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第369話 目的別にグループ分け

 残ってるみんなと一緒にショッピングであるよ。

 案内はヒルダさん。


 マーラータウンは領主の舘を中心にした中型城塞都市で、北部有数の紡績の街なんだな。

 近隣農村から繊維素材を輸入して糸を紡ぎ、木綿や絹などの布にする。

 染色をして、その布地を輸出したり、縫製して衣服にしたりする。


 糸問屋や、布問屋が建ち並び、商人たちが足早に行き交っている。

 活気のある街だね。


「マコト、採寸組は見てあげないの?」


 石畳の中央通りを歩いていると、隣のカロルが声をかけてきた。


「私が見てもねえ。アダベルのは後でデザインを見るつもりよ」

「何を買うんだ」

「特にないなあ、私は意外にがちゃがちゃ装備とかブローチとか付けてるから、アクセサリーはいらないし。メリッサさんとマリリンは何か買うの」


 こういう時はお洒落組に聞くに限る。


「まずはアクセサリーを見て、あとはリボンとスカーフですわね」

「マーラータウンは、小物類も安くて品質が良いんですのよ」

「一生に一度はいきたいねって、マリリンと話していたんです。こんな早くにかなうなんて」


 メリッサさんと、マリリンが笑い合った。

 お洒落組にとっては夢の街だったんだなあ。

 これて良かったねー。


 ヒルダさんはこの街の領主なので、行き交う地元の人々が笑顔で挨拶をしてくる。


「ヒルダさん、お国なまりないですね」

「だいたい王都のタウンハウスにいますからね。子供の頃はなまってましたよ」


 まあ、暗闘系のお家の人は地元に引っ込んでないで、大都市にいるよね。


「あ、領袖、マーラー外套がありますよ」


 大通りのお店のショーウインドウに、外套が飾られていた。

 お、やっぱり、あの深いワイン色がマーラー外套だったか……。

 うはっ!! 高っ!!

 外套の値段を見て、私の目が飛び出た。


「高いねー」

「あのマーラーの毛をつかえば、もう二段ぐらい良いグレードの外套が作れますよ」


 うっは、子爵ドレスよりも高い外套なのに、それよりもグレードが良いのか。


「派閥員用に作ってもらおうかなあ。今頼むと、夏には来ちゃう?」

「秋口に揃えてみんなで着ましょう。きっと格好いいですよ」


 王都も冬は寒いからね。

 外套は必要なんだな。

 まあ、学園の生徒の平日はあまり外に出ないから必要性は薄いけど。

 冬になるといるからなあ。

 お揃いの外套かあ……。


 あれ?


「ヒルダさん、冒険者ギルドはどこ?」

「どういたしました?」

「兎とカピパラの死骸を売らないと。収納袋に詰めっぱなしだわ」


 ホルボス山のダンジョンで狩った物がいれっぱでした。

 収納袋は沢山入るのだけれど、時間は流れるので、置いとくと腐っちゃうからね。


「わかりました、こちらですよ」

「みんなは買い物をしてきて」

「俺らは付き合うぜ。マーラータウンのギルドは見ておきたい」


 カーチス兄ちゃんがそう言った。


「私も……」

「カトレアさまとコイシさまは、私たちと一緒に行きましょう。不良に絡まれたら怖いわ」


 メリッサさんが、カトレアさんの手を取った。


「むっ、それはあるな」

「わかったみょん、護衛するみょん」

「ありがとう。カトレアさま、コイシさま。お礼にアクセサリーを選んであげますからね」

「う、うむ、私は装飾品にうといので助かる」

「助かるみょん」


 うむ、二つに分かれるのは良いね。


「カロルはどうする?」

「マコトと一緒に行くわ」

「私も行く、計算しなきゃだしな」

「僕も……、いこう」


 ふむ、私、カロル、コリンナちゃん、ヒルダさんとエルザさんとカーチス兄ちゃんとエルマー組と、メリッサさん、マリリン、カトレアさん、コイシちゃん組にわかれるか。


「エルザもメリッサたちと行ったらどぅだ?」

「いえ、私はカーチスさまの元を離れません」

「そ、そうか、うむ」


 カーチス兄ちゃんは、なんか照れくさそうだな。

 うひひ。


「じゃあ、またね、期限は六時の鐘がなるまでの一時間ぐらいね。私たちは三十分もしたら、領主の舘でアダベルのデザインとか見てるから」

「わかりましたー、晩餐はこの街で取りますか?」


 六時から一時間半で学園だと、寮の晩餐には間に合うけど、結構忙しいね。


「ヒルダさん、みんなで食べられる所とかあるかな?」

「ありますわ。予約しておきますね」


 そう言うと、ヒルダさんはピュウと指笛を鳴らした。

 格好いい。

 どこからから、地味な服装をした男性が寄って来た。


「お呼びでございますか、領主様」

「森の木霊亭に予約をしてきなさい」

「かしこまりました」


 すっと、地味な男性は物陰に隠れた。


「諜報員?」

「そんな大層な物ではありませんよ。下働きですね」


 凄いなあ。

 さすがは暗闘の家系だ。


「ありがとう、ヒルダさん助かるよ」

「どういたしまして、私こそ領袖には沢山助けて貰ってますから気になさらないでくださいませ」


 そういうとヒルダさんはふんわり笑った。

 なんだか最近、彼女の表情が生き生きとして綺麗になったね。

 穏やかな気分になれてるからだろうか。

 私がその一因だったら、それはとても嬉しいな。


「それでは、また後でー」

「はい、またねー」


 我々ギルド行き本隊は、お洒落分隊と別れてギルドへと向かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 方言ヒルダさんは良いと思う 昔馴染みにばったり出会ってとっさにお国訛りが出たりしないだろうか
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