第1494話 久々に女子寮晩餐
お風呂から上がってダルシーに体を洗ってもらう。
ふわあ、やっぱ気持ちが良いね。
官能的だ。
また湯船に戻って体を温めて浴室を出る。
ダルシーにブイーンとドライヤーを掛けてもらって下着を替えて洗い立ての制服でさっぱりした。
サマードレスを脱ぐと、ああバカンスは終わったのだなあと思うね。
まあ、夏服だから、わりと涼しいけどね。
お風呂を上がって、収納袋からレモネードの瓶を出して飲む。
みんなも欲しそうにしてたので配ってみんなで飲む。
やっぱり風呂上がりはレモネードよね。
「わあ、冷えてますわ」
「マコトのは時間停止収納袋だからなあ」
「収納袋があると荷物の概念が変わりますわね」
「大荷物を持ってても重く無いもんね」
「収納袋は時々中身を出して整理しないとね。私もこの前、いっぱいになりかけだったから何かと思ったら、エルマーが水圧カッターで出した水だったわよ」
「ああ、ザマスと戦った時の事だね、カロルに聞いたよ」
「結局川に流したけどね」
「気軽に入れるとすぐ一杯になりそうだね」
人はあればあるほど収納してしまう物なのであるよ。
コリンナちゃんと一緒に階段を上がる。
コリンヌさんは厩舎にライ一郎たちを預けに行った。
ひさびさに帰って来た205室はいつも通りというか、朝にマルゴットさんが出勤したきりで閉めてたから熱が籠もって暑い。
「ぬお、我が部屋が、酷い暑さだ」
「カリーナさんもバカンス行ってたからね、マルゴットさん一人だから締め切っていたのだな」
窓を開けると、夕暮れの風が入ってきて温度が下がった。
カリーナさんもメリッサさんの帰省に付き合って行ってしまったから、この部屋は夏休みが終わるまで一人欠けだね。
まあ、私も巡礼旅にでるから、マルゴットさんとコリンナちゃんだけになるがな。
さっそくコリンナちゃんが机に付いて夏休みの宿題の書類を広げおった。
「ああ、落ち着くなあ」
「弓も撃ちに行きなさいよね」
「わ、解ってるよう」
これは行かないなあ、明日直接言おう。
ランニングもやらせないとなあ。
というか、鍛えてナージャは何とかなるものなのか?
コリンナちゃんは武道を何もしてないからなあ、弓に適性があるが、一番の適性はアバカスだろうしなあ。
大変心配である。
205室の懐かしのベッドでゴロゴロしていたら晩餐の時間とあいなった。
「さて、久々の女子寮ご飯だ」
「楽しみだね」
階段を下りてエレベーターホールへと行くと、みんながやってきた。
帰省してる人も多いから派閥員が半分ぐらいで寂しいね。
「わ、マコト、バカンスから帰って来たの、日焼けしてる~」
「リシュエール諸島あたりでのんびりしてきたよ、これ、食堂のみんなで食べて」
私は収納袋から、新鮮なお魚をドカドカ出してクララに渡した。
「お、おおっ、こんなに、というか釣りたてみたいなっ」
「ふふふ、収納袋が新しくなり時間停止がつきました」
「わああ、良いねえ、こんなに沢山、みんなで料理して食べるね」
「今日のお献立は?」
「今日の下級貴族食は、兎肉のシチュー、ミンチカツ、野菜サラダ、黒パンよ」
「おお、ミンチカツ好きだよ」
からっと揚がったミンチカツは美味しいのだ。
前世のメンチカツが入って来たっぽいよね。
トレイにお料理を乗せて行き、カップに冷めたお茶をケトルから注ぐ。
テーブルの定位置に持って行き、みんなを待つ。
夏休みだけあって、女子寮に残って居る人も少なそうだね。
良い時間なのに食堂がガラガラだね。
みなが席に付いた。
「いただきます」
「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」
パクリ。
おほっ、パリパリで中がホカホカだなあ。
ミンチカツ美味しいなあ。
兎のシチューも、三馬鹿の馬鹿でかい兎を思ってしまうのだが、食べると美味しい。
あの兎はバカンスにも連れてきていて、浜辺で所在なさげにしてたな。
うん、美味しいなあ。
イルダさんのお料理は私大好きだな。
お、黒パンも美味しくなってる、クララは腕をまた上げたな。
ああ、女子寮の晩餐を食べると、帰って来たなあ、と感じるね。
「明日から三日間、王都大祭ですわね、マコト様はどこをお廻りになりますの」
「そうだねえ、初日はあちこち廻るかな、二日目は絵画アカデミーで絵画コンテストの発表だから見に行かないと。三日目は鍛冶祭にオスカーの魔剣を観に行くわ」
「あら、アカデミーの絵画コンテストに応募したのですわね、入賞していたら事前に連絡が入るはずですけれども」
「まあ、落ちたんでしょうよ、あはは」
「バカンスに行ってらっしゃいましたからね、連絡が付かなかったとも考えられますわよ」
「明日は実家とか大神殿とかにバカンスのお土産を渡しに行くから巨匠に聞いてみるよ」
「絶対に受かってますわよっ」
「どうかなあ」
「うかるうかる、凄い絵だったから、カロルへの愛が気持ち悪いほど籠もってた」
「気持ち悪いはやめろう」
コリンナちゃんは遠慮が無くてなんだな。
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