表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

512/1527

第507話 飛空艇に行って部屋割りをする

 全員が食べ終わってくつろいでいるな。


「それでは希望者は飛空艇で飛空艇アメニティを使ってシャワーをあびてください」


 ザッと全員の手が上がった。


「ねえ、マコトさん、ドレスの着付けも飛空艇の船室で行ってはいかが?」

「あ、良いですねユリーシャ先輩」


 一石二鳥だなあ。


「素敵ですわ、シャワーをあびたあと船室でのんびりできますのね」

「飛空艇の船室はお洒落でとても居心地が良いのですわよ」


 つうか、ドレスに着替えたら集合場所までどうしよう。

 さすがに武道場の一階の倉庫を通すとドレスが汚れかねないしなあ。

 図書館側から出るかな。


「集合場所はどこだっけ?」

「王宮門の近くの第三グラウンドだね」

「飛空艇発着のグラウンドは空いてるのかな」

「え? どうするつもり?」

「いや、着替えてドレスで倉庫とか歩かせるのは何だなあと思って。飛空艇でグラウンドに出れば楽じゃん」


 みな沈黙して私の顔を見た。


「さすがはマコトさまですわ」

「基本的に馬鹿だよな」

「ごっついことを考えるみょん」


 なんだよー。

 便利だろー。


【今からグラウンドへ船体を回しますか?】

「待合室でドレス類を船に持って行かなきゃならないから、格納庫にいて良いわよ」

【了解しました】


 カロルがふうとため息をついた。


「蒼穹の覇者号へ行きましょうか」

「そうだな、行こう」


 みなが立ち上がった。

 な、なんだよ、変な空気だな。


「おー、飛空艇飛空艇、私、飛空艇大好き~~!」


 アダベルがビョンビョンしながら言った。

 同感であるよ。


「男たちは一部屋かな」

「そうだね、カーチス。五人いるから二等船室を借りようか」


 歩きながらライアンが快活に言った。


「ラウンジ……、でも……、いい……」

「ラウンジでは着替え難い、船室がいいのでは?」

「それも……、そうか……」


 エルマーがオスカーの言葉にうなずいた。

 男衆たちも、だんだんと仲良くなってきたね。


 皆が集会室から出たので施錠する。

 ペンティア部がクララのパンワゴンの袋をぶらぶらさせながらやってきた。


「あれ、聖女派閥さんはどこに行くの?」

「飛空艇でお着替えですわ、カーターさま」

「そ、そうなんだ。今日は楽しみだよマリリン」

「ペンティア部の皆さんのお着替えは?」

「部室でやるよ。合流は待ち合わせグラウンドでかな?」

「はい、そこでお会いしましょう」


 そういうと、恋するカーター部長とマリリンは見つめ合った。

 やめろ~、甘ったるい空気を醸し出すな。


 集会棟からだと、武道場倉庫の入り口が近いね。

 そっちに向けてぞろぞろと歩く。

 今日は通り過ぎる生徒たちがふわふわ浮ついた感じでお祭り感あるね。


 武道場の一階倉庫のドアを開けて、中に入る。

 暗いので『ライト』を飛ばす。

 しかし、ごちゃごちゃしてんな。

 最近は私たちが良く通るから、一応道のような物は出来てるんだけどね。


 奥の扉を開けて急な階段を下りる。

 突き当たりのドアが自動的に開いた。

 やっぱエイダさんは便利だな。


 ダルシーとアンヌさんが現れて、ロッカーのドレスを畳んで持った。

 私とカロルのドレスのようだ。


「カロルも着替えなさいよね」

「ん~~~」


 渋い顔だ。


「一応シャワーをあびて着替えるわ」


 よしよし。


 ドアを開けて通路に出る。

 まっすぐ歩いて格納庫へ。

 いつも思うのだけど、廊下側から見る蒼穹の覇者号は斜め後ろからの姿が優美で美しいね。

 ほれぼれですわ。


 私たちが近づくと飛空艇のハッチが開いた。

 タラップを上がって船内に入る。


「部屋割りはどうしようか」

「適当で良いだろ、男たちは二等な」

「解った……」


 カーチス兄ちゃんが、ロイドちゃんを含む男衆を連れて二等船室を占拠しおった。


「あんた達、先にシャワーあびなさいよ」

「なんでだ」

「女子のシャワーは時間がかかるからよ」

「わかった……」


 シャワーブースは三つしか無いからな。


「じゃ、私は四等へ」


 コリンナちゃんがそそくさと船尾に向かって歩く。


「私もそうしよう」

「だめ」

「だめよマコト」

「領袖はスイートで」

「えー、落ち着かないよう」

「「「だめ」」」


 くっそ、みんなにダメ出しを食らった。


「じゃあ、カロルも一緒ならいい」

「しょうが無いわね」


「では、わたくしが隣のスイートをお借りしますわ。メリッサさん、マリリンさん、ジュリエットさん、ご一緒しましょう」

「はいっ、ユリーシャさまっ」

「光栄ですわっ」

「嬉しいですっ、ユリーシャお姉様っ」


 おお、お洒落系で固めたね。


「私と、カトレアさん、コイシさん、エルザさんは二等を使いましょう」

「ご一緒するみょん」

「うむ、それがいい」

「光栄です、ヒルダさま」


 剣術部はヒルダさんが面倒を見てくれるようだ。

 助かる助かる。


「むっ」


 コリンナちゃんが四等で一人になっちゃうな。


「コリンナちゃんも、スイートに来なさい」

「うぐぐ、落ち着かんのだが」

「みんなで四等に行く?」

「それは駄目よ、コリンナ、観念しなさい」

「しかたがないなあ」

「アダベルも来なさいよ」

「おーー、一番良い部屋~~」


 アダベルも嬉しそうね。


「では、私たちは四等へ。あとで、コリンナさまとアダベルさまの着付けをお手伝いしますね」

「はい、おねがいします」


 お針子さんたちが頭を下げて、四等船室に向かった。


 リックさんが廊下にポツンと立っていて、目が合うと黙礼をして階段を上がっていった。

 うむ、デカい人はラウンジに居るのが良いね。


よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 飛空艇でグランドに乗り付けてキラッキラの派閥員が降りてくるとか激しく目立つ
[良い点] エイダさんは、気遣いの出来る魔導頭脳。 [一言] …ロイドちゃん、とうとう聖女派閥に… 君、本来は王家だからホスト側では? ヒルダ先輩…がんば٩( 'ω' )و がんばれ、コリンナちゃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ