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第213話 お風呂にヒルダさんが来て、謀略に気がつく

 ダルシーに体を洗ってもらう。

 こしょばい。

 うひひ。


 隣ではカロルがアンヌさんに洗ってもらっている。

 メイドさんがいる身分だと洗ってもらうのが普通なんだよね。

 だから、大浴場にはメイドさんもうろうろしている。


「マコト、この湯はすごいね」


 メリッサさんを洗い終わったカリーナさんが声をかけてきた。


「カリーナさんも入ったの?」


 彼女もつやつやしておる。


「火曜日のメイド時間に入ったよ。お湯は汚れてたけど、効能は高くてね、すごいすごいって、みんなに評判だよ」

「それは良かった」


 メイドさんにも効果があってよかった。


「ダルシーは入ってないの?」

「はい、時間が合いませんでしたので」

「それは残念、明日入りなよ」

「はいっ」


 私たちが昼間、授業を受けている間に、大浴場はメイド時間といって、使用人たちや、食堂スタッフが入って良い事になっている。

 まあ、クララなんかは夜更けに、こっそり入ったりしてるみたいだけどね。


 ダルシーに髪を洗ってもらう。

 ああ、極楽極楽。

 お風呂大好き。

 カロルの裸もみれるし。

 うひひひ。


 がらりと引き戸が開いて、裸ん坊のヒルダさんが入ってきた。

 うっは、真っ白な肌に真っ黒な髪。

 モノトーン美人だね。


「あ、領袖、やはりおられましたか」

「ヒルダさん、お風呂なの」

「はい、特殊な入浴剤が入った、金的令嬢風呂という催しがあると小耳に挟みまして」


 さすが、諜報系、耳が早いね。


 髪を洗い終わったので、ダルシーにバスタオルで巻いてもらって、また湯船にもどる。


「ああああっ、このお湯凄いですね、疲れが吹っ飛ぶ感じです」


 ヒルダさんが緩んだ顔をした。

 いつもキリッとしている彼女にしてはレアな顔だな。


「えへへ、疲労回復の薬草を混ぜてみたんだけど、効いてるみたいね」


 私の隣にカロルが入ってくる。


 というか、ぞくぞくと生徒がやってきて、だんだんとお風呂の人口密度が高くなるね。

 女子寮の噂の伝播速度は速いな。


「お風呂が混むことも考えないといけませんね、エステル先輩」

「そうだね、ヒルダ君、何年生はこの時間とか、制限とかしたほうが良いかもしれない」


 それはそれで、いつでも入れる利点がなくなって何だなあ。

 お風呂が良くなっても、いろいろと問題が発生するなあ。


「ヒルダさん、大迷宮はどうでした?」

「まだ一回目なので、浅い階をうろうろしてましたね、ベロナ君のパーティーは焦り過ぎだったと思います」

「あ、やっぱりそうなんだ」

「バランスが良いパーティでしたので、気が大きくなっていた面もあったと思います。彼のパーティは王都周辺のダンジョンを潜り尽くしたと言ってましたから」


 それだけ才能のあるパーティも大迷宮だと全滅の危機があるんだなあ。

 危ない場所だ。


「学園の方はお変わりなかったですか?」

「そうだねえ、ジュリエット・キャンベル侯爵令嬢が派閥に入ったよ。あと、大神殿で、カーチスと、エルザさん、カトレアさんが聖剣を借りたぐらいかな」

「聖剣!!?」

「私じゃ無いと出力が足りなくて、中位魔剣ぐらいなんだけどね」

「そ、それでもとんでもない事ですよっ、聖剣が学生に貸し出されるなんて」

「そういやそうね」


 なんか、一本うるさいホウズがいるから、私の中で価値が下がってるけど、考えてみると聖剣はすごいよなあ。


「あとは、デボラさんがちょっかいかけてきたけど、撃退しました」

「何をしてきましたか」

「ヤクザに頼んで、私を拉致しようとしてましたね、大神殿の近くで」


 オーウという感じでヒルダ先輩は天を仰いだ。


「あ、それから、なんだか、デボラさんと、命令さん、えーとケリーさんが組んで悪巧みしてるらしいよ」

「鶏卵令嬢と命令令嬢が……。どこからの情報です?」

「カーチスだね、長耳さん経由かも」

「鉄板情報ですね、あの二人が組む?」


 ヒルダさんは考え込んだ。

 凄く綺麗だから真面目な顔で考え込むと見とれるほどの美しさだなあ。

 おっぱいも結構大きいし。

 うほほ。


「じろじろ見ないの」

「いひゃいいひゃい」


 カロルに頬を引っ張られました。


「あっ!」


 ヒルダさんがざばりと立ち上がった。

 うお、お尻も綺麗。


「失礼します、裏取りしたい情報が出てきました」

「あ、うん、なに?」

「確定はできませんが、物流に関税を掛けるつもりかもしれません」

「え、たいへん!」


 カロルが返事をするが、私にはピンとこない。


「マーラー領から出る衣料関係に、ケリーの実家の領、ヒルムガルドで関税を掛けるつもりかもしれません」

「うん、かけたら良いんじゃ無い?」

「マコト、新入生歓迎パーティに着ていくドレスが届かなくなるのよ」

「あ、あーっ!! 大変だーっ!!」

「まず、裏取りをします、あと輸送路が変えられないか検討を、その後で命令令嬢に直接攻撃をしかけましょう、あいつとは条約を結んで無いので、攻撃しほうだいです」

「あ、そ、それはちょっと」


 マーラー家の本気の攻撃とか仕掛けたら、命令さんの家が潰れてしまうよ。

 それは避けたい。


 そうか、デボラさんの次の手は経済封鎖か。

 これは盲点だった。

 条約は、剣弓毒を禁ずるだから、問題が無い。


 うわあ、ダンパには新しいドレスでみんな出かけて欲しいしなあ。

 これは、困った。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ……逆にやっと真っ当な妨害が来たな!?
[良い点] ヒルダさんは綺麗なスタイルを持つですねw ダルシーさんに気持ち良く洗われながら、美少女達の裸を拝見できるとは、正に極楽な天国ですね〜 カロルさん、マコトさんに自分の裸を見せたくないのに、他…
[一言] たかが学園内の派閥抗争を領民巻き込んだ経済戦争にエスカレートさせるつもりか クズだのバカだの三流だの言われるわけだよ、どんな報復されるかとか考えないんだろうな
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