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第192話 みんなで自然公園でお昼を食べていると、遠方にドラゴンを見る

 今日は壁新聞の更新もないので、さっくり二階に上がって、A組に入った。


 ケビン王子とジェラルドが、もう来ていて、なんかしゃべっておる。


「おはようー、エルマー」

「おはよう……、マコト……、カロル……、最近は……、一緒に登校……だね」

「最近はカロルと一緒に朝ご飯食べて、一緒に来てるのよ」


 エルマーは深くうなずいた。


「それは……良い事だ……。所で……、どうして……、今日は……、女子が……綺麗なんだ?」

「ああ、この前のマコトのポーションが消費期限間近だったから、地下大浴場に入れたのよ」

「そうなのか……。僕の……、持っている物も……、浴場に……入れようかな」

「良いんじゃない? エルマーはお風呂は大浴場に入ってるの?」

「いや……、部屋の……、お風呂だよ」

「じゃあ、地下大浴場に放り込んできなよ」

「そうしよう……」


 これで学園の男子もつやつやだな。

 うむうむ。

 アップルトン魔法美容学園になるな。


 先生がやってきてホームルームだ。

 明日の昼頃、二年生がガトラガ大迷宮から飛空艇で帰ってくるらしい。

 二年生が帰ってきたら、学園は平常運転になるね。


 さて、授業が始まった。

 午前の授業は、歴史、国語、数学、魔術理論の4コマだね。

 すいすいすい~と履修であるよ。

 座学はすごい得意だな。

 知性のパラメータが大分高い感じだよな。

 チートチート。


 よっし、授業終わった

 さて、ご飯ご飯。

 お昼はどうしようかなあ。


 カーチスを筆頭にB組衆がどやどやとA組に入ってきた。


「マコト、今日はどうする?」

「どうしようかなあ」

「パン屋に行けば良いのではないか?」


 なんで、ジェラルドがくちばしを突っ込んでくんだよ。


「まあ、良いか、みんなでひよこ堂に行こうか」

「うん、良いね、今日は別のパンをたべようかな」

「王子、オニオンベーコンが良いですぞ」

「マヨコーン……一択……」


 そしてケビン王子も当然のように一緒に行く気だな。

 いいけどさっ。


 みんなでぞろぞろと学園の廊下を歩く。

 国王派閥も一緒に歩いているので、事実上私らがアップルトン王国の最大派閥だね。

 そこのけそこのけー。

 とは言ってないけど、ぞろぞろと歩くと、前にいる人はどいてくれるのである。


 前方にデボラさんがいて、憎々しげに私を見ていた。

 睨んでるなあ。


 カーチスが歩を早め、私の隣に並んだ。


「鶏卵が命令と組んでなんかしてるぞ」


 デボラさんと命令さんが?

 なにしてんだろ。

 卵を輸出して、命令さんの都市で加工して大もうけ?

 いや、そんなに卵料理は日持ちしないだろうし、私や派閥も被害は受けないな。


「企みの正体は?」

「それは解らねえな。昨日の夜、公爵派の集会室で会議していた」

「なんでも良く知ってるわね」

「まあな」


 笑ってカーチスは後ろに下がった。

 しかし、なんだろう、陰謀の匂いがするな。

 ヒルダさんが帰ったら探ってもらおうか。


 学園を出て、徒歩五分、実家のひよこ堂で、綺羅星のごときお偉いさんの子息子女を連れて、クリフ兄ちゃんをびびらしつつ、パンを買うのであった。


 今日は聖女パンとフィッシュサンド。

 白身魚のフライにタルタルソースという、これも私が異世界知識で開発した物だ。

 っても、似たパンはあちこちのお店に結構あるんだけどね。

 川魚のフライはみんな好きだから。


 ああ、海の近くに遊びに行って、海鮮料理が食べたいなあ。

 王都は内陸だから、魚介類は品薄なのよね。

 魔導具で冷凍輸送できても、トラックじゃなくて馬車だから大量には入ってこなくて、馬鹿高いのだ。


「さあ、オニオンベーコンですぞ、王子」

「マヨコーンを……試すべき……」

「よし、その二つに、あとはー、ハムポテトサンドを食べよう」


 まったく、国王派閥はのんきだな。

 ケビン王子は甘いパンはあまり好きじゃないみたいね。


 みんなわいわいとお気に入りのパンを買っている。


 みなで、自然公園に行って、お気に入りの池の近くの芝生で座って食べる。

 あー、今日も良い天気で良いねえ。


 あれ、遠くの空にコウモリみたいな奴が飛んでるぞ。

 かなり大きいな。


 視力に魔力補助を入れる。

 さすがにズームまではしないが、くっきり見えるようになる。


 トカゲ?

 青い鱗がピカピカと日を反射して輝く。

 ドラゴン?


「カロル、あれ、ドラゴン?」

「え? こんな王都の近くに? あ、本当だわ、四つ足、ドラゴンだわ」


 ドラゴンはかなり遠くの高空を飛んでいた。

 王都の範囲には入ってないんだろうね。

 しかし、都市の近くにあんな大きなドラゴンが居るなんて。


「すげえっ、ドラゴンだ、冒険者ギルドに退治の依頼が来るな」

「どれくらいの難易度なの? ドラゴン退治って」

「そりゃあ、Sか、SSか、とんでもなく高いぜ」


 私たちが騒いでいると、ケビン王子も気がついて、ドラゴンの方角を見た。


「こんなに王都の近くを飛ぶなんて」

「あの色は邪龍アダベルドですね、ケビン王子」

「有名な竜なのかい、ジェラルド」

「王都近郊に住むドラゴンです。年に一、二度、目撃報告がございます」

「討伐命令は出ていないのかい?」

「それが、巣が解らないのですよ。討伐命令は冒険者ギルドに出ているのですが、住処が解らなければいかんともしがたく」


 エルマーがマヨコーンを食べながらドラゴンの方を見た。


「人的……被害は……、無いのかい?」

「今の所はないですな、クレイトン卿、ときどき農家の牛が盗られるぐらいです」


 凶悪そうな外見の割にあまり被害はだしてないのか。

 しかし、ファンタジーらしい良い物を見た。


 青いドラゴンは遠い雲の合間に入っていき、その姿を消した。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 男風呂の聖女の湯、「これは名誉の負傷で男の勲章だ!」みたいな古傷まで消えたら可哀想だな...注意書き必須w そして人的被害を出していないのに邪龍扱いなの、こっちもこっちで可哀想w
[良い点] ドラゴン、何か後で関わられそうですね。 引き続きも楽しみにしています!
[一言] 住処の分からない、人的被害を出さないドラゴン。 人化して王都で生活してたりして(笑)
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