表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

541/1518

536話 カロルと一緒にダンスをする

 食事をしているカロルとダンスパーティで起こったあれこれをしゃべる。

 やっぱり雑談は楽しいね。

 カロルの食事が終わる頃には、私の頬も熱いし、カロルの顔も紅潮していた。

 ヒール掛けようかなとも思ったけど、まあ、多少の酔いは良いかな。


 カロルの食事は終わって、アンヌさんがハーブティを出していた。

 私とコリンナちゃんにも入れてくれる。


「はあ、ありがとう二人とも、おいしかったわ」

「カロルは秋のダンスパーティに出ないの?」

「そうね、ちょっと意固地になって居たかもしれないわね。オスカーもいるし、秋は考えて見ようかな。みんなと一緒なら楽しいだろうし」

「うんうん、それが良いよ。変な事を言ってきた奴はぶっとばしてあげるからさ」

「うふふ、マコトありがとう」


 ゲームのカロルがダンスパーティで見かけなかったのは、派閥が無かったからなんだろうな。

 たしかに一人でダンスパーティに行く気にはならないだろうね。

 でも、今回は派閥のみんながいるし、大丈夫だから。

 きっと、ダンスパーティは楽しいよ。


 いや、さすがにオスカーと恋に落ちたらかなわないけどね。

 カロルはオスカーに優しいけど、どう思ってるのかな。

 ちょっとは惹かれてるのであろうか。


 うむむ、ゆるせーんっ!! ゆるせーん!!

 なんだか自己矛盾だが、恋する乙女は色々と複雑なのだ。


 まあ、いいや、カロルの食事が終わったから、当初の目的を果たそう。

 私はソファーから立ち上がった。


「素敵なレイディ、私と一曲踊っていただけませんか」


 カロルは吹き出した。


「あー、あー、なるほどねえ、それで礼服を作ったのね。ありがとうマコト」


 カロルは立ち上がって笑顔でカーテシーを決めた。


「まあ、素敵なお方、嬉しいですわ、謹んでお受けいたします」


 うっしっし、これがやりたかったんだ。

 コリンナちゃんが立ち上がって、魔導プレイヤーのスイッチを押した。

 ちょっと音が昔のレコードみたいに悪いけど、ワルツが流れはじめた。


「わあ、用意周到なのね」

「今日はカロル嬢との夜会ですので」

「うふふ、口調が変だけど、良いわね」


 カロルの手を引いて、錬金室の開けている所に連れ出した。


 お辞儀をして体を寄せる。

 わあ、カロルと密着するとドキドキするね。

 エルマーの時と比べものにならないや。

 カロルの上気した顔が近い近い。


 前奏が終わったので踊り出す。

 ワンツースリー。

 ワンツースリー。

 ああ、カロルの体が軽いな。

 すんごく踊りやすい。


「マコト、男性パートが上手いわね。練習したの?」

「うん、練習したよ、たくさん」

「ありがとう、うれしいわ」


 カロルをくるくると回して引き寄せる。

 ふわー、ダンスは幸福感でかいね。


「なんだか、マコトが格好いいからドキドキするわね」

「ありがとう、私もドキドキしてる」


 うん、彼女を胸に抱くと心臓がどきどきしているのを感じる。

 なんだか、生きてるんだなって思う。

 あー、楽しいなあ、嬉しいなあ。


 二人でくるくると空きスペースで踊る。

 楽しい楽しい。


「すんげえ、上手いな二人とも」

「ダンスの選手権のようでございますわね」


 観客のコリンナちゃんとアンヌさんの感想が耳に入る。

 はっはっは、ダンスコンテストも秋に王都であるらしいから二人で出場したいね。

 女子同士だと参加できなさそうだけどね。


 一曲踊って、体が温まった。

 次の曲が自動的に始まった。

 ジルバだな。


「カロルはジルバ踊れる?」

「うふふ、任せて~、何年もやってないけど」


 ズンチャチャと軽快な音楽が始まった。

 カロルをくるくる回したり、ステップを踏んだりで、色々忙しい曲だ。

 くるくる、スタスタ。

 カロルと一緒に踊る。

 ひゃあ、上手いなあ。


「マコト上手いわ」

「ダンスは一通り覚えたよ。ダンス得意なんだ」


 スロー、クイック、クイック。

 スロー、クイック、スロー。

 男性パートの私も結構回るステップがある。

 いやあ、カロルは上手いなあ。

 ちゃんとタイミングがぴったりだ。

 音楽も軽快で派手な踊りだなあ。

 本来は中世後期にジルバは無いのだろうが、乙女ゲームにそんな事を言うのは野暮ってもんだ。


「ひゃあ、ブラボー」

「素敵ですわ」


 ダンスが終わって、コリンナちゃんとアンヌさんが拍手してくれた。

 ふえー、楽しい。


「上手い人と踊ると楽しいわね」

「本当に、カロルは上手いねー」

「最近はぜんぜん練習してないのにね、覚えてるものだわね」


 次の曲は、タンゴである。

 あまりくるくるさせないで、ステップで動いていく感じの曲。

 頭を同時に振ったりするね。

 カロルはタンゴでも、ちゃんとついてくる。

 ああ、凄く楽しい。

 色々なダンスを踊るのは楽しいね。

 私の体温があがってるし、カロルの体温が上がってるのを感じる。

 踊るのは楽しい。

 官能的だね。

 錬金室のスペースを一杯につかって、踊る。


「ダンスが楽しいのを忘れていたわ」

「うん、君と一緒だと凄く楽しいよ」

「うふふふっ」


 タンゴが終わり、カロルが私の胸に顔を埋めて笑う。

 呼気がこしょばいね。


 三曲踊って、ちょっと疲れたなと思ったら、次はブルースであった。

 ちょっと一休みのチークダンスだね。

 体を寄せ合って、ゆっくりとステップを踏んでいく。

 ああ、なんだか一体感がすごいや。

 ダンスってエロいね。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 4月最大のイベントは大成功
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ