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第265話 教室でケビン王子と麻薬密売摘発の密談をする

 さて、朝である。

 昨日はパジャマに着替えてダンジョンガイドを読んでいたら寝落ちした。


 今日は火曜か、今日明日がだるいよね。

 木曜日を越えると楽になるんだけど。

 まあ、頑張ろう。

 ファイトだ。


 朝の用事を済ませて着換えて、ダルシーの入れてくれた、お茶を飲む。

 今日も良い天気だね。


「今日の放課後の予定は?」

「みんなでダンジョングッズを買い出しにいきましょうか」

「そうだな、色々と買い込まないと。はあ、お金が要るね」

「結構、色々な所で事務を手伝って稼いでるでしょ?」


 カロルの錬金の所とか、聖女の湯の販売管理とか、ドライヤーの管理もやってるな。

 コリンナちゃんは、すごい働き者であるよ。


「貧乏性だから、お金は貯めておきたいんだよ」

「節約は良いけど、必要な物は買わないと」

「そうなんだけど、性分なんでなあ。なんともしがたい」


 たしかに浪費家のコリンナちゃんはキャラじゃ無いな。

 とりあえず、色々と書類や会計系の仕事を作って、積極的にコリンナちゃんにお金をまわしましょう。


 205号室を施錠して階段を降りる。

 エレベーターホールにいた聖女派閥のみんなと挨拶をして、いざ食堂へ。

 今日は甘々の日である。


 いろいろおしゃべりしながら朝食を食べた後に、登校である。


 ああ、なんだか気温も春めいて、だんだん暖かくなってきたね。

 頬にあたる風が心地よい。


 校舎の出入り口前でみんなと別れて図書館へ。

 秘蔵書庫の照明をつけにいかねばならない。


 校舎から二階に上がって渡り廊下を行くか、校舎の外を回って行くか、ちょっと迷ったけど、外回りにした。


 図書館の中に入ると、アンソニー先生が本の整理をしていた。


「あら、先生」

「ん、どうしたんだい、キンボールくん」

「昨日お養父様とうさまに秘蔵書庫の照明をつけておいてくれと頼まれまして」

「ああ、解った、ついておいで」


 アンソニー先生は図書館一階の秘蔵書庫のドアの鍵を開けた。

 昨日、魔力を流し込んだからか、薄暗いぐらいの光度で灯りがぼんやり灯っていた。


 ライトボールを出して、入り口あたりを調べる。

 お、ここにも接触板あるじゃーん。

 魔力を流し込んで照明を点ける。

 

「うわ、眩しい、すごい照明ですね」

「ビアンカさま謹製の照明みたいです」

「これは明るい、歴史資料館の方々のお仕事もはかどる事でしょう」

「では、先生、また後で」

「はい、キンボールさん」


 先生は図書館で、まだ何かするようだ。

 私は頭を下げて、二階に上がり、図書館を出た。


 渡り廊下を通って校舎に入り、A組に向かう。


「おはよー、エルマー、ぷぷぷっ」

「うるさいよ……」


 男子寮も月曜日が聖女の湯だったらしい。

 男子がみなつやつやしておる。

 彼らは、それほど入浴剤にはまってるわけでは無いらしく、水曜日の聖女の湯の元は請求してこなかったな。

 まあ、男子だしな。



「ケビン王子」

「ん、何かなキンボールくん」


 ケビン王子を指でさそって教室の隅に連れて行く。

 もちろんジェラルドも付いて来た。

 王子の行く所、陰険メガネありだね。


「ケビン王子、学園内に麻薬の売人がいるようです」

「ふむ」

「こちらも存在は知っている」

「つきましては私は聖女候補として、密売ルートを潰し、売人を上げるつもりですが、国王派閥はどうします? 一口のりますか」

「うむ」

「うむ」


 王子とジェラルドは考え込んだ。


「何か考える事が?」

「麻薬絡みの摘発はロイドにやらせたいんだよね」

「そうなの?」

「ロイド王子はあれで治安維持が得意でしてな、国王派としては、ケビン王子が王になられたあとには、あのお方に警備局を任せたい、ついては手柄を立てていただきたいのだな」


 警備局というのは、前世の警察みたいな役所だね。

 ちゃんと武力もあるので、半軍半警のような部署だ。

 確かに、国王を裏切らないロイドちゃんならうってつけのポジションか。


「わかったよ、じゃあ、お昼にでもロイドちゃんを誘おう」

「うむ、そうしてくれると助かる。あと、今、麻薬を追っているのは『タワー』だから、協力を取り付けてもいいかもしれない」

「あんまり、プロの諜報と知り合いたくないかも」

「たしかにそうだな。教会と諜報は接点が薄いし」


 挨拶ぐらいならしても良いけどさ。

 あんまり気が進まないな。


 アンソニー先生が教室に来たので、私は急いで席に戻った。


 さてさて、ホームルームだ。

 最近、体の調子を崩す生徒がいるので、なにか異常があったら気軽に医務室で相談しなさいとの事。

 春だからね、寒くなったり暖かくなったりで調子を崩しやすいのだろう。


 ホームルームが終わると、火曜日の授業が始まる。


 

 午前の授業は、歴史、国語、数学、魔術理論だね。

 特に問題も無く、さくさくと授業をこなしていく。

 だんだん数学と魔術理論が難しくなって来たかも。

 歴史と国語は問題無し。

 あー、勉強会もしないとなあ。


 魔法学園の生徒はとても忙しいのです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 体の調子を崩す(ヤクで)
[一言] 月曜夜のお風呂の汚れ具合はみないで寝ちゃったのね。あ、でも実はダルシーが確認してて後から話題が出て報告するのかな?
[一言] 寮で聖女の湯を利用してれば体調を崩すリスクも抑えられる、かな? 過労とか寒暖の差から来る免疫力低下みたいな疲弊は防げそうだし
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