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第312話 授業のあとはクララのワゴンでパンを買う

 さて、朝食を済ませて、登校である。

 カロルと剣術部の二人とA組に行って、エルマーに挨拶して席につく。


 ケビン王子とジェラルドが私の席の方へ来た。


「おはよう、キンボールくん」

「おはよう、キンボール」

「おはよう、なに?」


 麻薬捜査の勧誘かな。


「本日は半ドンだ、実に王宮の麻薬捜査日和だとは思わないかね、キンボール」

「思わないよ、午後は大神殿に行って孤児のお世話だよ」

「だ、だが、キンボールくん、これは国家の危機で」

「焦らなくても大丈夫だよ、来年までポッティンジャー派は攻めてこれないんだから。来週やります」


 私はきっぱり二人に宣言した。


「そうか、しかたがない、『タワー』が使えないのが痛いな」

「ウィルキンソン家からマルゴットを借りれますが、午前中だけとの事です」

「しかたがない、王宮に行くか、ジェラルド」

「そうですな」

「あんたらが王宮に行ってもやることは無いでしょうよ」

「だがしかし」

「為政者としての責任があるのだよ」

「王様とマルゴットさんに任せて勉強しろい」

「「ぐぬぬ」」


 まったく浮き足立ちおって。

 まあ、魔法塔、警備騎士団、聖騎士団と立て続けに麻薬患者が見つかったから、おちつけと言う方が無理かもね。


 アンソニー先生が来てホームルーム。

 今日もお話は麻薬関係の事。

 意外にも実態を結構正確につかんでいて学園職員は危機感があるな。

 来週は、学園、王宮と麻薬中毒者を掃除して行かないといけないな。


 麻薬を感知する魔導具とか作れないか?

 ええと、結局マリアさまが作った物質データベースにアクセスすれば作用するんだから、光の発生部、反射した光を感知してデータをデータベースと比較して上げてくる部分、そしてディスプレイか。


 べつに全物質を感知しなくても、今の所三つの物質、覚醒剤、アヘン、コカインを感知できれば良いのか。

 呪文を魔法陣に置き換えて、回路を作ればいいんだよね。

 うむ、あとでカロルとエルマーに相談してみよう。

 上手く行けば摘発に使えるというか、流通途中で止められるね。

 うんうん。


 さてさて、授業授業。

 土曜日は数学、地理、国語、魔術理論の四コマである。

 数学は初歩的な方程式、地理はアップルトン各地の産業だね。


 国語は、またソネット詩の朗読と解説。

 教科書は良い詩を載せてるなあ。

 ロマンティックであるよ。

 うっとり。


 魔術理論はまだ概論だ。

 呪文と魔法陣図形の関係について。

 なぜ、言葉に魔力が乗るのか、ある特定図形に魔力が乗るのか、さっぱり解らないらしい。

 解らないなりに、経験則で発展させていったのが、現在の魔導技術らしいね。

 なんだろう、魔法って。

 魔法というエネルギー技術体系があるせいで、ここ偽地球は前世の地球とは違った歴史をたどっているのだろうなあ。


 キンコーンカーンコーン。


 よし、今日の授業は終わりー。

 アンソニー先生がやってきて帰りのホームルーム。

 休日はあまり羽目を外さないようにとの事。


 羽目は外しません。

 ダンジョンに行って大暴れするだけです。

 でも初級ダンジョンに十人パーティで行くのは過剰戦力だよなあ。

 剣士ばっかだし。


 さてさて、お昼だな。


「今日はクララのパンワゴン?」

「そうだね、せっかくだから」

「マヨコーンが……、あれば……、文句はない……」

「あ、朝に頼んでおいたよ、エルマー、無いと寂しいだろうと思って」

「ありがとう……、うれしいよ……」


 エルマーのぼわっとした笑顔は良いよね。

 ほっこりする。


「今日は女子寮のパン販売か」

「あそこもなかなか美味しいね、ジェラルド」

「そうですな、あとはベーコンオニオンパンがあれば良いのですが」

「オニオンベーコンを、マコトがクララさんに頼んでましたよ、ジェラルド卿」


 あ、カロルばらすなよ。

 ジェラルドは目を丸くした。


「な、なんだよ」

「い、いや、気が利く所もあるのだな。その、あー、ありがとう」

「うるさいわね、あんたの為じゃないんだからねっ」


 ちょっとツンデレてやりました。

 ケビン王子がにまにましておる。


 などとやっていたら、どやどやとB組の子たちがやってきた。


「おーい、マコト、今日は外食か?」

「うんにゃ、クララのパンワゴンだよ」

「おー、また出てるのか。目先が変わっていいよな」

「うんうん、じゃ、行こうか」


 みなと、ケビン王子とジェラルドを引き連れて廊下に出る。

 階段でヒルダ先輩とライアンくんが合流し、玄関ホールでゆりゆり先輩が合流した。

 みんなで女子寮の前に向かう。

 お、結構人が来てるな。


「来たよ、クララ、人来たね」

「前回食べた生徒が、お友達を連れてきてくれたみたいよ」


 クララが嬉しそうに言った。

 商売繁盛だね。


「さ、まだあるから買っていって、あと飲み物はタリー商会からレモンスカッシュを仕入れてきたよ」

「おお、噂のレモンスカッシュ」


 バカンス商会のソーダが王都のソフトドリンクを長い間独占してたのだけど、最近タリー商会がレモンスカッシュを販売しはじめたのだ。

 どっかがコーラ作らないかなあ。

 新大陸からコカの葉を取ってこないといけないから無理か。

 というか、コカコーラでもコカは原料に入ってないけどね。

 昔は麻薬のコカインの原料からコカコーラが出来てたんだよね。

 前世の話だが。


 私は、マリア様パンとハム卵サンドを買った。

 あとレモンスカッシュね。

 カロルはマリア様パンとベーコンポテトパンを買っていた。


 他の人も好きなパンを買い込む。

 エルマーはマヨコーン、ジェラルドはベーコンオニオンを買っておった。

 うむうむ。

 好きな物を食べてこそのお昼ご飯だからね。


 さあ、中庭でご飯を食べよう。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] データベースの検索結果とディスプレイの発光内容を上手く関連付けられれば完成しそう そもそもマコトの中ではデータベースの検索結果はどう感じて居るんだろう
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