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第1488話 王家主従を王城に下ろす

「こちら、コールサイン547498、蒼穹の覇者号、王宮管制室どうぞ」

【こちらはコールサイン335685、王宮管制室、着陸許可ですか?】

「はい、お願いします」

【了解しました、風は北西、やや強いです。蒼穹の覇者号、着陸を許可します】


 いつものやりとりで蒼穹の覇者号は王城飛空艇発着場に着陸した。

 やあ、すっかり暮れてしまったね。


「いやあ、キンボールさんお世話になったね、とても楽しい夏だったよ」

「気を付けて帰省飛行したまえよ」

「あいよ、また二学期にね。というか王都大祭で会うかな」

「大祭で会うだろうね」


 王家主従と護衛のディックさん、マリオンさんが下りて行った。


「というかロイドちゃんも下りなさいよ」

「ええ、僕も帰省旅行に付いて行きたいよ」


 この男はもう。

 ちゃっかりリックさんも残っているな。

 まあ、ケビン王子に比べると行事への出席なども無くて暇なんだろうなあ。

 しょうが無いか。


 さて、次はブロウライト家だね。

 ふわっと上がって、貴族街へ、

 ブロウライトのタウンハウスの前で着陸すると、家からクモザルを抱いたリチャードさんが出て来た。

 タラップを出すと船に上がって来た。


「やあ、ありがとう、この前は薬用酒をありがとう、だいぶ丈夫になったよ」

「効きましたか、何よりです」

「うききーっ」

「おお、モンチー久しぶりだな」

「うっきーっ」


 カーチス兄ちゃんがモンチーを抱こうとしたら彼は嫌がって暴れた。


「なんてことだ、俺の従魔なのに」


 見てみると、従魔のラインが、カーチス兄ちゃんよりもリチャードさんに太く生えているなあ。


「帰省に送ってくれてありがとう、助かるよ」

「いえいえ、お気になさらずに」


 リチャードさんは薬用酒が効いたのか、ずいぶんと血色も良いし元気になったね。

 モンチー争奪戦はエルザさんが抱きかかえて決着となった。

 エルザさんにはライン生えてないのになあ。


 馬車溜まりから垂直に離陸して、アンドレア領へと向かう。

 もう夜なんで高高度飛行をして時間節約である。

 夜の雲海の上は本当に異世界感あるよねえ。


 二時間ほど雲の上を飛んでアンドレア城に着いた。

 というか子供達が飽きてしまって、メイン操縦室でごろごろとマグロのように寝ているぞ。

 ライ一郎の近くが人気のようだ。

 もふもふだからね。


 エイダさんの助力を借りてお城の中庭に着陸する。

 ギリギリだから怖いね。


「マコト様、本当に今年の夏はありがとうございました、きっと一生、この夏の事は思いだして幸せな気分になりますわ」

「楽しんでくれてうれしいわ、夏休みの終わりの週に迎えにきますから」

「わあ、ありがとうございます、帰省がすごく楽になりますよ」


 それはそうである。

 アンドレア領とかは王都からだと馬車で五日とか掛かるからね。

 すいっと飛んで行くとアップルトンの国土がべらぼうに狭くなるねえ。


 沢山のお土産を持ってメリッサさんは飛空艇を下りて、ご両親と抱き合って喜んでいた。

 よしよし。


「聖女さま、アンドレアワインを持って行きませんか」


 私は船外への伝令管の蓋を開いた。


『お気持ちだけいただきます。ワインをたしなむ派閥員があんまりいませんので』

「そうですかー、ではまた夏の終わりに」

『はい、夏の終わりにまたお会いしましょう』


「貰っておけば俺が飲んだのに」

「意地汚い事言わないのよ、カーチス」


 意外にカーチス兄ちゃんは飲んべえだからなあ。


「夏の終わりに派閥員を回収して王都まで送ってくれんのか」

「そうそう、というか、そうしないと時間がもったい無いしね」

「無料で使える飛空艇はべらぼうに凄い代物だよなあ」


 私もそう思うぞ。


 さて領城から離陸して、ブロウライト城をめざしますか。

 結構夜も更けて子供達の電池が切れている感じだね。

 アダベルだけがクッキーをボリボリ食べているな。

 メイドさんたちが、寝てしまった子供を抱いて船室に運んで行った。


 また高高度飛行をして雲海の上を行く。

 景色が変わらないので単調なんだけど、まあ、夜間だから外見ても面白く無いしね。


 時々街の上を飛ぶと、光が集まっている場所が見えたりして、ああ、あの光の下には人が営みを繰り返しているのだなあ、と思ったり。


 深夜十二時前ぐらいにブロウライト城に到着である。

 結構寝ちゃった子が多いのでアナウンスは無く、私たちは静かに下船していく。


「おお、聖女さん、いらっしゃい。リチャード、カーチス、おかえり。おお、モンチーも来たか」


 フィルマン父さんとが出迎えてくれたぞ。


「お世話になります」

「ああ、みんな泊まっていってくれ」


 メイドさんの案内でそれぞれのお部屋に案内される。

 寝ている子供達も抱きかかえて運んでくれているね。

 ヒューイは甲板から勝手に飛び上がり、厩舎へ自分で入っていった。

 便利だなあ。


 ブロウライト城での私のお部屋は、カロルとコリンナちゃん、コリンヌさんの四人部屋であった。

 夜も遅いので、パジャマに着替えてベッドに潜り込んだ。


 おやすみなさい。

 すやあ……。

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― 新着の感想 ―
1500話おめでとうございます。ずっと楽しく読ませていただいてます。 バカンスの終わりで寂しい気分ではありますが、これからのお話も楽しみにしております。
おはようございます。 累計1500話到達おめでとうございます(^_^) 楽しかった旅行も終わりましたなぁ…。
ををっ、1500話達成ですか! お疲れ様です!! しかし、めっちゃ読みやすいのでストレスなく読めるわぁ。 (⌒∇⌒)
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