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第544話 晩餐は海産物で美味しい

 女子寮を出て、ジャンヌお義姉様ねえさまを校門までお見送りである。


「はああ、お肌がすべすべだわ、凄いわね聖女の湯」

「でしょう」

「家庭用のお風呂だとおいくらぐらい?」

「金貨一枚です」

「ぐうっ、効き目だけの値段はするわね」


 私は収納袋から一回用の小瓶を三つ、ジャンヌお義姉様ねえさまに渡した。


義兄様おにいさまとお楽しみください」

「んもう、マコトちゃんはおませさんねっ」


 ジャンヌお義姉様ねえさまは私の肩をポコリと叩いた。


「あ、シリアルナンバーが付いてるわね」

「横流し防止用です」

「……あー、確かに、超高値で転売できそうね」

「横流しした人には売りませんので」

「考えているわね、ありがとうっ、ドライヤーと聖女の湯の元で得しちゃったわ」

「いえいえ、他ならぬお義姉様ねえさまですから」

「マコトちゃん、だーい好きっ!!」


 ジャンヌお義姉様ねえさまにぎゅうぎゅうハグされた。

 あ、カロルが膨れておる。

 すまぬすまぬ。


「じゃあ、水曜日のお昼に来れば良いかしら」

「はい、私は午後の授業が無いので」

「あれ、魔術の授業は?」

「光魔法を使えるのは私一人なので、誰にも教われないのです」

「あーーっ、それは大変ね」

「独学でなんとかしてますから良いんですけどね」

「じゃあ、水曜日に。飛空艇楽しみだわ、あとマコトちゃんのデザインも」

「お義兄様にいさまによろしく言っておいてください」

「わかったわ、じゃあね~」


 そう言うとジャンヌお義姉様ねえさまは去っていった。


「明るくて良い人ね、ジャンヌさま」

「本当に、良い人に家族になって貰えて嬉しいな」

「マコト、ハグしていい?」

「え、ああ、その、ちょっとだけなら」


 カロルが抱きついてきてぎゅうぎゅうされた。

 こやつめー。

 はっはっは。


 空を見上げると大分暗くなりはじめている。

 晩餐までは二時間ぐらいかな。


 各人自由行動という事で聖女派閥は解散であるよ。

 私は自室で本でも読むかな。


 205号室に帰ったら、コリンナちゃんが机で勉強をしていた。


「お帰り」

「コリンナちゃんは勉強かあ、お洒落組に見習わせたいね」

「あの子達もそろそろ勉強を教えないといけないな」

「そうだね、中間まで二週間だし」

「今日集会室に行けばよかったなあ」

「お義兄様にいさまの婚約者のジャンヌお義姉様ねえさまが来て、お洒落組にテストのコツを教えていたよ」

「ほほう」

「お義姉様ねえさまも魔法学園のOGだから為になったよ」

「そうか、明日お洒落組から話を聞いてみるか。あとはジュリエット嬢とカーチスさまか」

「ジュリちゃんは頭良さそうだけどね、魔術師の家系だし」

「彼女はロイド王子がB組だから居ただけじゃないかな? これも聞いて見よう」


 うむ、コリンナちゃんが居ると頼もしいな。

 教師役は、あとカロルか。

 ヒルダさんは教師出来そうね。

 ゆりゆり先輩は駄目だろう。


 剣術組がA組なのが地味に助かるな。

 カトレアさんの知性を上げるのは大変そうだ。

 A組に居ると言う事は相当勉強を頑張ったと見える。

 偉いぞ、カトレアさん。


 ベットに上がって、本を収納袋から取り出した。

 アップルトンの迷宮ガイドブックだな。

 迷宮はあちこちに存在するんだが、飛空艇があれば結構な遠出も出来るなあ。

 収納袋が作りたいのだが、材料はどっかの迷宮の植物モンスターの胃かなんかだったっけ。

 大きい収納袋が欲しい。

 そして、派閥員にも収納袋を持たせたい。

 収納袋は便利だしな。


「おい、晩餐に行くぞ」

「おろ、もうそんな時間?」


 コリンナちゃんが顔を出してそう言った。

 迷宮ガイドを読みふけってしまった。


「またどこかに行くのか?」

「計画中なんだけど、収納袋が欲しくてね」

「おー、買うと信じられないほど高い奴か」

「もっと大きい収納袋が欲しい、で、みんなにも持たせたい」

「確かに異常に便利そうだな」

「でしょ」


 コリンナちゃんと連れだって廊下に出て部屋を施錠する。

 階段の踊り場から見る空はもう真っ暗で西の方がわずかに赤い。


 エレベーターホールに行くと、みな待っていて、ぞろぞろと食堂に入る。


 クララと挨拶を交わしてトレイを取る。

 今日の晩餐は何かなあ。


「今日は舌平目のソテー、クラムチャウダー、タマネギサラダに黒パンだよ」

「おおっ、豪華な」


 王都は海から遠いので海産物はなかなか口に入らないのだ。

 輸送に水魔法使いが付いて氷魔法をかけ続ける感じで鮮度を保つのさ。

 それを考えると、舌平目とクラムチャウダーは豪華な感じだな。


「なに、ダンスパーティ用に仕入れた奴が回ってきたんだ。上級貴族レストランが発注しすぎたらしい」

「ああ、それで。昨日の舌平目は美味しかったなあ」


 エビフライなんかも上級貴族レストランの発注なんだろうな。

 見ると上級貴族食にはエビフライが付いてた。

 いいなあ。


 お料理のお皿をうけとり、ケトルからお茶をカップについでテーブルに運ぶ。


 ああ、舌平目が良い匂い。

 お腹空いたー。


 皆が揃ったので、食事のご挨拶。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 パクリ。

 あーー、昨日の舌平目と味が違うね。

 ソースが違う感じ。

 イルダさんの料理は別格だなあ。

 美味しいっ。


 クラムチャウダーも、こくがあって美味い。

 口の中にアサリの味わいが広がるねえ。

 やっぱり海産物は口にすると気分が高揚する。

 あー、美味しい。


 海産物系を食べると、どうしてもお刺身にご飯が食べたくなるなあ。

 今度、蓬莱料理屋さんに行って食べようかな。

 ああ、でも王都ではなあ。

 飛空艇で漁港まで飛んでそこで蓬莱料理屋を探すかな。

 大きい港なら一軒ぐらいはあるでしょ。


 うん、行こう行こう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 順調にデレておるなカロル=サン。よすよす。もっとやれ。 しかしまあ飛空艇便利よねえ。強いし。これだけで相当なアドバンテージがあるね。 いつかテコ入れでビビアン様のところに何かヤバイ物が出てく…
[一言] カロルのヤキモチがカワイイ
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