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第1485話 バカンス最終日は海を堪能

 というわけで、最終日もコリンナちゃんとランニングですな。

 わっせわっせ。

 さすがに最終日になるとコリンナちゃんも慣れてきて、グラウンド三周ぐらいの距離を楽々走りきり、デッキチェアに倒れ込んでタオルケットを被って二度寝した。


「こいつは」

「疲れたんだー」

「まあ、良いわよ、グラウンド三周ぐらいの距離を走れるようになったのだから、二学期にはグラウンド五周できるでしょう」

「ぐえーぐえー」


 こいつは何というインドア運動嫌い女なのであろうか。


 皆で朝ご飯を食べる。

 今日は丸パンにハムエッグ、コンソメスープ、ミニサラダであった。

 マリオンさんのお料理はほっこりする味付けだけど彩りが綺麗よね。


「シルビア、今日は船出るのか」

「ああ、良いぜ、最終日は釣りか」

「釣り釣り」

「私たちはマリーテでお土産物を買いたいわ」

「おお、女子もそうするか。マコトは?」

「私は海だねえ、来年までの海成分を堪能しておかないと」

「そうか、がんばれ」


 アダベルに激励されてしまったな。


「剣術組は?」

「海だな、アイラとガラリアも海で遊ぼうぜ」

「私は釣りに付いていきます、ガラリアは遊んでらっしゃい」

「え、えええっ、海入るのー?」

「あんたは一度も水着に着替えて無いでしょ、せっかく買ったのに」

「ぐぬぬ」

「それは入らないとなあ」


 ガラリアさんは歩哨ばっかりしていて、海には入ってないのか、カーチス兄ちゃんでかしたぞ。

 日焼けもほとんどして無いしね、海で遊ばないと。


 お洒落組も王家主従も海遊びだな。

 さあ、水着に着替えて遊ぶぞ。


 焼けた砂浜をあちちと言いながら走って海に飛びこむ。

 やあ、海は良いねえ。

 ヒューイがやってきて一緒に泳ぐ。

 子供達を満載したヨットが湾を横切っていく。

 みんな操船が上手くなったなあ、キビキビと帆を張ったり、桁を回したりしているね。


 ガラリアさんがビキニを着ておずおずと海に入ってきた。

 中腰になってチャプチャプしている。

 老婆か!


 私は、通り際にガラリアさんをヒューイ上にひっぱりあげて、ザブザブと湾の中で騎獣を泳がせた。


「ひゃあ、ヒューイ号は早いですよ~」

「大丈夫大丈夫、平気平気」

《大丈夫だ》


 やっぱりヒューイに乗せて貰うのは楽しいね。


 砂浜ではお洒落組が砂のお城を建築中だな。

 意外に上手いなあ。

 子供達は丸ごと釣り船なので、アダベルにドロップキックで砂の城を崩される事も無い。

 あやつはすぐ悪さをするからね。


「海は、は、初めてで、ほ、ほんとにしょっぱいんですね」

「そうだよー、なんでも体験しないとだめだよー」


 ガラリアさんは虻の視界を沢山処理するから世界が解った気になるんだろうけど、それは前世のインターネット中毒と一緒で、体験に裏打ちされて無いんだよなあ。

 海に入ったのは良い体験だと思うよ。

 ガラリアさんも楽しそうで何よりであるね。

 せっかくのバカンスで、歩哨ばっかしていてはもったい無いし。


 などとガラリアさんとヒューイの上でいちゃいちゃしていたら、カロルがライ一郎に乗ってドーンと体当たりをしてきた。


「うおうっ」

「マコト、従魔海戦よ」


 そいつはカロルの従魔ちがいますがな。

 でもヒューイも自発的に、ライ一郎に体当たりして、避けられたり直撃したりで楽しく遊んだ。


 コリンナちゃんがサマードレス姿でヤギ次郎を連れて散歩をしていた。

 時々ヤギ次郎が立ち止まって草を食べるのを見ている。

 楽しいのか?


 ああ、海は楽しいなあ。

 

 午前中を遊び倒して、水着の上にパーカーを着てお昼ご飯だ。


 今日はマリーテあたりで食べられる丸い焼きパンみたいな物に、分厚いハムとチーズを挟んで焼いたものであった。

 ホカホカでうめい。


 釣り船も戻って来て、子供達にもお昼ご飯だ。

 みんなでワイワイガヤガヤと食べると美味しいね。


「アダベル、釣れた?」

「まあまあだなあ、午後はトローリングで大物を狙うぜ」

「おお、がんばんなさいよ」


 子供女子組はマリーテ港で色々なペナントとか置物とかを買っていた。

 鈍水晶のお守りが流行っていたらしい。

 不思議な輝きの水晶だねえ。


「えへへ、良い事あるかなあ、ねえ、にゃーりん」

「に”ゃ”あ”あ”あ”」


 あいかわらずのダミ声夜光猫だな、にゃーりんは。


 午後の女子子供組は海遊び、釣り天狗衆はヨットでトローリングらしい。


 アダベルがお洒落組の砂の城にドロップキックをかましたが、あらかじめ障壁を張っていたので、バインと跳ね返されて転がった。


「なんだ!」

「人の作ってる物を壊すのは駄目よ」

「だ、駄目なのか、ぶっ壊すと気持ちいいのに」

「駄目ですわ」

「良く無い事ですわ」

「そうかー、ごめーん」


 アダベルがなんだかシューンとしてしまった。

 何と言うか悪さはするんだけど、注意すると解ってくれるのがアダベルの良い所だな。


 浜辺で男衆が木剣で試合をしておる。

 やっぱ、みんな結構強いな。

 オスカーが一番強くて、その次はカーチス兄ちゃんかな。

 バカンスが終わればオスカーの先祖伝来の名剣は魔剣として生まれ変わっているはずだ。

 王都大祭の鍛冶コンテストに出すとか言ってたな。

 そういや、絵画コンテストに出したカロルの絵はどうなったかな、巨匠に一度会って聞いて見ないとな。

 

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― 新着の感想 ―
船をバックにバーンとなってる絵か。そのうち聖女マコトの蒼穹の覇者とか従魔達に今度作る船も描くんだろうな。
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