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第187話 みんなで女子寮食堂で晩餐だー

 205号室に戻ると、コリンナちゃんが勉強をしていた。

 頑張ってるなあ。


「剣術部はどうだった?」

「運動しすぎで倒れてたので、大浴場をすすめておいたよ」

「おお、あの湯なら疲労は回復するだろうな」


 ベットの上に上がって、本を読みながらのたのたする。

 そういや、学園の図書館行ってないなあ。

 今度行ってみないとなあ。


 この学園は結構広い図書館がある。

 図書棟があるんだよね。

 かなり貴重な書物もあるらしい。


 明日の放課後でも行ってみよう。

 うんうん。


「マコトー、晩餐にいこうぜ」

「おろ、もうそんな時間かあ」


 二人で205号室を出て施錠した。

 階段をとんとんと降りていく。


 いつものエレベーターホールに行くと、いつもの面子が待っていた。

 というか、剣術部がつやつやである。

 そしてなぜかバッテン先生までいる。


「先生はなんでいるんですか?」

「家に帰ってご飯作るのが面倒なので、ここの晩餐を食べるのだ」

「だんなさんとかは?」

「ずっと剣が私の旦那さまだ」


 ほえー、アップルトンでは珍しい独身女性だなあ。

 めったにいないのだ。


「疲れは取れましたか?」

「ああ、すごい効き目だった。すっかり疲れが抜けたよ。食後にまた練習してもいいぐらいだ」

「やめてください」

「やめるみょん」


 カトレアさんと、コイシちゃんがげんなりした顔でそう言った。


 ええと、メリッサさん、マリリンさん、ジュリエット嬢……。

 カロルが居ないなあ。


 と、思ったらエレベーターから、カロルが、ゆりゆり先輩と一緒に降りてきおった。

 顔がちょっと赤い。


 ああ、なんだか目を合わせづらいぞっ。


「そ、そのうちっ」

「えっ?」

「そ、そのうちに、だから、うん、こっちからさそうからっ」

「う、うんっ」


 うっひーっ! うれしいー。

 ぱあっと幸福感が全身に広がった。


 そうかそうか、そのうちカロルと一緒にお風呂に入れるぞ。

 うえっひひひひ。


「満面の笑顔、というよりエロ笑顔だな」

「マコトさまらしいこと」


 うるさいよ、コリンナちゃん、メリッサさん。


 みんなで食堂に入る。


 ……。

 なんだ、この違和感。


 ……。

 あ、下級貴族食のテーブルについてるご令嬢がみんなつやつやしてる~~。

 すげえ、なんだか、みんな可愛くなってる気もするな。

 聖女ポーションすげえなあ。


「あー、皆さん注目ー!!」


 パンパンと手を叩きながら、ゆりゆり先輩が大声を上げた。


「現在大浴場で特殊な入浴剤を入れておりますわ。効果のほどは、下級貴族ブースにいらっしゃるご令嬢を見れば一目瞭然ですわね。明日には効果がなくなってしまうと思いますので、是非、みなさん地下大浴場へ足をお運びくださいまし」


 女子寮食堂がどよめいた。


「ほんとうかしら、確かに下級貴族の令嬢の中にすごくつやつやしている子がいるけど」

「金的令嬢よ、金的さまがなにかしてくださったのよ」

「こうしてはいられませんわ、早く食べて混む前に地下大浴場にいかねばなりませんわ」

「そうねそうね」


 上流貴族ブースの令嬢さんたちが、恐ろしい勢いで料理を食べ始めた。

 わあ、これは大浴場混むだろうなあ。

 芋洗い大浴場。


 まあ、その前にご飯ご飯。


 カウンターに行くと、クララが近づいて来た。


「あれ、本当? 地下の浴場行くと、あんたみたいなつやつやお肌になれるの?」

「本当だよ、だけど、クララ、大浴場入れるの?」

「食堂が引けたら、たまに入ってるわよ。大きい湯船は楽しいし」

「そうなんだ、食堂の人みんなで入りにいきなよ」

「そうだね、えへへ、たのしみたのしみ」


 私はメリサさんがカウンターに出した料理をトレイに乗せていく。


 今日のメニューはと、ホロホロ鳥のシチューと、大根サラダ、パンプキンスープ、黒パンであった。

 ホロホロ鳥は王都近郊にいる野鳥で、意外に脂がのっていて美味しい。

 イルダさんはそれをブラウンシチューにしたようだ。

 良い匂いだなあ。


 お茶をカップに入れて、トレイに乗せて持つ。

 開いているテーブルに持っていった。


 マッハで食べ終わったご令嬢がぞくぞくと食堂から出て行く。

 美容は女性の心をがっちり掴むのだなあ。

 命令さんも、お付きの令嬢二人を連れて足早に歩いて行く。

 ゆっくりつかりなよ~。


「いただきます」

「「「「「「「「日々の糧を女神に感謝します」」」」」」


 食堂中の令嬢が私に向けて拝んで祈りの言葉を口にした。

 わたしゃあ女神さまじゃあねえぞっ。


 ぱくり。

 ん~~~~、口の中でホロホロ鳥がホロホロと崩れてブラウンソースの香ばしさとまざりあい、えも言えない美味しさを醸しだしているなあ。

 さすがイルダさん。

 はあ、おいしい。


 大根サラダはシャキシャキだし、パンプキンスープは甘くて深みがある。

 はあ、美味しい物食べると充実するねえ。


「おいしいね、マコト」

「うん、おいしいね、カロル」


 親友と顔を見つめ合って笑い合う。

 うんうん、食事はさ、みんなでおしゃべりしながら、楽しむもんだよね。

 うんうん。


 で、カロルはいつ頃お風呂に誘ってくれるかなあ。

 明日って事は無いよなあ。

 明後日かな。

 うふふふふふふふふっ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さん、更新はお疲れ様です! カロルさんからお風呂の誘い、とても幸せですね〜 拝まれるマコトさん、もう慣れましたw
[一言] ゆりゆり先輩が聖女風呂について周知したのは副舎監として皆平等に的な考えかなぁと思ったけど、芋洗い場な大浴場を作り出しそこに紛れ込む、は出禁で難しいにしてもツルテカになってキャッキャウフフして…
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