表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

467/1530

第463話 晩餐のシチューが絶品だったのだ

 時間になったのでコリンナちゃんと一緒に部屋を出て施錠する。

 階段をたたたと降りると、一階はシチューの匂いでいっぱいだった。


「シチューだな、鶏かな、豚かな、下級貴族食だったらいいけど」

「そうだねえ、良い匂い」


 二人でエレベーターホールに行くと、みんな待っていた。

 カロルはお風呂に入ったのか、髪の毛のつやつやが元に戻っていた。


「うーん、やっぱり普通のだと一歩落ちるね」


 私がカロルの髪を撫でながらいうと、彼女は苦笑した。


「だからといってあんな高いアメニティを常時使えないわよ」

「そうだね、ハレの日だけ、ちびちび使おうか」

「それが正しいわよ」


 皆でぞろぞろと食堂に入る。

 クララが手をふって来たのでこちらも手を上げる。


「今日はシチュー?」

「そうそう、上級も下級もシチューよ。上級は牛、下級は豚よ」

「上級はビーフかああ」

「ポークも良い感じよ」


 トレイにシチューのお皿とシーザーサラダと黒パンを乗せた。

 シチューの時はスープは無いのよね。

 ケトルから冷めたお茶をカップについでテーブルに持っていく。


 しかし晩餐の時間になるとほっとするね。

 一日終わった~~という感じだ。

 今週は盛りだくさんすぎるからねえ。

 主に飛空艇と麻薬捜査だが。


 皆が席に付いたので食事のご挨拶である。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 パクリ。

 うひょう、スプーンでほどける豚肉がデミグラスソースと絡まって美味しい。

 角煮みたいな感じになってるね。

 うまいうまい。

 ジャガイモも人参も味がしみて良い感じ。

 シチューは良いねえ。


 黒パンを食べて後口を消し、サラダを食べる。

 もしゃもしゃ。

 うん、美味しい。

 口がさっぱりしていいね。


 そして、またシチュー、パン、サラダ。

 黄金の三角食べであるよ。

 うまうま。


「おいしいねえ」

「そうね、豚肉が口の中でほどけるわね」


 カロルが黒パンを食べながら微笑んだ。


 肉汁がしみ出したシチューも味わい深いなあ。

 なんかプルーン系の木の実が入ってるな。

 こくがあって美味しい。


 あー、上級のビーフシチューも食べたいなあ。

 いいなあいいなあ。

 と、見ていたら上級貴族ブースで食事中の命令さんと目があった。

 ふんと鼻で笑われた感じがする。

 くっそう。


 あ、そうだ、次のクララワゴンでシチューポッドにビーフシチューを入れて貰おう。

 結構高くなるかもだけど、売れるぞ~~。

 あとで言っておこう。


 ちなみにシチューポッドというのは、パイ生地で作った器にシチュー系のおかずを入れた奴だ。

 お昼に食べたシチューポッドはトマトベースの鶏だったな。

 すごく美味しかった。

 イルダさんのお料理をパンに転用するのは反則よね。


 ああ、美味しかった。

 私は食器返却口にトレイを返した。

 帰って来ると、ダルシーがお茶を入れてくれている。

 いつもすまないね。

 お茶が美味しい。


 ヒルダさんが立ち上がった。


「では本日の諜報報告です。王都では各騎士団が麻薬捜査に動いています。下町と中流街は警備騎士団、下町とスラムは聖騎士団、貴族相手は近衛騎士団と分担しているようです」


 近衛騎士団が本格的に動くのは明日からかな。

 『タワー』と王室が制御すれば、ハゲも馬鹿な事はできまいて。


「本日早暁に警備騎士団は西側商業区で大規模強制捜査をした模様です。商業区の麻薬組織が一網打尽とのことです」


 商業区の組織を潰したか。

 みんながんばってるね。


「聖騎士団は基本的にヤクザ組織をつぶして回ってますね。リンダさんの到来を非常に畏れていて、『リンダが、リンダがくる』と泣きながら逃げ惑っているようです」


 三国志の張遼ちょうりょうではあるまいに。

 聖騎士団なのに、ひゃっはー味を感じるのはなぜだ。


「麻薬禍も新入生歓迎ダンスパーティ前には終わるでしょうというのが関係者各位の展望ですね」


 王都の地上の麻薬は壊滅させる事ができそうね。

 なによりだ。

 やっぱ、情報さえあればなんとかなるのよね。


「もうすぐ新入生歓迎ダンスパーティです、各派閥から色々な妨害が考えられますので、何かありましたら気軽に私か、領袖にお声をかけてください」

「そうそう、私がなんとかするから、何かあったら相談してね」

「本当に何とかしてしまうから心強いよな」

「そうですわね、コリンナさま」


 いやあ、それほどでもないぜ~。

 ちょっと照れくさい。


 聖女派閥は急成長してるから、嫌がらせはありそうだなあ。

 一番考えられるのは、ドレスや礼服を汚す事だけど、試着したらカリーナさんが待合室に仕舞ってくれているから、それは安心だね。

 あとは、お洒落組とか戦闘力がない子が不良生徒に絡まれる件だね。

 二人には一応バリア宝石があるけどね。


 あとは、アダベルか。

 アダベルは見た目が少女だけど、実際は強いからなあ。

 しばらくは孤児たちと遊んでいて貰うのが無難かな。

 逆に不良に怪我をさせたりするとアダベルが可哀想だし。


 あともうちょっとでダンパだから気を引き締めていこう。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] げぇ、リンダ!(カーンカーン)
[一言] 確かに、聖女派閥の少女達は散々嫌がらせをされてきたし、不良に絡まれる事も避けられないぽいですね。。。
[一言] とりあえず地上はなんとかなるでしょう。地上は・・・ まるでフラグじゃないですかー、ヤダー! どなたか、お客様の中にフラグクラッシャーはおりませんか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ