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第465話 授業をサクサクとこなしてランチに悩む

「そういえば、ブリス・アランブール氏を確保したそうだな」

「あれ、ジェラルドの知り合い?」

「知り合いでは無いが、廃嫡を聞いて王宮政府に勧誘するつもりであったのだ」

「そりゃ、残念、早い者勝ちよ」

「なぜ、お前にばかり有能な人材が集まるのか」

「人徳じゃねえの?」

「まったく、運が良い事だ」


 ブリス先輩を先に押さえられて良かったな。

 有能な人は引く手あまたなんだなあ。


 アンソニー先生がやってきた。

 起立礼で、ホームルームだ。

 ダンスパーティ前で皆浮ついているのだが、こういう時こそ、気持ちを引き締めましょう。であった。


 アンソニー先生が帰って、一時限目は歴史であるよ。

 後期魔法文明の謎の話をしてくれたぞ。

 太古に発展した文明なので、やっぱり謎が多いらしいね。

 何があったのやら。

 魔導が進みすぎてSFみたいな世界になって、大規模破壊兵器で滅びたのかねえ。

 神話にも、ヒントがあったりするけど、魔物やダンジョンも後期魔導文明の崩壊の関係らしいね。

 将来、学者になって、そこら辺の発掘とかしたいけど、聖女はやめさせて貰えないだろうな。


 二時限目は音楽、言わずと知れたダンスの練習であるな。

 音楽室でミッチェル先生にダンスを習う。

 出来る組は、ほぼ完璧に仕上がっているので、問題はそこそこ組と、できんぼ組であるな。

 出来る組は暇なので、端っこで適当に踊ったりしてるな。


「素敵なレイディ、私と踊っていただけませんか?」

「あら、嬉しいわ。謹んでお受けします。というか、マコトが男性パート?」

「うん、やってみるよ」


 カロルの手を取って、音楽室の隅で踊る。

 いやあ、カロルは上手いなあ。


「マコト上手いわね」

「そうかい」


 嫁に褒められて結構嬉しい。


 初心者組は、前の授業で覚えた事が揮発した感じでギクシャクしているなあ。

 コイシちゃんもギクシャクである。


「はいはい、新入生歓迎ダンスパーティですからね、最初はギクシャクしても良いのです。大事なのはおどおどしないこと、背筋を伸ばして目を遠くに向けましょう。それだけで、意外になんとかなりますよ」


 お、ちょっとしたコツで、初心者の動きが良くなるなあ。

 すごいやミッチェル先生。


 私たちは時間一杯、踊って練習したのだった。


 三時限目は倫理である。

 まあ、騎士の忠誠とか、淑女の貞節とか、なんか古くさい話を教えて貰う。

 時勢に合ってないなあ、とは思うのだけど、試験にでるからなあ。

 丸暗記系の科目だね。



 四時限目は武術である。

 武道場へ移動して体操着に着替える。


 さて、盾木剣と木小太刀を取ってっと。

 今日は誰と練習しようかな。


「久々に勝負みょん」

「おお、コイシちゃん、よーし」


 久々にコイシちゃんの長刀との乱取りであるよ。


 カンカンカンカン。


 やっぱり曲線を描く刀の軌跡は読みにくいなあ。

 思っても見ない位置からも刃が飛んで来てびっくりする。

 何とか盾木剣で避けたり、小太刀で払ったりする。

 やあ、楽しい楽しい。


「順調に上手くなってるみょんね」

「そう、ありがとう、コイシちゃん」


 褒められると嬉しいね。

 一年もすれば、ちゃんと武器で戦えるようにもなるかな。

 今は基本的な事しか出来ないけどね。


 ……。

 山高帽とも戦えるかな?

 あいつは武力とかどうなんだろう。

 銃だより?

 剣もつかえるのかな。


 やってみないと解らないね。


 あいつは何とかしないとな。


 そのあと、コイシちゃんとカンカンやっていたら終業の鐘が鳴った。

 ふう、頑張ったぜ。


 更衣室で制服に着替えて、A組に帰る。


 さて、今日のお昼はどうしようかなあ。

 最近パン食が続いたから、外に行くかな。


「今日はどこにいくのだキンボール」

「まだ決めてないよジェラルド」

「そうか、今日は外食か」

「そうだねえ」

「キンボールさんと一緒に行くと色々な料理が食べられるから楽しいね」

「色々な地方の料理を食べるのは楽しいですな」

「そうだね、ジェラルド」


 王族主従は暢気でいいな。


「カトレアさんの領地の料理はないの?」

「何を言っているピッカリンは王都騎士だ、領地なぞない」


 そうだった。


「美味しいお店とかは知らないか」

「というか、美味しい料理という概念が無かった。初めてひよこ堂のパンを食べて、世の中にはこんな官能があるのかと、びっくりしたぐらいだ。家では毎日ベーコンとジャガイモだ」


 ピッカリン家の食生活は寂しいなあ。


 コイシちゃんの北の方の塩辛料理は食べたし、メリッサさんのワイン煮も良かったなあ。


 どやどやとカーチス兄ちゃんたちが入ってきた。

 ブロウライトの肉料理も美味しかったなあ。


 カロルが期待に満ちた目で私を見ているが、オルブライト薬膳料理はなあ、いやがる人も多いからなあ。

 ランチに食べる物でもないでしょ。


「それでは、うちの地方の料理はどうでしょう」

「マリリンの地方には特産があるの?」

「ゴーゴリー男爵家は牧畜が盛んで、ゴーゴリー豚が有名ですのよ」

「お、良いな、南部料理か、甘辛い豚料理だったか」

「そうですわ、カーチスさま、さすがですわ」

「ふふ、肉料理ならまかせておけ」


 カーチス兄ちゃん、肉ばっかり食べてると、将来成人病になるぞ。

 というか、ゴーゴリー男爵領は南部にあるのか。

 ゆりゆり先輩の領地の方だな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 次回!マリリンさんとこの領地飯!! どうして甘辛な味付けなのか!? [一言] 【プリス】・アランブール氏を確保したそうだな→ブリス? ジェラルド「廃嫡を聞いて王宮政府に勧誘するつもり…
[一言] 豚肉・・・甘辛い味付け・・・箸が止まらなくなるんですね。わかります。 まあ冒険者の人は余程食べ過ぎなきゃ成人病にはならんとは思うんですが。何歳まで出来るかわからんし、引退した後現役気分で飲み…
[一言] タレを塗りつつじっくり丸焼き、だと中華だよなぁ ヨーロッパの豚料理というとハムとかの加工肉しか思い浮かばない
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