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第616話 ホルボス温泉で良い湯だね~♪

 というわけで、みんなで温泉である。

 といっても、そんなに大きい温泉ではないので、入れない人は脱衣所で順番待ちである。

 聖女派閥は女性が多いので、男性の温泉が空いてそうでうらやましい。


 服を脱いで浴室に入る。

 ここの湯船は木製で大きくておもむきがあるよね。


「お風呂お風呂」

「そういやアダベルはここのお風呂が最初だったわね」

「そうそう、今ではお風呂が大好きになった。気持ちが良い」


 うんうん良い事だ。

 不潔だとドラゴン業界でも嫌われるであろう。


 よっこらしょと白濁湯につかる。

 あー、良い湯だなあ。


「ここのお湯、結構強い感じがしますわね」

「火山だから良い感じの温泉みたいね」

「肌に染みこむ感じがいたしますわ。素敵ですね」


 硫黄の匂いがして良いお湯だなあ。

 魔力切れの体に染みこむ染みこむ。

 これで魔力が全快すれば良いのだけれど、世の中はそんなに甘くは無いのよね。


 ジーン皇国の皇弟領ってどれくらいの飛行時間かな。

 どうかんがえても今の残存量では持たないよね。

 かといって魔力が回復するのを待っていたら王子と王女が移動させられちゃう。

 情報の伝達速度を飛び越せるのが飛空艇の良い所なんだから、なるだけ早くしたい。


 うーんうーーんと悩んでいたら、ぴしゃりとお湯を引っかけられた。


「お風呂で難しい事を考えないのよ、マコト」

「あ、ごめん」


 カロルに怒られた。

 そうだね、カロルの裸身でも鑑賞しよう、とか一瞬思ったのだが、お養母様かあさまの居る所で無茶はできないぜ。


「あー、肩のこりがほぐれるわねえ」

「そうか、かあちゃん、それは良かった」

「アダベルちゃんもあと五千年ぐらいすると解るわよ」

「ながいなっ!」


 ドラゴンって長命らしいけど、どれくらい生きるものなのかね。

 私たちがみんな死んでも、アダベルはアダベルのままなんだろうなあ。

 悲しいし可哀想だな。

 未来の魔導技術バリバリの世界で生きていけるかな。

 がんばれよう。


「なんで、私を見る」

「いやあ、角が綺麗だなって」

「うしし、そう~~」


 アダベルは嬉しそうに笑った。


 さて、体を洗おうかな。

 ……。

 …………。


「あっ、ダルシーは邸宅でお掃除だっ」

「ぷっ、そうね」


 しょうが無い、自分で洗おう。

 毎日洗ってもらってるから癖になっているな。


 備え付けの石鹸とヘチマでごしごしと洗う。

 うむむ。

 カロルも珍しく自分で洗っているね。


「ダルシーはいないのかあ」

「邸宅でお掃除中よ、自分で洗いなさい」

「私が洗ってあげるわ」

「わあ、かーちゃんありがとーっ」


 アダベルはお養母様かあさまに洗って貰ってご満悦であるな。

 いいなあ。


 グレーテ王女もおずおずと体を洗っている。

 皇族のお肌はヘチマで大丈夫か?


 さすがにシャンプーは無いので髪は洗わない。

 備え付けの石鹸で洗うと髪が傷みそうだよ。


 また、湯船につかる。

 ああ、染みこむ染みこむ。


 しかし、邸宅のお風呂はどうなってるのだろうか。

 まさか、あの凄いアメニティがあるのではあるまいな。

 温泉は引かれているのか?

 寝る前に調べてみよう。


 暖まったので湯船を出た。

 しまったバスタオルもダルシーだわ。

 仕方が無いので収納袋から小さいタオルを出して体を拭いた。

 うーむ、洗いたての下着も無い。

 私はダルシーが居なければ何も出来ないご令嬢になってしまったのか。


 しゃーないので売り物の簡易式ドライヤーを丸めて使った。

 自分でブイーーンとな。

 ついでに、グレーテ王女とお養母様かあさまとアダベルにもかけてあげる。


「カロルは?」

「おねがい~」


 よしよし、ブラシで髪の毛を伸ばしながらブイーーン。


「あふっ、上手いわね、マコト」

「まかせてっ」


 わりと密着して髪を乾かしてあげるので、なかなかこうつのる感じがあるね。

 うえひひひ。


「もう、すぐ変な顔をするんだから」

「あ、してた?」

「うふふ、青春ね」


 お養母様かあさまに笑われてしまった。


 まあ、ドロワースは替えてないけどさっぱりした。

 外にでると、お洒落組とかが待っていた。


「空いたよ~」

「ありがとうございます」

「マリリン、これあげる」

「あら、簡易ドライヤー、持ってますけど」


 そうか、マリリンはメイドさんが居ないから、自分でもってるのね。


「じゃあ、メリッサさんにあげよう」

「……、あっ!! カリーナがいませんわっ!!」

「そうそう、一人で洗ってドライヤー掛けなきゃだめよん」

「が、がんばりますわ」


 メイドさんのお世話に慣れてしまうと難よね。

 お、ヒルダさんもいるぞ。


「ヒルダさんも温泉ですか?」

「私はシャーリーが掃除から戻ってから入ります。それよりも作戦会議を行いましょう」

「どこか良い場所あるかな」

「宿屋の酒場を使わせてもらいましょう。甲蟲騎士団も入れて」


 そうね、塔の感じとか知りたいしね。

 ディーマー皇子にジーン皇国の情報とかも貰いたい。


 村の広場にでると、リーディア団長とガラリアさんが居た。

 わっはっは、村娘みたいになってるね。

 なんだか二人とも可愛い。


「な、なんですか聖女さま」

「可愛いですよリーディア団長」

「やめてください」

「ガラリアさんも良く似合ってるわ」

「あ、ありがとうございますよ……」


 男衆はどこかな、と探してみたら、宿屋の一階の酒場でお茶を飲んでるっぽい。

 ちょうどいいな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 温泉、いいですよね〜。 じんわり暖かくなります。 マコト様もとうとうお貴族様になりましたね。 だってダルシーがいないとお風呂が不便なんですもの!! いや〜、メイドさんっていいですね。 いや…
[一言] まだ魔力が足りてなさそうだね。こればっかりはどうしようもないですな。光魔法ドリンクとかないしね。 ああ~お風呂回はいいですねー!  アダベルちゃんprpr この娘なら魔道技術の未来でも…
[良い点] うえひひひ
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