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第199話 カロルが王宮に高値で入浴剤を売ってくれる

 朝食をおえて、みんなで登校する。

 今日も良い天気だなあ。


 校舎の出入り口に入る。

 壁新聞の更新はないので人はたまっていない。


 どやどやとみんなで階段を上がる。

 さすがにこの人数になるとC組前のドレスさんたちの群れも怖くないぜ。

 ふっふー。


 B組の人と別れて、A組に入る。


 んで、エルマーを見て爆笑。


「うひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

「な、なんだ……よう」

「つやつや、エルマーがつやつやしておるっ」


 ぎゃっはっは。


 カロルを見ると、カロルも口を押さえて真っ赤になっていた。

 笑ったほうがいいぞー。


 エルマーは憮然とした表情でこちらを睨んでおるが、元々美少年だった所にお肌がつやつやになっているので、美し可愛いおかしい。


「カ、カーチスもつやつや? うっぷっぷ」

「そうだね……、つやつや、……だったな」


 カロルと一緒にプーッと吹き出しだ。

 いや、笑っちゃ悪いんだけどさ、悪いんだけど、つやつや。

 カーチスもつやつや。

 ぷわっはっはっはっは。

 ひーひーっ。


 ジェラルドめが寄って来た。

 つやってないな。


「ジェラルドはなんでつやってないんだ? お風呂嫌い?」

「僕は王宮で泊まっているからな、それより何事だ男子寮の生徒のつやつやっぷりは?」

「女子もまだつやつやしてるでしょ。私の作ったヒールポーションを大浴場に入れたらこうなったよ」

「そうなのよ、ジェラルドさま、マコトさまが金的令嬢風呂をおもてなしになったと、大評判で、こんなにつやつやなのよ」


 知らない女生徒が割り込んできおった。


「美容に良いだけじゃありませんわよ、健康にも良いのですわ、アトピーの子も、アレルギーの子も治って大喜びですの」

「持病……は、……確かに、……治る、……男子寮でも……、確認……した」

「おい、キンボール、貴様は、どうしてそんな素晴らしい薬剤を王家に献上しない?」

「え、だって試しでやってるだけだもん」

「そうか、では、王宮用に正式に発注する、できるだけ持ってこい」


 ケビン王子があわてて私とジェラルドの間に入ってきた。

 王子もやっぱりつやつやしてないな。


「ジェラルド、そんな言い方をしては駄目だよ。ごめんねキンボールさん」

「ああ、別に、私はジェラルドがいやな奴って知ってるから大丈夫」

「ぐうっ、きさまあ」

「女子寮でも毎週やってと要望があったから、週に一本か二本は出せるよ」

「それは良いね、お父さんもお母さんも喜ぶだろうね。両親にはいつまでも健康にいて欲しいんだよ」


 ケビン王子は見た目が派手なのに、両親思いだな。

 まあ、王様も王妃さまも、私は好きだから、聖女の湯を分けるのにやぶさかではない。


「一本いくらぐらいの物だ?」

「そんなにしないよ、五百……」


 カロルがいきなりジェラルドの前に立ち塞がり、片手を上げた。


「五万ドランクです。一本」

「なっ、いま、そいつは五百と……」

「五万ドランクです。これでも破格です、文句があるなら十万で売りますよ」

「にゅ、入浴剤に五万? た、高くは無いか? 寮の大浴場に週一で使える値段ではなかろう」

「公衆の為になる大浴場と王家が使用する物とで同じ値段だとお考えですか?」

「ぐっ、それは確かにそうだが、儲けすぎでは……」

「この入浴剤はマコト以外に作れない希少な物です、嫌ならやめなさい」


 ケビン王子がポケットから巾着を出して、大金貨を一枚、カロルに渡した。


「では、試しに二本頂くよ。お父さん、お母さん喜んでくれるかなあ」

「では、二本、でき次第お渡ししますね」

「おい、まてオルブライト。王子よ、良いのですか?」

「王家の者がお金をけちって聖女候補からだまし取ったという評判が付くよりもいいよ、ジェラルド」


 はー、王子さま、お金もってんなあ。


「それに最近、キンボールくんには一緒にパン屋に行ったりしてお世話になってるし、問題はないよ」

「お世話した覚えはないけどねえ」

「そういう素っ気ない所がキンボールさんの良いところだよね」


 ちっ。

 キラキラと笑うな、王子様め。


「ちなみに原価は?」

「薬草だから、いくら? カロル」

「原価の事など、しらなくて良いのですよ、マクナイト卿」

「思うに、そうとう安いな」

「百ドランクかな」

「それが、五万ドランクか」

「高くていいんですよ、安く卸すと絶対市場で転売する人がでます。効果的には三十万ドランク出しても手に入らない物なのですから」


 あ、そっか、安く買って転売すると大もうけなのか。

 カロルは良く考えてるなあ。


「理解した。キンボール、無茶を言って悪かったな」

「いいよ、あんたは嫌な奴だけど、一本筋が通ってるから、信頼はしてる」

「くそ、喜べばいいのか、怒ればいいのか」

「普通にしてろ」


 陰険メガネめ。


「カロルありがとう、助かったよ」

「いいのよ、オルブライト商会を通して王宮に入れるから、手数料は三割貰うわ」

「お、おう……」


 カロルもチャッカリしてんな。

 とは思ったが、まあ、薬の販売はそういう物なのかもね。

 オルブライト商会の看板で売ればトラブルも少ないだろうし。

 カロルの事だから、こちらを騙そうという事はないよね。

 信頼できる私の嫁だし。


「放課後に入浴に特化したヒールポーションを一緒に作りましょう」

「うん、良いね」


 カロルと錬金だ、楽しみ楽しみ。

 


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[良い点] おおぉ、カロルさんはしっかりマコトさんの事をガードしていますね! マコトさんはなんか騙されそうです。 おおぉ、お嫁さんの意気w 尊いです〜
[一言] 美少年がツヤツヤとか現代物なら女性陣に化粧されるシチュエーションだな そしてカロルは立派な商人だった
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