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第382話 学園について荷下ろしをする

 ホルボス山基地から学園までは二十分ぐらいであるな。

 まっすぐだから早いね。

 今日は王都周回とかしないでビアンカ邸基地の発着場へと向かう。


「王都の夜景も綺麗ね。凄いわ」


 宝石箱をぶちまけたような夜景が眼下に広がっている。

 夜間カメラだからモノクロだけど、綺麗だなあ。


 基地近くの渓谷近くなったので出力を下げて速度を落とす。

 サブディスプレイに下部カメラからの映像が映る。

 発着マークが白く輝いている。

 ゆっくり舵輪を操作して、ぴったりに合わせる。


「蒼穹の覇者号、降下開始」

【着陸シーケンスに移行します、高度百クレイド、九十クレイド……】


 エイダさんが高度を読み上げてくれるが、こちらでも高度計を目視して確認する。

 舵輪を押し下げて降下していく。


着陸脚スキッド展開」


 ボタンを押すと、下方でガチャンと音がした。


着陸脚スキッド展開確認しました】


 高度計が1クレイドを指した時点で舵輪の押し下げをやめた。


【一番から四番ゲート開放します】


 船の後方映像でゲートが開いていくのが見えた。


 舵輪を下に倒して微速後退していく。

 徐々にトンネルに飲み込まれていくような感じがするね。

 おーらいおーらい。


 格納場まで来たので舵輪を押し込んで着陸する。

 ずしっと小さい振動を感じた。


【蒼穹の覇者号、タッチダウン】



 私は伝声管の蓋を開けた。


「お知らせします。艇長のマコト・キンボールです。本船はビアンカ邸基地へと到着いたしました。押し合わずに下船おねがいします」


 画面の向こうのみんながどやどやと移動するのが見えた。


「ヒルダさん、荷物はどうしますか?」

「ドレスとか礼服も明日に集会室に運ぶのでしょう? その時に運送業者を使って運び出しますわ」

「だったらランチクルーズの時にグラウンドに着陸させますので、そこでの運搬はどうでしょうか」

「そうですね、お昼に荷馬車を回しましょうか、そっちの方が簡単ですわね」


 ランチクルーズの後に運び出せば簡単だね。

 明日の放課後にドレスの試着して楽しもうではないか。

 うしし。


「エイダさん、全員下船しましたか?」

【はい、皆さん下船いたしました】


 私は操縦室の皆を見渡した。


「私たちも降りましょう」

「そうね、お疲れ様でした」

「降りよう降りよう」


 みなで連れだって操縦室を後にする。

 タラップを降りて下船し、エイダさんにハッチを閉めてもらう。


 魔導ハンドがアダベルのお宝コンテナを挟んで甲板から降ろしている。

 どこに置いたら良いかなと思っていると格納庫の後ろに光る文字が……。


『馬鹿ドラゴンのガラクタはここにしまうといいよ』


 矢印付きで光っている。

 ビアンカ様はもう。


 後ろの壁に近づくと、矢印の先に魔力板があった。

 光魔力を流してみる。

 バクンと音がして、左右に扉が開いた。

 倉庫っぽい感じの場所だな。

 結構広い。


「アダベル、お宝はここに入れなさいって」

『おお、丁度良いではないか、扉もあって厳重だ』


 いつの間にかアダベルはまたでっかくなって、コンテナを両手にもってこちらに歩いてきた。

 いつ見てもでかいなあ。

 アダベルはコンテナを置くと、ふーと言ってその場で横になった。

 ドラゴンが寝て余裕があるぐらい広い。


 ガチャガチャと音を鳴らしてチェーン君が宝石が入ったコンテナを運んできた。


『ここはなかなか居心地が良いぞ』

「それは良かった、エイダさんに言っておくから何時でも入りなさいね」

『うむ、大儀であった』


 チェーン君が武具防具のコンテナを持って来て、アダベルの引っ越しは終わった。


「アダベルはここで寝るのかい?」

『うむ、それも良い』


 学園長が笑いながら問いかけると、アダベルは目を細めて答えた。


「いやですわー、いやですわー、小さいアダベル様が好きですのー」

「そうですわ、そうですわ、ドラゴンもお綺麗ですが、小さいアダベルさまが良いのです」


 お洒落組がアダベルの尻尾辺りでわちゃわちゃしている。


『そうであるか、では戻ろう』


 シュッとアダベルは人間モードに変わった。


「これでいいのか、メリッサ、マリリン」

「これですわー、可愛いのですっ」

「素敵ですわ、萌えますわ」


 お洒落組にもみくちゃにされているが、アダベルもまんざらではない感じだね。


「そろそろ帰りたいんですが」


 リックさんが倉庫にやってきてそういった。

 そうだね。


 私は倉庫を出た。

 みな手持ち無沙汰な感じで格納庫内でうろうろしていた。


「それでは皆さん解散してください。男子は控え室口から上がって男子寮へ、女子は直で女子寮へ行けますよ」

「私も男子寮に行き、事情を説明しよう。代用監獄も男子寮の物を使おう」


 学園長がリックさんに近寄ってそう言った。


「さあ、帰ろうアダベル」

「解った、ガクエンチョ」


 ててててとアダベルは学園長の隣に走っていった。


 さて、私もお風呂に入って寝よう。

 今日は疲れたよ。


 私は女子のみんなと格納庫を出た。

 控え室の前で、男子と別れる。


 また明日、またなあと挨拶が通路に響き合う。

 カツーンカツーンとみんなで歩く。


「学園の地下にこんな広い通路があったみょんなあ」

「凄い事だな、籠城に、避難に使い道は多い」


 カトレアさんは地下通路を使って何をするつもりだ。

 女子のくせに軍事脳だなあ。


 ゲートはエイダさんが勝手に開けてくれるので便利便利。

 階段を上がると女子寮であるよ。


「さて、お風呂お風呂」

「マコト、おまえ、今日、お風呂入ったろ」

「……、え?」

「錬金の授業で入ったろ」


 コリンナちゃんの突っ込みで思い出した。

 そういや入ってたなあ。

 忘れていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] オシャレ組強し!! [一言] ホルボス山で戦闘とかあったし、サッパリしてから眠ったほうが疲れ取れますよ。きっと。 ほら、ついでに聖女の湯の効果がどの程度維持されているか調べられますし。
[一言] 誤字報告です。 『うむ、大義であった』→大儀
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