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第422話 午前の授業をサクサクとすすめる。

 さて、アンソニー先生が来たので皆さん自分の席についた。

 私は行政区分図を収納袋にいれる。

 後でお養父様とうさま養母様かあさまに見せてあげよう。

 新領地の文官の相談もあるしね。


 アンソニー先生が教壇に立ってホームルームが始まった。

 もうすぐ新入生歓迎ダンスパーティだが、浮かれないようにとの事。

 気温差が激しいので体調を崩さないようにとの注意もあった。


 そして起立礼着席である。


 アンソニー先生が帰って、地理の先生が来た。


 今日は王都地方の産物についての授業だね。

 しばらくアップルトンのあちこちの地方の産物について授業して、そのあと流通なんかをやるようだ。


 二コマ目は音楽である。

 音楽室に移動して、ダンスのレッスンである。


 結構みんな踊れるようになっているね。

 なによりだなあ。

 でもコイシちゃんはまだ下手だな。


「コイシちゃん、放課後のダンスレッスンを受けたら?」

「そうかみょん」

「ははは、コイシめ、そんな事ではお相手の男性に迷惑が掛かるぞ。私も一緒に行ってやろう」

「ほんとみょんか、カトレアしゃん。嬉しいみょんよ」


 コイシちゃんとカトレアさんはいつも仲がいいなあ。


 私は結構踊れるので、ミッチェル先生と踊る時も男性パートの動きを観察して覚えていくぜ。

 なぜかって?

 言わせんな、はずかしい。

 うっはっは。


 ブンチャンブンチャンと踊っていたら音楽の時間は終わった。


 ちなみに授業の楽曲は録音魔導具で取ったオーケストラの物を流している。

 前世のラジカセみたいな物だが、スピーカーの技術が足りないのか、AMラジオちっくなチープな音だ。

 本番の時は生楽団が入るようだ。

 楽しみだね。


 三時間目は社会の授業だ。

 黒板に地図を書いて、アップルトン王国と近隣諸国を教えてくれる。

 偽欧州には大小様々な国が並んでいるね。

 前世の国と位置が同じぐらいの国は、似たような性格をしてるようだね。

 ヒカソラは乙女ゲームでシミュレーションゲームでは無いから、自力地図、自力国家とはいかなかったのかな。

 地勢が似ているということは、元の欧州と同じような問題を抱えてるわけだね。

 つまり、ジーン皇国は偽ドイツなので世界に向けて喧嘩を売ると。

 登場人物が違うから、まったく同じ流れにはならないだろうけど。


 前世のキリスト教と聖心教は似てるところも多いけど、違うところも多いしね。

 たとえば、中東辺りでも少しアレンジされた女神教なので、十字軍は起こってないし。

 飛空艇があるので、新大陸とか、東洋とかも、前世よりは知られている。

 だから、歴史もかなり違うんだよね。

 勇者と聖女と魔王もいるし。


 皆でぞろぞろと武術場に移動して四時間目は武術の時間である。


「さあ、ダンスパーティが近づいて来ているが、そういう時こそ輝くのが武術の腕前ですよ。絶対に酒に酔って不埒な事をしてくる殿方はいるものです。そういう時は、武道でガーンとやってしまいましょう。鉄扇でも、鞘つきのナイフでも良いですよ。ただ刃のついた物はやめましょう。撲殺が美しいのです」


 撲殺してたら死んでますよバッテン先生。


 私はどうするかな、子狐丸を帯刀して行くか。

 わりと小ぶりだしな。


「コイシちゃんはどうするの?」

「打ち刀は長いみょんねえ。脇差しを差して行くみょん」

「私はエッケザックスだ」

「……」

「……」

「でかくない?」

「大丈夫だ、お針子さんのアイデアで左肩に甲冑の肩当てを当てる、そこでエッケザックスの重量を支えるんだ」


 ああ、エッケザックスのベルトでドレスがパイスラ状態になるのを防ぐのか。

 騎士系女子だから有りと言えば有りなのか?

 なんとも判断がつかない。

 夜会の女子の武装は鉄扇かナイフと決まっているからなあ。


「カトレアしゃんは頑固だみょん」

「会場で抜かないでよ」

「時と場合による」


 うむ、頑固だな。


「エルザさんはリジンを差していくの?」

「エルザしゃまは鉄扇みょん」


 そうだよねえ。


「鉄扇なぞチャラチャラした武器は好かん!」

「はーい、喋ってないで練習練習」

「「「はーい」」」


 バッテン先生に注意されたので練習をしよう。


「今日もまたやろう、マコト」

「のぞむところじゃ」


 今日もカトレアさんと組んで打ち合いである。

 エストックは突き技の剣だから、受けるのが難しいのよね。

 速度も速いし。

 魔法のバックラーが恋しい。

 今は盾短剣の模造木剣である。


「キンボールさん、盾短剣で無理に受けないで、右の小太刀ではらっても良いのよ」

「はいっ」


 そうだった。

 受けるだけじゃなくて、はらいもあるね。


 カキンカキン。

 

 うん、払い二、受け一ぐらいの配分だと受けやすいし、そこから返し技も使いやすい。


「む、すぐ上手くなるなマコトは」

「はっはっは、才能才能」


 カキンカキン。


 うんうん、こちらに有効打をたまに入れられるが、こっちの攻撃もたまにカトレアさんに入れられる。

 懐に入られるとエストックの受け技は柄で受けるしかないからね。

 拮抗拮抗。

 面白い。


 カンカンカンカカカンカン。


 曲線を描いて小太刀で受けて、くるっと回ってから、盾短剣の直線突き。

 単調な動きじゃなくて、両方の特性を入れよう。


 夢中になってカトレアさんと乱取りをしていたら、終業の鐘が鳴った。


「はいー、やめーっ」


 ふう、楽しかった。

 カトレアさんを見たら、目が合って彼女もにっこり笑った。

 体を動かすのは楽しいよね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 撲殺が美しいのですかw 騎士系女子は格好いいだと思いますよw
[一言] >中東辺りでも少しアレンジされた女神教 現実世界でもあの辺りの宗教はアブラハムの宗教などと総称される位にはユダヤ教とそのアレンジではあるけど、この世界のブレの少なさは神が実在するからだろうか…
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