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第434話 図書館秘蔵書庫をサーチ

 二階の入り口から図書館に入った。

 放課後なんで結構人がいるね。


 図書カウンターにはヤツキノ嬢がいて、私を見ると駆けよってきた。


「ルカっちに地上に出るように行ってくンない? 聖女さン」

「……」

「……」

「男子……?」

「あ、制服? そうよ、別に女子の制服着ちゃ駄目って校則はないし」


 声が男子声であった。

 彼女は男の娘であったのかっ。


「ルカっちは地下書庫にこもりっぱなし?」

「学者さんと一緒にずーっとよ、ずーっと」

「わかったわ、言っておくね」

「おねがいね」


 そう言うと、彼女? は図書カウンターの向こうに行って貸出業務を再開した。

 みな、なんか押し黙って一階への階段を降りた。


 地下書庫のドアを開けて中に入る。


「いろんな」

「うん」

「色んな人がいるわね」

「まったく……」


 螺旋階段の上から見ると、本の山がほとんど片付けられて、新しい書棚がるいるいと並んでいた。

 地下書庫の整理は順調みたいね。

 照明もあかあかとついて明るい。


 下をのぞき込んでいたら、ソファで寝転んで本を読んでいたルカっちと目があった。

 奴は小さく手をふっておる。


 学者さん達もテーブルで何か作業をしていて、奥にお養父様とうさまがいた。


 私たちはぱたぱたと螺旋階段を降りた。


「こんちわー、マコトっち」

「こんちゃ、上でヤツキノさんが地上に出ろと言ってたよ」

「興味深い本が多いから無理」


 そう言っている彼が読んでる本は、アップルトン王国農業概論であった。

 相変わらずルカっちは本の趣味が謎だな。


 人差し指と親指の間に光の輪を作り、サーチ。


 カーーーーン。


 反応無し、よしよし。


「反応無かった?」

「無いよ、確認だったけど、良かった」

「よせやい、ここの学者さんはずっとここに詰めてるんだぜ。麻薬なんか手に入れる機会がないねえ」


 ルカっちはぼそりと言った。

 まあ、学者さんたちは夜会とか縁がなさそうよね。


 作業テーブルの方へ行ってみた。


「おお、マコト、来たのか」

「ずいぶん本が片付きましたね、お養父様とうさま

「みんな、頑張った。頑張ったのだ」

「マコトお嬢さん、もの凄い発見が沢山ありましてね」

「いやあ、素晴らしい書庫ですよ」

「それは良かったですね」


 どんな大発見か、歴史の素人の私はちっとも解らないんだけどね。


「あ、そうだ、麻薬捜査のご褒美に王様に領地を貰いましたよ」

「領地!?」

「小さい領地ですけどね、代官に管理させたいのですが、キンボール家に伝手はないですか?」

「代官かあ、我が家は領地なぞ持った事はないからなあ。マコト個人にかい?」

「はい、私に下賜されましたので、一代領地です」


 ルカっちがソファから起き上がって寄って来た。


「領地とは凄いね、王家は大盤ぶるまいだね、場所はどこ?」

「ホルボス山一帯だよ」


 学者さんたちは一瞬黙り、一斉に立ち上がった。


「「「「「ホルボス山!!」」」」

「マ、マコト、ホルボス山というと、迷宮と飛空艇基地も入るのかい?」

「ええ、飛空艇基地を冒険者に荒らされるのがいやだったので、頼みましたよ」

「そ、それでは心置きなくホルボス山基地を調査できるのかねっ!!」

「うちの土地ですから、なんの気兼ねもありませんよ」


 学者さんたちは、興奮して、うおーうおーと騒いでいた。


「しょ、諸君!! ホルボス山基地に行きたいかー!!」

「「「「行きたーいっ!!」」」」

「よし、歴史資料館の次の仕事はホルボス山基地の徹底調査だ!!」

「「「「「うおーうおーっ!!」」」」」


 お、大盛り上がりだな。


「よかったよかった、ありがとうありがとうマコト!!」


 お養父様とうさまは感涙のあまりぼろぼろ泣き出した。

 そんなにー?


「さあ、みんな、地下書庫を早く片付けて、ホルボス山基地へ行こう!!」

「行こぅ行こう!! ホルボス山へ!!」

「いや、下賜が内定しただけですから、登記が済んでからにしましょう」

「……」

「「「「「……」」」」」

「それはそうか……」


 お養父様とうさまと学者さんたちはストンと椅子に座り、作業を再開した。


 ルカっちが、古い地図帳で、ホルボス山あたりの物を引っ張り出してきた。


「村が一つと、硫黄鉱山が一つか」

「村には温泉が出るよ。割と景色も良いし。お養父様とうさま、今度お養母様かあさまと一緒に行きましょうよ」

「そうだな。楽しみだね」


 お養父様とうさまがご機嫌になってこちらも嬉しいね。


「キンボールのおじさまに代官の伝手がないなら、オルブライト家から出しますけど」


 カロルがお養父様とうさまにそう言った。


「そうだねえ、どうするかね」

「卒業後なら、僕が行ってもいいんだけどね」

「ルカっちも文官だっけ」

「公文書の家だからね、良い経験になるのさ」

「卒業後にコリンナちゃんに頼んでもいいのだけど、あの子は出世しそうだし」

「ああ、コリンナ嬢は行政府に入るだろうよ」


 ルカっちは物知りだな。


「ホルボス山の硫黄はわりと良質で錬金薬の素材にもよく使われるね」

「そうね、オルブライト家では、領地の硫黄鉱山での物を使うけど、王都周辺だとホルボス山の物が良質だわ」

「いいねえ」


 硫黄鉱山からの上がりも期待できるのか。

 夢がひろがりんぐだぜー。


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― 新着の感想 ―
[一言] ???「学者先生がた。徹夜を繰り返しても疲れを知らず研究に没頭できる妙薬がこちらに」 覚醒剤本来の使い道を考えると、彼らが一番危ないかも
[一言] ひろがりんぐ久しぶりに聞いたな(笑)
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