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第719話 アダベル便の始動を見送り学園に帰る

「そいじゃ、さっそくホルボス山にいくぞーっ!!」

「「「わあいわあいっ」」」

「もう行くの」

「うんっ、トールとティルダが待ってる、昨日行けなかったから」

「ナタリーちゃん、安全管理をお願いね」

「はいっ、扉の固定とベルトの確認ですねっ」


 子供だけで空を行かせるのは正直怖いのだが、うむむ、ここは信頼しよう。


 アダベルがボワンと竜になり、甲板から籠を降ろして背負った。

 わりと器用だな。


 聖騎士の練兵場とはいえ王都のまっただ中である。

 通行人がアダベルを見て驚愕の悲鳴を上げた。

 王都中の噂になるなあ。

 まあ、良いけどね。

 教会所属の竜という感じで噂は流れていくでしょう。


 子供達がアダベルの肩を伝って籠に乗り込んだ。


「扉固定、ベルトよしっ! アダちゃん大丈夫だよ」

『うむ、なるべく滑らかに飛ぶつもりだが揺れるかもしれないからちゃんと掴まってるのだ』

「「「はーいっ」」」


 アダベルはこちらを振り返った。


『じゃあ、マコト、行ってくる』

「いってらっしゃい、あまり遅くなる前に帰ってきなさいよ」

『そうか、遅くなると夜間飛行になるな、あぶない』


 竜には計器類無いからなあ、暗い中を飛ぶのは危険だ。


『日が暮れる前に帰る。これを見たらみな驚くであろう』


 そりゃ、みんな驚くだろうよ。

 村ではアダベルがドラゴンって知られて無いしなあ。


 アダベルはバッサバッサ羽ばたいてホルボス山の方へ飛んでいった。


「さて、私たちも帰ろう」

「そうね」

「エクレアが待ってる」

「オヤツ優先なのね」


 私たちは教皇さまとリンダさんに手を振って飛空艇に乗り込んだ。

 操縦はエルマーで変わらずである。


 ふわっと上がり、自然公園の森の上を通過し、渓谷で降下、エルマーは迷いの無い舵輪さばきでするりと格納庫に入れた。


「う、上手くなってる」

「慣れる……」


 うむむ、カロルもエルマーもスペックが高いから覚えが良いなあ。

 負けられん。


 船を下りて武道場倉庫口から地上に出る。

 そこからちょっと行くと集会棟であるよ。


 なごやかな笑い声がするのでドアをあけると、みな絶賛お茶の時間であった。

 間に合った。


「ちょうど良かったな、今、エクレアが届いた。マコトが頼んでたんだろ」

「そうそう、お昼に美味しかったから」


 というか、カーチス兄ちゃんも居ただろう。


 ミーシャさんがお茶ワゴンでお茶を注いでくれた。


「ありがとう」

「どういたしまして」


 ミーシャさんはお茶を入れるのが上手いからなあ。


 エクレアは木箱に入って届けられていた。

 ああ、これはパンの入れ物だな。

 半月堂からパンを買っていた頃のなごりだ。


 さっそくエクレアを食べる。

 もっしゃもっしゃ。

 んー、美味しい。

 メレーさんのお菓子は独特の感じがするね。

 ちょっと味に一工夫ある感じ。


「勉強の方はどう? カーチス」

「うーん、まあまあだな。数学が難しくてな」

「とりあえず、数字に慣れろだよねえ。私も復習しようっと」

「コウナゴが偉く見える今日この頃だ」

「コリンナちゃんはあなた、数学でいうと剣豪みたいなもんだから」

「そうか、いわば剣豪だったのか、計算が速いはずだ」


 数学剣豪はエーミールに連れて行かれたかな。

 ここには居ない。


 ジュリエットさんがロイドちゃんとくっついてイチャイチャしながらノートの整理をしていた。

 前世のノートと違って羊皮紙の束だから、ちゃんと管理しないと順番が解らなくなるのよね。


「ジュリちゃんは歴史?」

「はい、解らない事がおおいんですよ~っ」

「王朝と舞台となっている国を覚えて行けば楽なんだよ」

「なんとかちょうが多過ぎですわ~~」


 そりゃまあ、大陸全土だからね。

 前世のヨーロッパみたいに王朝が起こっては消えて行くからねえ。

 部下が簒奪して新王朝作るし。


「ビタリの帝国が没落して、アップルトンの地とジーンの地に新しい王朝が出来て、それが戦争したり滅んだり簒奪されたりいろいろあって、今にいたるのさ」


 ロイドちゃんのくせに意外と教養があるな。

 さすがは王族だ。


 こっちの世界でも歴史の流れはだいたい一緒なのだ。

 ビタリはローマ帝国ね。

 アップルトンはフランス、ジーンはドイツあたりだ。

 これにアランド王国という偽イギリスを足すと、だいたいの国家の動きは解る。

 まあ、婚姻とかで王族は結構親戚関係で血縁ぐちゃぐちゃではあるけどね。


 私は歴史学者の養子さんなのでそこら辺は詳しいのだ。


 さて、お茶の飲み終わったらどうするかな。

 私の勉強もあるし。

 自分のノートを整理するかな。

 授業の板書を書き写した羊皮紙は一式収納袋につっこんである。

 なんでも入るから収納袋は優秀だ。


 エクレアを食べおわったので、ノートを出して復習を始める。

 魔導理論の怪しい所も、エルマーやカロルに聞けば教えてもらえるぜ。

 便利便利。


「というか、カロルも、エルマーも自分の勉強は?」

「夜に……、やってる……」

「私も、夜は集中できるわ」


 二人とも秀才だからなあ。

 できれば私も十位以内を取りたい所だね。


 なんとなく、明日、明後日は暗闘がらみで勉強が出来ない予感がする。

 今日の内にある程度進めておこう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アダベルが颯爽と飛び立っていくのは さぞ美しいでしょうね。 ドラゴンって綺麗だと思うんですよ。 機能美というか野生美というか。 東洋の龍もそうですが、西洋のドラゴンも その生きる上で形にな…
[一言] もし城塞のせいで勉強が振るわなかったら、ジーン皇国に損害賠償請求してもいい気がします。 賠償はエクレア一か月分くらいでどう?
[気になる点] アダベルが竜の姿でホルボス村に飛んでいくと、第619話で出てきたドラゴン好きのヴァレールさんが腰を抜かしそうだなとか思ってみたりw
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