第649話 新しい朝がきたので月曜
外でヒバリが鳴く声で目を覚ました。
ふわあああっ。
お、なんか調子がいい。
やはり日曜日に魔力をあまり使わなかったのが良かったようだね。
魔力が底を打ちそうだったしなあ。
ちなみに魔力が無くなると昏倒するもようである。
一日はほぼ寝たきりで動けなくなるらしいね。
コワイコワイ。
しかし、魔力だけは売るほどあるのが自慢だったのだけれど、ぎりぎりまで使うとは思わなかった。
ビアンカさまの魔力量はどんだけあったのだろうかね。
先輩聖女さまがチートでありますよ。
ベットのカーテンを開けると起き出してきたコリンナちゃんと目があった。
「お、今日は顔色がいいな、やっぱり魔力を使いすぎてたんだな」
「いろいろやばかった。無計画に使うもんじゃないね」
「さすがにジーン皇国の皇太子が攻めてくるとは予想もできないからしょうが無いけどな」
「本当に迷惑だよなあ」
まあ、丸く収まったので後はしらん。
ジーン本国で陰謀戦をやってくれだ。
ベットから下りて歯を磨いたり用をたしたりした。
ダルシーがケトルを持って来てお茶を入れてくれる。
「ああ、いつもの朝だなあ」
「本当だね、かけがえが無い」
応接セットに座ってお茶を飲む。
うまい。
「今日は商会を締め上げに行くのか」
「そうだね、とりあえずどこまで関与しているのか確かめてそれから集落整備費を分捕ろう」
「そうだな、名門の薬の商会なのにがっかりだな」
「なんでヤクザとつるんでいるのやら」
「なんでだろうなあ」
「エドモン組関連みたいだけどなあ、王都のヤクザ組織は全部ひっくり返ったからどうなっているやら」
「お前がリンダさんにやらせたんだろうがい」
「まあ、そうとも言う」
王都中のヤクザ組織はリンダさんに懲らしめられたので現在ヤクザ組織の上に君臨しているのが教会だったりする。
私はヤクザな商売には興味が無いのでどうなってるかさっぱり解らん。
麻薬のシノギは潰したが、まだ売春とか賭博とかのシノギは残ってるはずだからなあ。
まあ、考えていても仕方が無い、いつも通り出たとこ勝負である。
しかし、偉く適当に動いているのに、ちゃんと事態が丸く収まるのが不思議だよなあ。
女神さまの思し召しなのだろう。
お茶を飲み終えたので、部屋を出て食堂に向かう。
今日も良い天気で暖かくなりそうだ。
開けた窓から春の匂いの風が入ってくるね。
エレベーターホールでは派閥の皆さんが待っていた。
やあやあやあ。
「おはようカロル」
「おはよう、顔色が良いわね」
「一日、魔力をあまり使わなかったら元気になったよ」
「一番魔力を使う飛空艇の魔力が解決して良かったわね」
「増槽が二本半あるのは心強い。蓬莱まで飛べるよ」
「そんな遠くまで行かなくても良いわよ」
それもそうであるな。
ああ、でも飛空艇に乗ってぶらぶら旅をしたいぜよ。
学校があるからしばらくできないけどね。
みんなでドヤドヤと食堂に入りポリッジを注文する。
今日は甘甘かな。
甘々ポリッジをトレイに入れて、ケトルからお茶を注いでテーブルに持っていく。
カロルはまた塩ポリッジであった。
今日の副食はソーセージエッグ。
「いただきます」
「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」
ぱくり。
うむ、甘々、良い塩梅の甘さ。
イルダさんのポリッジは美味しいなあ。
飽きが来ない味でありますね。
パクパク食べて完食。
はあ、美味しかった。
一ヶ月前の塩辛ポリッジが嘘のようだなあ。
あのポリッジは前世も含めて不味かった食べ物ベスト10に入るね。
素材は大事だよね。
今日はヒルダさんの諜報報告は無いようだね。
直近の聖女派閥の行事は父兄による派閥集会と黄金週間、それから中間テストだね。
暇を見つけて勉強会もしないと。
トラブルがあると勉強は簡単に吹っ飛ぶからね。
気を付けないと。
食器を片付けて、鞄を持って登校する。
外に出ると春って匂いがして心が浮き立つなあ。
やはり春は良い。
B組のみんなと別れてA組にカロルと一緒に入る。
だんだんA組でも友達の集まりが出来つつあるね。
「おはようエルマー」
「おはようマコト……、カロル……」
「おはよう」
ケビン王子が寄ってきた。
「おはようキンボールさん」
「おはようございます、ケビン王子」
「昨日、父に地獄谷の話をしたら激怒してしまってね。聖女に褒美で与えた領地にそんな非道な事が起こってるとは、と憤慨してたよ。前の代官とか絞られそうだね」
「王国領だから行き届かない面があるのよね、しょうが無いと思うよ」
「今回の褒美もあるから、アチソン村と、その先の宿場街のケラスも与えようとか言ってたよ」
「そんなにはいらんよ。ディーマー皇子のごたごたの件は奴らがジーンに帰ってからね」
「宿場街クラスはそこそこ税収があって良い街だぞ、キンボール」
「貰っても治める人手が無いからいらんよ。ブリス先輩一人じゃ無理でしょ」
「まあ、そこらへんは王様と相談してくれ。やはり手柄には褒美で報いないと臣下の士気に関わるのでな」
あんまり手を広げるとなあ。
やっぱり住人の顔が見えるサイズぐらいが調度良いと思うんだ。
まだ学生なんで、きっちり仕事ができないしさ。
しかし王様は気前が良すぎるぞ。
やっぱり褒美で出しておかないとジーンに嫁入りとかされたら困るからだろうね。
大丈夫だ、私は嫁には行かん。
一生カロルと一緒に独身でほえほえ生活してやるつもりだ。
それがいい。
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