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第393話 麻薬捜査チーム王宮を行く

 私たちが蒼穹の覇者号から離れると、船はふわりと浮いた。


【それでは格納してまいります】

「よろしくねー」


 私が手を振ると飛空艇は空に昇っていく。


「人が居なくても魔導頭脳が動かすことができるのか」

「そうだよジェラルド、便利でしょう」

「それはもう、便利とか言う事態を越えている」


 まあそうだな。

 蒼穹の覇者号はフォンフォンとプロペラ音を響かせて森の上を飛んで行った。


 午後の授業の開始の鐘がなった。

 これから授業をさぼって捜査だな。


「それでは王宮の捜査を始めよう。でも、午後の授業が終わったら一度ホームルームに帰るよ」

「おまえはなんでそんな非合理な事をするのだ」

「アンソニー先生に自首した学園の生徒の治療を頼まれたんだからしょうがない」

「まったく、王家を優先したまえよ」

「わがままを言うない」


 ジェラルドはぐうっと唸って黙り込んだ。

 王家関係者は自分が最優先でやって貰えると信じ込んでいて嫌だねえ。

 ないがしろにする気は無いが、おもてなしをする気にはならないぞ。


「とりあえず、行こう」

「そうだね。王宮は何階建てだっけか?」

「五階建てだよ、キンボールさん」

「一階から洗っていくかね。部屋などに隠してある麻薬も摘発しないといけないし」

「どれくらいの汚染だと想うか、キンボール?」

「わからないよ」


 やってみないとなあ。

 私たちは王宮に向けて歩き出した。


「おおい、待ってくれ~」


 ロイドちゃんが走って来た。


「麻薬捜査なら僕も混ぜてくれよ」

「というか、どこに行ってたのだ?」

「ジュリエットを校舎まで送っていった」


 なるほどね。


 麻薬捜査チームに一人増えた。

 私、カロル、エルマー、ケビン王子、ロイド王子、ジェラルド、の六人か。

 ガンガン麻薬患者を摘発しよう。

 そうしよう。


 王宮の学園門を顔パスで通過する。

 王子が二人も居ると早いな。

 木々のトンネルを抜けると、アップルトン王城がどどーんと眼前に立ち塞がる。

 でっけえよなあ。


 王城は色々なブロックに別れている。

 西の正門からホールにまでのお客さんに対応するブロック。

 一階には厨房や厩舎、洗濯舎、などがある。

 二階には飛空艇発着場をかねる練兵場があり、東側には行政組織が沢山入っているらしい。

 三階は武具倉庫や食堂が入っている。

 四階五階は王族の居住ブロックだな。

 その上に塔がにょきにょき生えているが、何に使ってるかは解らない。

 大きくて広いよなあ。

 庭園も広いし、ベルサイユ宮殿がモデルかな?

 でもあんなに平べったく無いしな。

 ディズニーランドのシンデレラ城の方が似てるかもね。

 本当にファンタジー臭いお城であるよ。


 一階二階とサーチして上がって行くかね。

 魔法塔と違って、広いけど階数が少ないから楽かもしれない。


 歩いて王宮に侵入した。

 こっちは通用門だな。

 

「いらっしゃいませ、聖女さま、おまちしておりました」


 この人は、えーと、ああ、侍従長だな。

 裏方の偉い人。


「今日は遊びじゃ無くて、捜査に参りましたよ。よろしくお願いします」

「はい、マルゴットのおかげで何人かは摘発いたしましたが、まだ居るような気配があります」

「あら、マルゴットさんが」

「うむ、マルゴットが目星を付けた者を近衛が調べた、これまで五人ほど見つかっている」

「どうしたの、その五人?」

「城の地下に閉じ込めてある。後で治療してくれ」

「解ったよ、ジェラルド」


 廊下の向こうからマルゴットさんがすたすたと現れた。


「マコトー、こんちわー。飛空艇乗りたかった」

「今度乗せてあげるよ」


 麻薬捜査チームにマルゴットさんが入った。

 これにて七人。

 諜報メイドは含まないとする。


「さっさとサーチしますか」


 私は人差し指と親指の間に見えない光の輪を発生させた。

 ナノサイズの光の輪を水平に広げていく。


 コーーーン。


「患者が一名、メイドさんかな。あとあっちの小部屋のチェストに覚醒剤錠剤、瓶に半分ほど。あっちに男性、反応あり。厨房にも一人」

「い、意外にいるね」

「王宮は給料も高いから、遊びやすいのだろうね」

「自首してこなかった者は逮捕して解雇しましょう」

「そうだね、これで八人か、思いやられる」


 私は方向を指さしてしめした。


「ダルシー、この方向にいるメイドを連れてきて。何か枕のような物を運んでいるわ」

「かしこまりました」


 風のようにダルシーは走り去った。


「足が早いねえ、さすがはダルシーさんだ」

「物欲しそうに見てはいけないぞロイド」

「いやあ、だけど欲しいよねえ、ケビン兄さん」


 私は反応のあった男性の方向を指さした。


「こっちの男性は回廊を歩いてる。執事さんかな、いい男だよ」

「髪の色は? マコト?」

「サーチには色が付かないからわからないよ、マルゴットさん」

「そう、まあ、連行してくるわ」


 マルゴットさんが、たったと走っていった。


「ふむ、下働きが多いな」

「一階だからねジェラルド。二階の行政府にあまり居ないと助かるのだが」

「文官が何人もやられると仕事が滞りますね、ケビン王子」

「そうだね」


 厨房の方は人が動き回っているので、直接行こう。

 わたしたち麻薬捜査チームは王宮大厨房に向けて歩き始めた。



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― 新着の感想 ―
[一言] ん?ん?学園でのホームルーム&解毒を先にする話をしてるようにみえて、直ぐに王宮に向かった?よくわかりませんでした。
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