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第508話 つやつやの男衆を見てからシャワーをあびる

 仕方が無いので蒼穹の覇者号のスイートに入る。

 というか、広いな、セミダブルベットが二つに応接セット、おトイレ付きだ。

 四人でもゆったりだねえ。


 アダベルがベットに飛び込んでボインボインとはねておった。


 私とカロルとコリンナちゃんは応接セットに腰を下ろした。

 うわ、肌触りが良いソファーだな。


「マコトの飛空艇なのに、船室には慣れてないわよね」

「私の居場所は操縦室なんでねえ」


 操縦席の方がくつろげるね。


「ガドラガ大玄洞に行けば一週間はこの部屋なんだから慣れておけよ」

「そうだね」

「そうね」


 うひょひょ、カロルと一緒に一週間、このお部屋かあ。

 夢がひろがりんぐ。


「また猫みたいな顔をして」

「してないもーん」

「してたしてた」


 ダルシーがケトルを持ってきて、お茶を入れてくれた。


「アダベルもお茶を飲みなさいよ」

「お菓子ある~?」

「ダルシー、何かある?」

「ひよこ堂のクッキーがございます」

「一枚ずつ出して」

「かしこまりました」


 みんなで座ってお茶を飲み、クッキーをぽりぽりと食べる。

 丸窓の外は暗くて雰囲気は出ないけど、落ち着いた調度の部屋でのんびりするね。

 外が空だったら、もっと雰囲気が良いんだろうね。


「あ、ルカっちにドレスが見せられないや」

「そういやそうね。時間があるから着替えたら見せに行こうか」

「おお、そうか、図書館まで通路があるから」


 武道場の一階倉庫よりは、地下秘蔵庫を移動する方が汚れないでしょ。

 お養父様とうさまたちが整理してくれたしね。


 のんびりまったりしていたらドアが叩かれた。

 ダルシーが扉を開くと、ピカピカのカーチス兄ちゃんがいた。


「ぎゃっはっは」


 思わす爆笑すると、カーチス兄ちゃんは嫌な顔をした。


「んにゃろう、このアメニティは効き目が凄すぎんぞ」

「そういうもんだし」


 私は廊下に出て、他の男衆の艶姿を見た。


「うひゃひゃひゃっ!」

「わ、わらわない……」


 エルマーも、ライアンも、オスカーも、ロイドちゃんもピカピカだなあ。

 やっぱり髪に効くみたいでなんだか色合いがつやっつやであるよ。


「すごいね、これ、王家にも売って」

「だめだよ、数が無いから、王家には秘密ね」

「うむむ、ばれそうだがなあ」


 知った事か。

 予備は十二本ずつしか無いのだし。


 アンヌさんが出てきた。


「ロイドさま、お召し物は?」

「え、あ、王宮……」

「そういや礼服着替えるのは王宮なんだね。帰りなさいよ」

「えー、そんな、邪険にするなよう」

「邪険にはしないけど、王家の方の準備とかあるんでしょ」

「あるけどさあ」


 私は廊下の時計を見上げた。


「パーティーは四時からだから二時頃には移動しなさいよ」

「わ、解った」

「ちょうどアダベルと図書館に行く予定があるから見送ってあげるよ」

「そうか、ありがとう」


 というか、ロイドちゃんは王宮行事に関与してないのか?

 ケビン王子とジェラルドは忙しそうだったが。

 

「ともあれ、男どもは上がったぜ」

「わかったよカーチス、三時頃待合場所に行こうか。それまでは部屋でくつろいでて」

「了解だ。しかし、この船で旅行も行けるな」

「いけるいける。夏休みは派閥のみんなで海に行こうかと思ってるよ」

「それはいいね、領袖」

「ライアンは泳げるの?」

「まあまあだね。オスカーは?」

「領が海に面してるから泳げるよ」


 なんだか、ロイドちゃんが羨望の目でこちらを見た。


「いいな、僕も行きたいよ」

「ロイド王子は公務がなけりゃね」

「みんなで旅行とか楽しそうだよ」


 ケビン王子と相談して参加しなさいよね。


 男衆が引っ込んだので、カロルと、コリンナちゃんと、アダベルと、私でシャワールームへ行く。


「アダベル、自分で出来る?」

「まかせろっ! ……、ちょっと教えて」

「あはは、私が手伝ってあげるよ」

「そうか、ありがとうコリンナ!」

「助かるわ、コリンナちゃん」

「なあに平気平気」


 コリンナちゃんは世話好きで良いな。


 ちょうど三つのシャワーブースがあるので、脱衣場所で服を脱ぐ。

 シャワーブースに入って、魔導ボタンを押すと上部からショワッと温水が噴き出してきた。

 ふう、暖かい。

 備え付けのアメニティで体を洗おうとしたら、ダルシーが現れて勝手に洗い出した。

 シャワーぐらい一人でできるのだがなあ。

 隣を見るとカロルもアンヌさんに洗われているようだ。


「にゃはは、くすぐったいぞコリンナ」

「大人しくしろう、アダベル」


 反対側はコリンナちゃんがアダベルを洗っておるな。

 楽しそうだね。


 ダルシーはボディシャンプーをスポンジに付けてもしゃもしゃと体を洗っていく。

 ああ、お花の匂いでいっぱいになって良いね。


「良い匂いねマコト」

「そうだね、カロル、今度友鳴り花を摘みにいこうね」

「良いわね、希少素材を取りに行くのは楽しそうだわ」


 二人で持った友鳴り花がリンリンと鳴ったらいいねえ。

 なんだかそれは幸せの光景のような気がするよ。


「コリンナも洗ってあげるぞ」

「ありがとう、アダベル」


 うむ、アダベルとコリンナちゃんも楽しそうで良いね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 飛空艇アメニティはカロルと協力して製法再現して材料持ってきたら作ってやるって方針で行けば、とか思ったけど金の力に物言わせて素材根刮ぎの可能性があるからダメか
[良い点] ロイドちゃんも海行けるといいねぇ。 もれなくリックさんもついてくるけど。 海鮮B.B.Q.とか楽しそう。 [一言] 久々のほんわかキャッキャウフフ回で何よりです。
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