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第180話 錬金実習室でオルニーさんと話し込む

 さて、A組に帰って、授業の準備をして、教室移動だ。

 カロルと一緒に錬金授業~。

 エルマーとも、ジョンおじさんとも、コリンナちゃんとも一緒だが。


 カロルと、コリンナちゃんと、エルマーと一緒に錬金実習室に向かう。


「エルマー、あとで魔法陣を見て欲しいものがあるの」

「……なんだろうか?」

「ドライヤーを作ったから、見て欲しいんだよ」

「ドライヤー……。火炎系の魔導具……?」

「後で見せるよ、髪を乾かす奴よ」

「……髪を? ……乾かす?」


 使った事が無い人はピンとこないか。

 男子は髪の毛が短いしね。


 錬金実習室に入ると、もうジョンおじさんは来ていて、サーヴィス先生と喋っていた。


「こんにちは、ジョンおじさん、サーヴィス先生」

「おお、来たね、皆」

「こんにちは、リボンのお話は聞いたよ、とても面白そうだね、授業後にお話ししましょう」

「おねがいします」


 よしよし、光リボン量産計画は順調に進んでいるな。


 今日もこの前の班分けで分かれた。

 コリンナちゃんとはお別れ、カロル、エルマー、今日も赤いドレスのライルさんと、青ドレスのオルニーさんだ。


「それでは、今日も最初にポーション実習です。前回作ってなかった人が作ってみましょう」


 そうか、今日はヒールポーションは作れないな。


「わ、私がやっても良いですか、キンボールさま、オルブライトさま」


 お、ライルさんが立候補したぞ。


「エルマーも、オルニーさんもかまわないかな?」

「僕は……、かまわないよ……」

「わたくしもかまいませんわよ」

「ありがとうございます。最近とっても弟が元気で、私、錬金を本格的にやりたくなったんです」

「それは良いわね。ジェリーくん元気になったのね、良かったわ」

「はいっ、キンボールさまと、サーヴィス先生のおかげです」

「がんばってね」

「はいっ!」


 さて、先週の復習であるよ。

 エルマーと、オルニーさんと、私で、薬草を包丁でカットする。

 同じ大きさにするのが難しいね。

 で、包丁が切れないな。

 エルマーはざくざく切ってるが、オルニーさんはおっかなビックリであるよ。


「あまり料理とかしないの、オルニーさん」

「わ、わたくしは貴族ですのよ、包丁とか持った事はないわ」

「そうなのね、ゆっくり切ってね、手を切ったら教えてね、治すわ」

「わ、わかったわ、その、あ、ありがとう」


 おお、オルニーさんがお礼を言ったぞ。

 ツンツンしてた人がデレると嬉しいね。

 うしし。


 ざくざく薬草を切る。


 みんなで切った薬草をかごに入れてカロルに見て貰う。


「根元は薬効が少ないのよ、真ん中だけで大丈夫よ」


 そう言って、カロルが薬草の根っこの方をひょいひょいとかごから出してゴミ箱に入れた。

 ほうれん草とかは根っこの方が栄養ありそうなんだけどなあ、薬草は違うんだ。

 まな板に残った薬草の端っこを噛んでみた。

 にっが~い。


「直接食べても、あまり薬効はないのよ」

「そうなんだ、傷には貼るかんじ?」

「そう、昔は刻んで湿布みたいにしてたみたいね」


 検品が済んだので、カロルがざらざらと薬草を錬金釜に入れて、混ぜ棒をライルさんに渡した。


「どれくらいの魔力を流せばいいんでしょうか?」

「あんまり一気に魔力を入れると疲れちゃうから、ほどほどにね、大体これくらい」


 カロルがライルさんの手の平に自分の手を重ねて魔力を流した。

 いいなあ、私もカロルの魔力を流してほしい。

 どんな感じなんかな。


「わかりました、やってみます」


 ライルさんが混ぜ棒に魔力を流しながら、かき混ぜ始めた。

 グールグル。

 グールグル。


 だんだん釜の中からあぶくが立ってきて、薬草の良い匂いが立ち上がる。

 ああ、錬金室特有の匂いね~。

 良い匂い、カロルの匂いだなあ。


 誰かが混ぜ混ぜしている間は、他の人は暇である。

 エルマーとオルニーさんと並んで椅子に座って、錬金釜を見ているよ。

 カロルはつきっきりでライルさんの錬金のコーチをしている。

 この卓はサーヴィス先生が楽だなあ、カロルが居るから。


「あ、あんたには少し感謝してるのよ、タビサが明るくなったわ」


 タビサって誰? と一瞬思ったが、ライルさんの事だな。

 タビサ・ライル子爵令嬢だ。


「気にしなくて良いわよ、出来る事をしただけだから」

「東部の家のつながりは深いのよ。タビサが恩を受けたということは、私の家も、ガスコイン家も恩義を感じる物なのよ」

「親戚なの?」

「遠縁だけどね、東は東で助け合って生きているのよ」


 それはそれで、楽しい互助関係だね。


「ポッティンジャー公爵家派閥の子たちの噂を聞いて、あんたの事馬鹿にしてたわ。でも、本当の聖女候補なのね。だとしたら、只の男爵令嬢ではないし、パン屋の娘でもないわ」

「いいよ、あんまり身分とか好きじゃないんだ。偉くても嫌な奴はいるし、身分が下でも良い奴はいるじゃん」

「あんたは良い奴ね、恨んでも良かったのに」

「慣れてるからさ、最初、下に見てる人も、話すと解ってくれる人も多いし」


 なんど話しても解ってくれない、デボラさんとか居るがな。


「なにかあったら東部の家は、あんたの力になるわ、困ったら相談しにきなさいね」

「ありがとう、嬉しいよ、オルニーさま」


 オルニーさんは小さくうなずいた。

 喋ってみると友達思いだし、感じが良い人だな、オルニーさん。


 ポンと音がして、煙が立ち、錬金釜の中身が綺麗な薄緑色になった。

 ポーション作成成功みたいね。

 なにより。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、評価とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

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