダベルもいるし」

「まあ、それは楽しいですわね、アダベル様は気さくで大好きですわ」


 アダベルはジーン皇国の要人にも、サイズ王国の遺児にも評判がいいな。

 

 皆が揃ったのでお食事の挨拶だ。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 パクリ。

 うん、美味しいお肉だ。

 口の中でほろりとほどける感じ。

 うま味も強いね。


「美味しいですわ~~」

「良い牛肉ですわ~~」


 お洒落組が感嘆の声を発した。


 美味しい美味しい、サラダもシャキシャキで良いね。

 もっしゃもっしゃと食べる。


 ああ、みんなで食べるご飯は楽しいね。


「まあ、アイスクリンを食べたのですか~~、いいですわね~~っ」

「美味しゅうございましたわ、今度ジュリエットさまもロイドさまに連れて行って貰ったらいかがかと」

「早くいかねばなりませんわ~~っ」


 百貨店のアイスクリンが人気だな。

 前世みたいな本格的なアイスクリームを発明したら需要があるかもなあ。

 ラムレーズンが食べたい。


「そうだ、カロル、呪矢を治療するようなポーションは作れるかな」

「……、記憶には無いわね、そういう珍しい薬品は一品製作よ」

「そうなんだ、今は私が子狐丸で呪いを切って治療してるけど、薬でそれが出来れば便利かなと思って」

「呪いは種類が多いから解呪もそれぞれの魔法よね。作るなら呪矢に特化した物になるわね」

「カロルなら組める?」

「難しいわね、サーヴィス先生にも相談して作りましょう」


 ああ、サーヴィス先生なら専門家だしね。

 あ、あの人はまだホルボス山か。

 明日、トール王子とティルダ王女を迎えに行く時に相談してみようか。


 そっか、解呪できないからこそ、あんだけ学園長とかピッカリンの爺さんとかが苦しんでいたんだよなあ。

 なんとか錬金で作れればいいんだけれど。

 光魔法錬金はあんまり記録にも無いみたいだね。

 ビアンカさまも書き残してくれれば良いのに。

 ちなみにマリアさまはあまり錬金薬を作られなかったそうな。


 さて、みなさん食べおわって食後のお茶を飲んでいる。

 

「諜報報告です、明日からジーン皇国の暗闘組織『城塞キープ』が動き出す模様です、派閥の皆さんはあまり出歩かないで学園内にいて下さい」


 そうよね、人質になったりすると大変だし。


「学園内は魔術防御もありますし、一応は安全です。今の所、動いているのは三班、狙撃チームと、撹乱チーム、破壊工作チームと思われます。攪乱チームは大衆扇動での暴動等が確認されています」


 あんまり成功してなかったけどね。


「『城塞キープ』の諜報員は冒険者やヤクザ者に化けて王都内に潜伏しているものと見られます」

「まあ、怖いわ」


 グレーテ王女の国の機関ですけどね、そしてあなたとお兄さんを狙ってきてますが。


 破壊工作チームはホルボス山に向かっているのだろうか。

 アシル親方達は大丈夫かな?


「日曜日の朝まで、ディーマー皇子とグレーテ王女、トール王子とティルダ王女、そして領袖を守り切れば我々の勝ちです」

「ご迷惑をおかけします」


 グレーテ王女がぺこりと頭を下げた。

 まあ、あんたたちが悪い訳じゃ無いからね。

 諜報機関の背後にいる奴が悪いんや。


 自国の皇太子を暗殺してまで有利な開戦理由を作りたいというのは、とてつもなく浅ましい陰謀だ。

 万難を排してでも四人を守って、日曜日にはカロルとアイスクリンを食べに行くのだ。

 うむうむ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ジーン皇弟とハ○ツイズ宰相被害者の会発足。 命令さんとこの○ゲと近衛のハ○とツインズで対消滅しないかな? [一言] アダちゃん、ドラゴラムの予感。
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