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第722話 お勉強を済ませてお風呂にいく

 真面目に勉強をしていたらはかどった。

 三教科のノートをまとめた。

 あとは来週かな。


 メリッサさんとマリリンのお洒落組も帰って来たので勉強を見てあげる。

 なんか甘い匂いがするぞ。


「ケンリントン百貨店でアイスクリンを食べて来ましたのよ」

「とろけるような天国の味わいでしたわ」

「ヒルダさんも?」

「私は珈琲です」


 コーヒーはうらやましくないな。

 しかし百貨店ではアイスクリームが売ってるのか。

 前世以来食べて無いなあ。

 今度カロルと行って食べよう。


「そう言えば、壁新聞用の記事は書いた?」

「ちょっと書きましたけれど、難しくて」

「何を書いて良いかわかりませんでしたわ」

「見せて見せて、メリッサさん」

「お恥ずかしいですけれども」


 メリッサさんはおずおずと羊皮紙に綴った文章を見せてくれた。


「ん~~~」

「ん~~~」


 ヒルダさんと一緒に唸ってしまった。

 字は綺麗なんだけどねえ。


「最初に色々言い訳を書かないで、言いたい事を一行目から書こう」

「レトリックが捻れていて、言いたい事が解りにくいですわね」


 赤いインクで気になる所を指摘していく。

 ヒルダさんも指摘していく。

 メリッサさんは涙目だ。


「でも書けるだけ偉いですわ。私も書かないといけませんわね」

「最初だから、普通に指摘は入るわよ。そうね、マリリンに自分が見つけた良い物を教えるつもりで書くと上手く行くかも」

「誰でも最初はこんなものですわ。頑張ってメリッサさま」

「はい、がんばりましゅ」


 文章は人に見てもらってなんぼだからね。

 沢山書けば上手くなるものであるよ。


「文章は……、書き続けると……、だんだん通るようになる……」

「通る、ですか?」

「初心者の……、文は……、通りにくい……」

「伝わりにくいって事かな」

「そう……」


 エルマーはしゃべり慣れろですよ。


「本当に文章って人となりを表しますわね、マコトさまの文章は簡単ですけれども解りやすくて読みやすいですわ」

「私のは伝わりやすさ優先です」


 私の文は漫画のト書きとかから来てるからね。

 できるだけ文字数を減らして伝わりやすくがメイン機能なのだ。


「カロルの文も簡潔で良いよね」

「私のは報告書とか研究結果の記録から来てるから無愛想よ」

「僕も……、基本、記録的……」


 カーチス兄ちゃんの文は仰々しいし、カトレアさんの文はまっすぐで直裁だ。

 コイシちゃんの文はアップルトン語を後で学んだからか、ちょっと語順が独特よね。


 メリッサさんの文は華やかで耽美なのだが、解りにくいのよね。

 雰囲気だけ残して通りやすくすると良いかもしれない。



 さて、よく勉強したのでひとっ風呂あびて晩餐に備えよう。


「んじゃ、お風呂行ってくる」

「私もご一緒しますわ」

「私も私も」

「ご一緒しますわ領袖」


 む、カロルの返事が無い。


「錬金作業をしないと」

「むう」


 くそう、私の嫁は働き者だな。

 仕方が無いのでお洒落組とヒルダさんをつれて集会室を出る。


 そろそろ空が暗くなっていく感じだなあ。

 もうすぐ夕暮れだ。


「領袖、『城塞キープ』のアーチャーの名が解りました。ナージャ・キルヒナーが来ているそうです」

「むむ、強いの?」

「キルヒナー家のナンバー2です。当主の娘ですね。一撃必殺のナージャという二つ名があります」


 二つ名持ちかあ、コリンナちゃん大丈夫かな。

 怪我したり死んだりしたら悲しいぞ。


「エーミールを雇えて幸運でしたね」

「そうだね、狙撃戦ができる人材が派閥にいないから、危ないところだった」


 一撃必殺か、二つ名が付くような技を持ってるのだろうね。

 確実に急所を打つ技みたいな。


 なるべく学園内にいて、それ以外は飛空艇にこもろうかな。

 ターゲットが出てこなければ狙撃も出来ないだろうし。

 まったく窮屈な事だ。


 四人で歩いて女子寮地下の大浴場に到着。

 脱衣所に寮の管理のおばさんがいた。


「ああ、聖女さん、聖女の湯の元って大丈夫なのかね?」

「大丈夫って? 基本飲める物だから人体に悪影響は無いと思うけど」

「いや、その、お湯の浄化用のスライムがね、なんだかとても元気になってて増えているんだよ」


 あ。

 ヒールポーションを常時飲んでるスライムはどうなるのだろう?

 そのうち知性を持って仲間になりたそうにこちらを見るのだろうか。


「大丈夫だと思うけど……、暴れる品種じゃないんでしょ」

「汎用の浄水青スライムだけどね。増えたら売れるから良いんだけど、増殖速度が五倍ぐらいになっててね、大丈夫かなって思ったんだよ」


 スライムが大増殖をして女生徒を襲うとかなったら大変だなあ。

 だが、聖女の湯をやめたら解放戦線が黙っていなさそうだ。


「問題が出たら教えて下さい、なんとかしますよ」

「そうだね、聖女の湯はみんな楽しみにしてるしね、寮のスタッフも喜んでいるんだよ。私も持病の腰痛が治ったんだよ、ありがとうね」

「いえいえ、いつもありがとうございます」


 寮の管理スタッフはお風呂掃除をしてくれたり、寮内の共有部分の清掃をしたりしてくれてる方々だ。

 三十人ぐらい居るはず。

 貴族の寮だから、それなりにしっかりした人が多いね。


 うーむ、しかしスライムかあ、進化したらスラリンと名付けよう。

 まあ、ドラクエ系のスライムじゃ無くて、普通にキモイ軟体生物なのだけどね。

 クラゲみたいなもんです。

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― 新着の感想 ―
[一言] お湯の浄化槽スライムって事は貴族の淑女たちの出汁で育ったエリートスライムって事かぁ
[良い点] 確実に急所…、まさか金的!?
[良い点] ヒールスライムが仲間になりたそうにこちらを見ている。 仲間にしてあげますか? ▶︎はい ▷いいえ [一言] ♪〜 スラリンが仲間に加わりました。
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