第485話 ミーシャさんの破廉恥メイド服に感嘆する
ミーシャさんが前世のアイドルの服みたいなメイド服を着て下りてきた。
顔が真っ赤で可愛いのである。
短いスカートでなんとかドロワースを隠そうとしているのが萌えるな。
「ミイシャーッ!! なんて可愛いの~~!! ああっ、素敵ですわ~~!! 萌えますわ~~!!」
ゆりゆり先輩がミーシャさんに飛びついて抱きしめてぎゅーぎゅーした。
お、おちつけー。
「おじょうさま~~、は、はずかしいのです~~」
「羞恥に真っ赤になった頬が愛くるしいっ! これからその服で学園まで帰りましょうね~~!!」
「いやですう~~」
なんだね、一人、超興奮している人がいると、他の人はドン引きするね。
「な、なんというか、扇情的すぎやしないかね」
「わいせつな感じがするわ」
「わーー、なんかすごいね~~」
「ちょっとHだね~~」
「凄い可愛いなあ!」
みんながわいわいと感想を言う。
ええんじゃ、時代を先取りしておるだけなのだから。
ドロワースも特注のフリフリのスコートみたいなもんだしさあ。
「マコトさま、私もあのような服を着ましょうか?」
「ダルシー、おまえは何を言っているんだ?」
正気か。
あんなフリフリを着たダルシーが、ドロワース丸出しで近くを動いていたら目障りだぞ。
なぜにちょっと赤くなっておる。
「アンヌは着たい?」
「おやめ下さい、里に帰りますよ」
アンヌさんの反応が正常だろう。
ミーシャさんはゆりゆり先輩の手を逃れ、ピューと二階に逃げていった。
「アップルビー嬢、あの格好で学園内をうろうろさせるのはやめてくれたまえよ」
「えー、良いじゃ無いですか、学園長」
「風紀が乱れる。ペントハウスで着る分には何も言えないが」
「え~~」
ゆりゆり先輩が口を尖らせた。
その後、ライアンの礼服とか、オスカーの礼服とか見たが、うん、かっこ良かった。
以上。
いや、男子の礼服ってのは型が決まってるので見るとこ無いのよ。
縫製が綺麗よねえ、良い生地よねえ、ってぐらい。
オスカーはすっかり顔色も良くなって良い感じ。
ライアンと仲良くなって、ヒルダ先輩と二年生組みたいな感じになってるね。
「そういや、オスカー、ベロナ先輩に声を掛けたの?」
「かけましたよ領袖、渡りに船だと喜んでました」
「僕も入りますので、前衛三枚になりますね。あとは魔法使いのスーザンと、軽戦士のイルッカ、僧侶のマコトさまと、良い感じのバランスじゃないかな」
「私も入るのよ、ライアン、斥候で入るわ。あと、オルブライト様も」
「ヒルダさまも入りますか、心強いです、でも斥候と言うより諜報員ですよね」
「そうねダルシーとアンヌの諜報メイドもいるから、探索は十分よ」
レアキメラ狩りは結構大所帯になるなあ。
あ、ここにカーチス兄ちゃんがくるかもか。
「僕も……、行きたい……」
「エルマーは遠慮してよ。そんな大所帯で迷宮に潜れないよ」
「残念……」
迷宮は所々で細い道とかがあるので、あまり大所帯だとパーティが分断されてしまうんだな。
前衛三人、後衛三人ぐらいが取り回しが良いらしい。
新ベロナパーティだと、前衛三枚、中衛四枚(軽戦士、探索三枚)、後衛が三枚という所か。
なかなか良さそうだ。
ガドラガ大迷宮で光サーチがどれくらい有効か楽しみだな。
「早く、オスカーの剣を再生させないとね」
「鍛冶部が頑張ってくれてますよ、マイレディ」
くそう、カロルをうっとりと見るのはやめろ、オスカーめ。
試着を終えたみんなが帰ってきて、領主の舘でのミッションは完結した。
アダベルもいつもの格好で安心安心。
あのエプロンドレスは鱗を変形させた物らしいので、汚しても安心であるよ。
「明日の皆様の晴れ姿を見れぬのが悲しゅうございますなあ」
「セバス爺ちゃんもダンスパーティを見学にくるかい?」
「それは嬉しゅうございますが、爺が領館を離れると業務が滞りますでな、お気持ちだけ頂いておきますぞ、聖女さま」
「残念ね。ヒルダさんのドレスとか凄いのに、今度の里帰りの時に見せてもらいなさいよ」
「おお、それはようございますな」
そう言って、セバス爺ちゃんは笑った。
うん、私はセバス爺ちゃんが好きだな。
「それでは、係の者に工場を案内させますな」
そう言うとセバス爺ちゃんは侍女を呼んだ。
「みなさま、こちらに、今からマーラー領最大の紡績工場へご案内いたします」
おお、侍女さんが引率してくれるのか。
たのしみたのしみ。
私たちはぞろぞろと侍女さんの後をついて領主の舘を出た。
「アレット、行くのはリサジュー工場かしら」
「左様でございます、御領主さま」
「なんの工場?」
「マーラー絹の工場ですね。暑いですよ」
ああ、お蚕さんの繭を煮て絹糸を引き出す工場だね。
ああ野麦峠だ。
魔法の力でチートしてんのかな?
でも意外な所が人力だからなあ、この世界。
魔法に頼ると汎用に人が使えないので、人力が良いところもあるらしい。
魔石動力もコストが高いからね。
しばらく歩くと、大きな建屋が現れた、太い煙突からモクモクと煙が出て、なんか変な匂いがするな。
「ここがリサジュー絹糸工場でございます」
侍女のアレットさんが、工場を紹介してくれた。
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