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第200話 武術の授業でカロルといちゃいちゃする

 水曜日の座学をすいすいーとこなす。


 地理、音楽、社会、であるな。


 地理もなんとなく前世のヨーロッパと似ているところが多いので、解りやすいが、間違えやすくもある。

 ドイツにあたる、ジーン皇国領がひろすぎだろう。

 強国なだけはあるよなあ。

 その強大な国から北方を戦争でかっぱらったジェームズ翁はやっぱすげえよな。

 大戦果だったので、皇国と大分有利な条約を結べたようだ。


 なんで、その凄いジェームズ翁が王位に就けなかったかというと、一つに聖女マリアさまの存在があったらしい。

 王国を守る聖女マリアさまとジェームズ翁は激しい暗闘を繰り返していたそうだよ。

 魔王を倒したという実績があるマリアさまの息子の王様の地位は、彼女が生きている間は確実に守られたわけさ。


 ジェームズ翁も嫌なタイミングで生まれたもんだね。

 もうすこし前か後に生まれれば王様になれたかもしれないのになあ。


 天の配剤ってあるんだろうなあ。

 マリアさまが死んだ頃には、すっかりジェームズ翁もじじいになってしまって、自分が王位に就くにはいささか歳を取り過ぎ、かといって、優秀な長子リチャードは戦争で失い、駄目次男ドナルドしかいないわけさ。


 晩年、パン屋の小娘の私をからかっていた頃も、ちょっと寂しそうだったしね。


 だから晩年はビビアンさまを王家と嫁がせて、外戚として権力を振るいたかったのだろうね。


 ほんと、ジェームズ翁が私と同年代だったら、協力して王位に就けてやったのになあ。

 なかなか上手くはいかないもんだね。


 でも、歴史ってそういう物なんだろうね。

 皮肉な巡り合わせが連なって動いて行く物なのだろう。


 ビビアンさまは王妃さま向いてなさそうだしなあ。

 ケビン王子は外国から賢い王族のお姫様でも嫁に貰えば良いんじゃないかな。

 結構良い王様になれると思うんだ。

 なにげに腹が黒いけど、根は良い奴だしさ。

 ロイドちゃんを王様にするよりは、ずっと良いだろうね。


 などと、地理の時間、地図を見ながら考えていたんだな。


 音楽は、ぽろろ~んとリュートとか弾いた。

 上手い奴は上手いよなあ。

 前にも言ったが無駄にジェラルドが上手い。

 私は普通。

 ポロロ~ン。


 社会は、まあ、社会なので真面目に聞いて終わり。


 さてさて、武道武道。

 更衣室まで移動して、体操着に着替える。

 しまったなあ、カロルとブラを買ったのは失敗。

 生きがいがなくなってしまった。

 まあ、下着姿のカロルも可愛くて大好きですが。


「マコト、目がやらしいっ」

「ええ~、いいじゃんよう~」

「なんだか、最近、マコトがユリーシャ先輩に見えてきてしょうがないわ」

「あ、あんなに酷くないやいっ」

「じゃあ、そうやってじろじろ見るのはやめなさい」

「はい」


 しょうがないなあ。

 わがままだなあ、私の嫁は。


 さて、武術場に行くと、バッテン先生が溌剌としておった。


「やあ、みな、おはよう、今日も武道をがんばろうな」


 まあ、彼女がたいへん元気なのは私のせいでもあるので、あまりつっこむまい。


 また、蓬莱木刀のコイシちゃんと組んで、小太刀盾剣の二刀流である。

 

 ゴキンゴキンと木剣と木刀をぶつけ合う。

 攻撃は小太刀でね。

 これは盾剣の感覚を掴むのがキモのような気がするな。


 蓬莱木刀は弧を描いてくるので、なかなか受けるのが難しいけど、大分慣れてきたな。


「すぐ上手くなるみょんなあ、さすがはマコトしゃん」

「そんな事無いよう」


 放課後まで木刀振ってる剣術部の人に言われると少しうれしいな。


「あつっ!!」


 カロルの声がしたので振り替えると、彼女は指先を押さえて痛そうな顔をしている。


「すまんっ、だいじょうぶか、オルブライト」

「ううん、ちょっとぼんやりしてたから、ごめんねカトレアさん」


 どうやらカトレアさんの模擬エストックの先で指を切ったらしい。


「治す~」

「あ、おねがいね、マコト……」


 ぱくり。

 もぐもぐ。


「なんで口に含むの?」

「りゃんとりゃく」


 もぐもぐ、カロルの血の味~。


「ええと、治癒魔法じゃないの?」

「ふぃ~る」


 カロルの指を甘噛みしながら、口の中でヒールを掛けた。

 別にヒールは手から出すと決まってはいないのだ。

 どっからでも出せるぜ。


 舌でカロルの指を舐め上げると傷が消えていた。


 カロルが手を引っこ抜いた。


「……、治ってる」

「治した」


 カロルが渋い顔をしてハンカチで手を拭った。


「マコト……」

「マコトしゃん……」


 カトレアさんとコイシちゃんが私の肩に手を置いた。

 な、なんだよう。


「キモイ」

「キモイみょんなあ」

「えーっ!!」


 ふと気がつくと、カロルが怪我した指を口に含んでいた。


「あっ!」

「! あっ、ち、ちがっ! 違うの違うのっ、無意識、無意識っ!」


 えっへっへへ、無意識ならしょうが無いね。


「違うってばっ! ニヤニヤしないでっ!」

「ふへへへへ」


 真っ赤になって、私の頬を引っ張るカロルが可愛い。

 うひひひひ。


「こら、そこー、いちゃいちゃすんなー」

「もう、馬鹿っ!」


 カロルにポカリと軽くはたかれた。

 ぐぬぬ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こわいよおw
[一言] 流石に授業中にヤるのはどうかと思うよ
[良い点] 作者さん、最近の更新はお疲れ様です! おおおぉ、カロルさんとの百合百合イチャイチャですね!エロ、でもだからこそ素敵w 万歳〜
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