第546話 授業が終わってうな丼ランチで気合いを高める
「マコト~、今日のランチはどうする~?」
だから、磯野~~野球しようぜ~~という感じにランチに誘うなカーチス兄ちゃん。
「また外食するかな、どこか良い料理屋さんしらない? エルマー」
「僕は……、あまり……、外食をしない……、ので……、高い店しか……、しらない」
そうかそうか、エルマーは侯爵家のおボンボンだしな。
「侯爵領で特産物とかないの?」
「ぱっと……しない」
ちなみにクレイトン家は王都の魔術関係の権威の家なので領地はそんなに大きく無い。
侯爵家といっても色々なんだよね。
収入は王家からのお給金が大部分らしい。
法衣侯爵みたいなもんだ。
王家主従は悲しそうな顔で教室を出て行った。
火曜日はビビアンさまと上級貴族レストランでご会食である。
ドンマイ。
「マコト、オルブライトの薬膳料理とかどうかしら、マコトに食べて貰って健康になって欲しいわ」
「……」
前にもカロルに薬膳料理を勧められたな。
カーチス兄ちゃんの方を見ると目をそらした。
これは、あまり美味しく無いと見た。
「ま、また今度ね……」
「癖はあるけど、健康になれるのよ」
カロルさん、私はそんなに健康に不自由はしておりません。
聖女候補ですので。
皆で集まって決めるか。
ゆりゆり先輩のお勧めとかあるかもだし。
ヒルダ先輩のお勧めは嫌だな、鱒とか出たら食べられない。
「とりあえず、皆で集まってから決めよう。ライアンとか、ユリーシャ先輩とかお勧めがあるかもしれないし」
「そうね」
B組の子たちが来たので移動する。
階段で二年生と合流して、玄関でゆりゆり先輩と合流だ。
「今日はどこに行くんですの?」
「何にも決まってないよ。ライアンとか、オスカーとかは、美味しいお店知らない?」
「そういえば下町のつばめ食堂でウナギを出すらしいですよ」
「ほう」
「あのカツドーンのお店か、そういえばギュウドーンを食べてないな」
「僕は……、カツドーンを……、食べねば……」
「そうしようか」
ウナギって事はウナドーンか、ウナドーンが食べられるのか?
「それではツバメ食堂にいこー」
「「「「おーーっ!」」」」
みなで王都大通りを下町まで歩いた。
つばめ食堂は結構繁盛していて、席があまり空いていなかった。
「あ、これは聖女さま、いらっしゃいませ」
「席が空いてないね」
「もうすぐ空きますよ、十六人さまですね」
カマラさんの弟さんが予約を取ってくれた。
さすがに大人数は取り回しが悪いね。
あまり下町には来ないのか、ジュリエットさんが辺りのお店をキョロキョロしていた。
店の前にウナギというのぼりが立っていて、おねえさんがパタパタと店先でウナギを焼いている。
あああああ、良い匂いだなあ。
「なんでえっ、ウナギなんて雑魚をようっ」
「いや、馬鹿にしたもんじゃねえぜ、すんごく美味いぜ」
「てやんでえっ、俺っちはギュウドーン一択でぇっ」
下町のおじちゃん達がウナギの噂をしていた。
さすがに、苦戦してるかな。
「今日はカマラさん居ないな」
「下着店じゃないかな」
「また行って、ブラを買わないと」
私たち魔法学園貧乳三人衆にとって、カマラさんちのスポーツブラは生命線なのだ。
しばらくするとテーブルが空いて入れるようになった。
ああ、お腹がすいたなあ。
「私はうな丼ね」
「はいっ」
カツ丼を食べて景気を付けたい所だけど、ウナギが食べられるならウナギじゃ。
うな丼は意外に安い。
雑魚って事で安く手に入るからだろうね。
カツ丼、牛丼よりも百ドランクぐらい安い。
みな口々に料理を注文していた。
意外にうな丼の人気がないねえ。
でも、美味しい物だから口コミで広がるでしょ。
「ウナギって美味しいのかね?」
「あまり王都では食べられませんわよね。ハイランドの方ではゼリー寄せにするらしいですが」
「ハイランドの料理は不味いからなあ」
ハイランドというのは偽イギリスだな。
いわれのない風評被害で、こっちの世界でも飯マズ国家として有名だ。
もの凄い肉厚のウナギが乗ったうな丼が運ばれてきた。
おお、肝吸い付きだね。
これは美味そう。
私の所には箸が付いて来た。
「聖女さまにはこの箸を出せと、姉に言われてますので」
「ありがとう、たすかるわ」
カマラさんナイスー。
ウナギはテラテラと脂を反射させてとても良い感じに焼けている。
ふわー、美味しそう。
「では、お先にいただくね」
「はい、冷めないうちに」
うな丼を取ったのは、私と、ゆりゆり先輩と、コイシちゃんだけであった。
コイシちゃん、やめろっ、塩をふるなっ!!
柔らかいウナギを箸でつまむとほろりと切れた。
あー、これは美味しいやつ、美味しい奴。
ぱくり。
んーっ!! んーっ!!
これは凄い。
肉厚でぷりぷりしたウナギはふわっと柔らかく焼けていて、甘塩っぱいタレが良く合っている。
美味しいっ!!
ああ、蓬莱のお米も良い感じ。
これは、前世の凄く高い料亭のうな丼だっ!!
カマラさん、でかしたっ!!
「まあっ! これは不思議で美味しいですわっ!!」
「思ってたのと違う食感だみょん! でも、凄く美味しいみょんっ!!」
他の二人にもウナギは好評のようだね。
「えっ、えっ、どんな味なの?」
ウナギとご飯をちょっとお箸で掴んでカロルに差し出した。
カロルは口をあーんと開けてぱくりと食べる。
「!!」
カロルが目を見開く。
「私も私もっ!」
コリンナちゃんにも一口、箸で運ぶ。
彼女も口に入れた瞬間、絶句した。
「すごく香ばしくて不思議な味だわ、脂がのってるのにしつこくなくて、甘塩っぱいのね。カツドーンとも、ギュウドーンとも違う味の地平ね」
「うわわわ、この味好き、あー、ウナドーンにすれば良かった」
二人ともウナドーンに心を奪われたようだね。
そうだね、ウナドーンは無敵なんだ。
ああ、美味しい。
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