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第1487話 バーベキュー大会、アイス添え

 さて、サンセットしていく太陽を背にバーベキュー大会であるよ。


 コンロには炭火がカンカンにおこって、肉や魚、野菜なんかがジウジウ焼かれている。


 バカンスの最後なので、私がレモンスカッシュのコップを持って乾杯の音頭を取るのであるよ。


「ええ、楽しい時間もあっという間に過ぎていきます。聖女派閥の最初の大きなバカンス旅行でしたが、とても盛りあがり、一生の思い出が作れたと思います。また来年もこの島でバカンスがしたいと思います、では、来年までこの海を惜しんで、乾杯!」

「「「「乾杯!」」」」


 さてバーベキューが始まる。

 いやあ、お肉が美味しそうだなあ。


 パクパク。


 うん、美味い美味い。

 婆っちゃのお肉の残りかな。

 美味しい。


 湖の魚は、サワラかな、白身で淡泊で美味しいな。

 お魚も美味しいねえ。

 なんで醬油を使い切ってしまったのか。

 新しい収納袋が出来たから、樽で持ち歩くべきだな。

 うん。

 あと、ワサビだ。

 時間停止系袋だから適当に突っ込んどけばいつまでだって新鮮であろう。

 マグロでも突っ込んでおくかな。

 あ、寄生虫が怖いんだっけか。

 ぐぬぬ。


「シルビアさん、勢いで来年もこの島でバカンスとか言ってごめんね」

「いや、来年も来いよ、おまえら楽しいし、帰省は楽になるしな、全然かまわねえよ」

「来年もここでバカンスするぜ」


 カーチスが肉をもっしゃもっしゃ食べながら寄ってきた。

 こいつは、なんだかイカスアロハシャツみたいな涼しげなシャツを着ているな。


「来年はもっと計画立てようぜ、マコト、お前適当過ぎるぞ」

「そうかなあ、あちこち行けて良かったが」

「まあ、ザニア大陸まで行ったのは収穫だったけどなあ」

「光の使者と知り合えたぞ」

「彼奴らが戦っているのは闇の森の魔女で、大魔王じゃないんだよな」

「そうそう、それで、別に滅ぼす必要も無いみたい、悪に引かれる人間の自由もあるぞ、らしい。柔軟だよな」


 カロルがお魚をつつきながら話に入ってきた。


「主神が女神様なのは変わらないけど、各地によって教義は色々らしいわね、東洋の方でも違うみたいよ」

「色々とそういうのも知りたいよねえ」


「アイスができたぞ~~、並べ並べ~~」


 お、イチゴミルクアイスが出来たようだ。


 列に並んで木皿をシャーリーさんに貰う。

 アダベルが自分用にボールに山盛りアイスを盛り付けて、子供に批難されていた。

 まあ、労働奉仕してくれたから良いじゃん。

 配膳はカリーナさんがやっていた。


「マコトはどれくらい?」

「ちょっと多めかな」

「あいよう」


 ふふふ、結構沢山お皿に乗せてもらった。

 テーブルに戻って食べよう。


 と思ったら、欠食ドラゴンさんが、アイスを食べつつ焼肉を、焼き魚を食べていた。


「うわ、どっちかにしなさいよ」

「口に入れば一緒じゃー」


 まあ、アダベルが満足するまで食べると、その間にアイスが溶けそうだけどね。

 でも味が混ざって不味いだろうに。


「甘塩っぱくなって悪く無い」


 うへえ。


 バーベキューコンロの上には色々な物が乗ってジュウジュウ焼けている。

 子供達がとってきたのか、大ぶりのハマグリもあって、バタ焼きで美味しそうね。

 アイスを食べながら、目でハマグリを楽しむ。

 そして、アイスが終わったらパクパク食べる。


「ああ、花火がしたかったなあ」

「どうして、マコト?」

「夏の締めは花火なのよ」

「でっかいの、小さいの?」

「出来るなら両方」

「そう、来年は作っておくわ」

「おお、カロル作れるの!!」

「火薬は錬金術師のテリトリーよ、私も何回か作った事があるわ」


 おー、錬金術師すげー。


「小さいのは?」

「カロルは手持ちの花火とか作れる?」

「あまり見た事無いわね」

「火薬を紙の筒に入れて、火を付けるとシャーッと光るのよ」

「火薬は破裂……、包んでおかないと破裂はしないか、でも、やった事無いわね」


 カロルは岩の近くに行って、収納袋から何か出した。


「カーチス、火を付けてみて」

「おう、なんだこれ?」

「火薬」


 カーチス兄ちゃんが『着火』の魔法を掛けると岩の上の火薬はシャーといって光って消えた。

 おお、なんかそれっぽく出来そうね。


「紙の筒に入れれば良いのかな」


 何かハサミと羊皮紙を出して工作しはじめたので、光球を打ち上げて手元を明るくしてあげた。


「あ、植物紙ノートを使って見て」

「あ、羊皮紙だと火が付きにくいわね」


 カロルは植物紙ノートのページを切って、火薬を置いて、くるくると巻いた。

 カーチスが火を付けると、シャーッと思ったより光って消えた。

 おお、花火っぽい。


「いいねいいね」

「わりと簡単ね、来年にいっぱい作っておくわ」

「わあ、嬉しいよ」


 花火造りで食べるのを中断していたが、また食事に戻りパクパクと食べる。

 護衛のディックさん、リックさん、メイドさんたち、甲蟲騎士の人達もみんな笑顔でバーベキューを楽しんでいた。


 今年は大人数でバカンスに来たけど、来年はもっと友だちが増えそうだな。

 ギュンターとかは来るかな、メリンダさんは来そうだな。

 ペペロンとグレーテはちゃんと時間を取ってくるべきだよな。


「楽しいバカンスだったわね」

「うん、また来年来よう」

「そうね、また来ましょう」


 ああ、バカンスが終わってしまうなあ。

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― 新着の感想 ―
楽しげな期間も終わっちゃって名残惜しいそう…
色々な花火の事も言っておいた方が良いな。これなら火薬があれば手持ち式や打ち上げ花火は出来る。あとはロケット花火やネズミ花火も出来るかな。ただ線香花火や蛇花火はどうなってるのかな?
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