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第500回 まずは聖女の湯にはいるぜっ

 朝ご飯がおわったので、カウンターに近づいてメレーさんを呼んで貰う。

 うはあ、なんかドロロンとしてるな。


「ああ、マコト……」

「お酒はヒールボンボンで消したんでしょ?」

「うん、だけど寝不足は解消されないみたいだ」

「寝不足は解消されないわよ、仕事の手が空いたら仮眠しなさいよ」

「わかった」


 メレーさんの額に手を置いてヒールを掛ける。

 ぽわっと青白い光が走って、メレーさんの目の下のくまが消えた。


「わ、楽になった、本物の魔法はすごいね」

「まあ、ヒールポーション一瓶分ぐらいの効果があるからね」

「助かるよー、ありがとうマコト。はい、これ蒸留酒チョコボンボン」

「うっ……」


 そんな危険物を人前で渡すんじゃありません。

 カロルとか、メリッサさんから殺気がする。

 折り箱の蓋を開けると、十個ほどのチョコボンボンが入っていた。

 赤いクリームでハートが書かれてるな。

 収納袋に隠しておこう。

 それがいい。


「聖女の湯もあるから、あとで入りなさいね」

「そりゃ助かるね」


 私はカウンター口に半身を乗り出した。


「みんなもお料理がんばってね」

「ああ、まかしときなマコト」

「がんばるよ」

「女子寮食堂からは、デザートのチョコミントボンボンとコンソメスープが出るよ、お楽しみに」


 みんな口々に返事をした。

 ダンパのメイン料理は展望レストランかな、色々と縄張りがあるらしいね。

 イルダさんが満足そうに笑って、ちょっと頭を下げた。

 うんうん。

 


 さて、皆でぞろぞろと地下大浴場へ。

 お風呂セットを忘れて部屋に取りに行ってる派閥の子もいるぜ。


 というか昨日寝る前にお風呂に入ったので連続入浴な感じもしないでもないが、いいのだ、お風呂は何度入っても良いという温泉宿の教えなのだ。


 脱衣所で服を脱いで籠に入れてロッカーへ。

 鍵は手首に付けるぜ。


 からりとガラス戸を開けて浴室に入ると、二三人の女生徒が入ってるね。


「あっ、聖女の湯ですか、出ますのでお願いします」


 女生徒の一人が慌てて浴槽から出ようとした。


「入っていて大丈夫よ」

「本当ですか、ありがとうございます」


 ダルシーがうやうやしく運んできた聖女の湯の元の瓶を開けて浴槽に入れていく。

 ふんわりとお花の匂いがしてお湯が一瞬白濁し、透明に変わった。


「良い匂い、この湯の元も良かったわね」

「そろそろ在庫がなくなるね、また作らないと」

「今度はなんのハーブを入れようかな」


 カロルと話しながらかけ湯をしてお風呂に入る。

 ふわあ、良い匂い、じんわり肌に成分がくるね。

 フワッと汗が出て良い気分。

 というか、食事のテーブルを囲んでる皆と一緒にお風呂に入るのは雰囲気が変わって楽しいね。

 裸のカロルと肩があたったりしてワクワク。


「はなれなさいよっ」

「えーー」


 カロルは冷たいなあ。

 くすん。


「マコトさま、怪しい人が近づいてきたらどうしたらいいのでしょう?」

「なるべく、飲み物の沢山ある場所には近づかない、ワイングラスを持って歩いてる人は敵だと思いましょう。あと、ヤバイと思ったら躊躇無くバリア宝石を使ってね」

「あ、そうですわね、ありましたわねバリア宝石」

「すっかり忘れていましたわ」


 メリッサさん、マリリーン。

 忘れてはいけないぞ。


「なるべく派閥員のまわりを私がうろうろしておりますので、何かあったら頼ってください、糸で制圧いたしますわ」


 ヒルダさんは頼もしいな。


「私とコイシとエルザさまの近くでもいいぞ、私が叩っ切ってやる」

「エルザさん、コイシさん、カトレアさんを止めてね」

「わかりましたわ」

「エッケザックスを封印しとくみょん」

「な、なぜだっ!! 良いじゃ無いか」

「ダンスパーティで剣を振り回したら大問題ですわよ」

「剣を抜いては負けみょん。鉄拳で」

「鉄拳か!! ヨシ!!」


 だ、大丈夫か~~?

 悪者よりカトレアさんの方が不安だ。


「みんな気をつけてね」

「カロルは錬金?」

「そうね、ポーションがそろそろ在庫が弱くなってきたから」

「ご飯持ってくから、ドレスを着てもてなして」

「え、ああ、そう?」


 ナイス、コリンナちゃん。

 君はなんと気が利くのか。


「うん、私もカロルのドレス姿見たい」

「そういうなら……。なんでニマニマしてるの?」

「な、なんでもないよう」


 うっは、ばれてしまう。

 さて、体を洗おう。


 洗い場に行くとダルシーが現れて体を洗ってくれる。

 こしょばい。


 続いて髪をシャンプーで洗ってくれる。

 というか、後で飛空艇アメニティでも洗うので大丈夫だろうかね?

 まあ良いけど。


 バスタオルを巻いて貰ってもう一度湯船に。

 カロルはアンヌさんに洗ってもらっていた、コリンナちゃんは自分で洗ってるね。

 メリッサさんはカリーナさんに洗って貰っている。

 子爵位とか伯爵位が、メイドさん付きかそうでないかの分かれ目っぽい。

 身分社会だねえ。


 湯船に入ってのんびりする。

 地下だから外が見えないけど、朝風呂は良いなあ。

 のーんびりだ。


 地下にお風呂があるのは覗き防止の面があるのかもね。

 窓が無ければスケベ男子どもも来ないだろうし。


 さて、上がりますか。

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― 新着の感想 ―
[一言] カロルさん、まだまだガードが固いですね。 作者さん、メリークリスマスです!
[一言] マコトもヒールポーションをワイングラスに入れて持ち歩いてぶっかけてやるのだ で「コレで少しは綺麗になったのじゃありませんこと、お〜ホッホッホ」と高笑いとともに立ち去るのだ 本当に綺麗になるか…
[一言] コイシちゃん「剣を抜いては負けみょん。鉄拳で」 カトレアさん「鉄拳か!! ヨシ!!」 エルザさん、がんば!!٩( 'ω' )و
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