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第337話 飛空艇内探検

 操縦室を出て反対側のドアを開ける。

 こっちは魔力感知板ではなくて普通のドアだね。

 ドアの向こうは廊下になっていて、左右に四つのドアが並んでいた。

 天井には魔導灯が下がっていて白々とした光で辺りを照らしている。


 一番手前のドアを開けると、豪華な調度の客室であった。


「うひょーっ!!」


 アダベルがベットに飛び込んでボインボインとはね上がって遊び始めた。


「ふわー、豪華客室だね。ベットも広いな」


 コリンナちゃんがベットに座ってシーツをなで回した。


 セミダブルベットに書机、洗面台におトイレもついてるね。

 女子寮の部屋よりも豪華だわ。

 快適そうだなあ。

 円い窓が三つ並んでいた。

 気密の関係であまり大きな窓は作れないのだろう。


 廊下に出て、反対側の部屋を開ける。

 こっちも同じグレードのお部屋だね。


「両方とも二人部屋ですわね。両方で四人ですね」


 これは豪華だなあ。

 まあ、ビアンカ様が外遊に使ってた船だからこれくらいは当然だろうね。


 お隣は一回り小さい感じの部屋だった。

 ベットはシングルの二段ベットになってるね。

 ここもおトイレ付きだな。

 鍵はそれぞれの部屋の書机の上に乗っていた。

 ホテルのような木札が付いた鍵だね。

 ここは三号室、お向かいが四号室のようだ。


 しかし、百年以上前の物なのにおろしたてみたいに綺麗なシーツや枕が付いてるね。

 正直助かる。


 五号室、六号室は、さらに一回り小さくなり、二段ベットが二つ入った四人部屋だ。

 書机はあるが、おトイレは無いようだね。

 これくらいのグレードのお部屋の方が私は落ち着くなあ。


 七号室も、二段ベットの四人部屋だった。


 そして八号室を開けると、シャワールームになっていた。

 手前が脱衣所、ふかふかのバスタオルが掛けられている。

 シャンプーとリンスもあった。

 四人部屋用の共用トイレが二つ付いてるのか。

 物質保存の魔法凄すぎだよ。


「客室は豪華だなあ。贅沢に部屋をつかってるな」

「快適……」

「最大二十人ぐらいが長期旅行できるわね」

「床に寝ればもっと沢山いけるな」

「そんな旅はいやですわよ、カーチスさま」


 いつの間にか、ダルシーとアンヌさんが出てきてシャワールームのタオルとか石鹸とかを確認していた。


「これで、空を飛んで、寝ながら旅行が出来るのか、人間は面白い事を考えるな」

「まあね」


 しかし、ミニキッチンとラウンジが無いな、上かな?


 廊下の奥は階段になっていて、下と上に行けるようになってる。


「下には何があるのかな?」

【第三層はエンジンルームと貨物室です】


 うお、びっくりした。


 廊下に台があって、そこからエイダさんの立体映像が出ていた。


「上は?」

【第一層にはラウンジとキッチンがあります。船体の前には展望デッキと副操縦室があります】


 よし、上に行こう。


 絨毯が敷き詰められた階段を上がると、ソファが並んだラウンジがあった。


「うほほーい」


 アダベル、君はベット系の物があると飛び込んで跳ねないと気がすまないのかね。


「うわあ、豪華なソファだね。私はここで泊まるよ」

「いや、下の部屋に泊まりなさいよ、コリンナちゃん」

「じゃ、四人部屋で」

「私も四人部屋がいいなあ」

「あんたの船でしょう、スイートで寝なさいよ」

「お、おちつかん」

「マコトは図太いのに、変な所が小市民よね」


 ほっといてくれ、カロル。

 私は生まれついての貴族ではないのだ。


 アンヌさんがラウンジの横の扉を開けた。


「これはこれは」


 どうしたー?

 と、見に行くとキッチンであった。

 ミニキッチンと書いてあったのだが、ちゃんとした本式キッチンだな。

 魔導コンロに、魔導冷蔵庫、魔導オーブンが揃っている。


 ダルシーが戸棚を開けるとお皿やグラス、シルバーが出てきた。

 どれもこれも高級そうだな。

 お皿には青いラインがあって、中央に蒼穹の覇者号のマークが書いてある。


「すごい、ちゃんとしたキッチンだわ。ここで調理して、ラウンジで食事ができるわね」

「もしくは展望デッキで」

「それは、うふふ、凄いわね」

【飛行中はバリアを展開しておりますので、展望デッキでのお食事も可能です】


 すっげえ、なにその豪華オプションはっ。

 テンション上がるぜっ!


「マニュアルにはミニキッチンとあったんだけど」

【蒼穹の覇者号は二回改装されました。第二層の端の四人部屋にミニキッチンがありましたが、ビアンカさまのご希望でラウンジを狭め、普通サイズのキッチンを作りました】


 ビアンカ様は贅沢者だからなあ。


 さすがに、キッチンの中には食糧は残っていなかった。

 ワインとかも無いね。

 それらは買いこまないと駄目ね。


 ラウンジ前方向に三つのドアがあった。

 真ん中のドアが副操縦室に通じてるようだ。

 魔力板に魔力を注いでロックを外して入ってみる。


「こっちは下の操縦室より狭いのね」


 そのかわり窓が切ってあって、見通しが良い感じ。

 下の操縦室と同じような舵輪みたいな物がある。


 窓の向こうは展望デッキというか、甲板やね。

 アダベルが早くも出て、甲板を走り回っていた。


 操縦席を出て、甲板へのドアをくぐる。

 綺麗な木でできた甲板で結構広いね。

 船の前半分が甲板だわ。


「デッキチェアとパラソル付きテーブルが八セットずつ」

「広さを考えるとそんな物ね」


 アンヌさんとダルシーがたたまれた備品をチェックしている。

 仕事熱心で偉いなあ。

 デッキチェアがあるのかあ。

 すげえなあ。

 夢の遊興客船であるな。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] パラソルあるのに雨の日は傘使わない? それともパラソルも過去の異物的なもの? にしては判別できてるし……ちょっと気になりました。
[良い点] おおぉ!この飛空艇に住み着いて、旅にしながら、一生も気持ち良く悠々自適に生きられますねw ビアンカさまは悪評されますけど、とても楽しい人生を過ごしましたでしょう! 羨ましいです〜
[一言] 食器の皿一枚だけでも売却したら、歴史的価値を考えるに、凄い値段になりそうですね。勿体無くて私には使えないです。大日本帝国海軍の艦艇に積まれていた食器類も、戦後の賠償金支払いの為に売却されたよ…
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