表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1487/1516

第1476話 久々にガドラガ大通りを行く

 驚いたことに駐機場に、私が作った障壁の屋根がまだ付いておった。

 もう砕けたかと思ったのだが、あったんだなあ。

 埃がいっぱい付いて半透明になっているが、健在であった。

 意外と時間経過は持つっぽいな。


 みんなでドヤドヤと地上へ下りた。

 雨が降っていないガドラガは初めてだが、埃っぽいね。


 ヒューイが貨物室から出て来て私の横に並んだ。

 よいせと背中に乗る。

 ついでにカロルを引っ張り上げた。


「よくヒューイで二人乗りで街を行ったわね」

「まあ、ちょっと前なんだけどね」


 マメちゃんが鞍の前で影から顔だけ出して前を見ていた。


「そいでは、午前中は各班適当にガドラガ観光を楽しんでください。お昼にマルコアス修道院へ行ってランチ、迷宮に入りたい人達は午後にね」

「「「「はーい」」」」


 今回は子供も多いので一緒に歩こう。

 子供達がヒューイに乗せて乗せてというので、私は下りて手綱を引いた。

 カロルも下りてきて横に並んで歩く。


「まずは冒険者ギルドで様子を見る?」

「そうね、その後はオルブライト商会の支店を見るわ」

「教会行こうよ、キルギスくんに会いたい」

「あいつはどこに居るんだろうなあ、姉ちゃんのローゼは冒険者ギルドだろうけど」


 まあ、オルブライト商会を見たあとに教会で良いか。

 最初は団子になっていた聖女派閥であるが、お洒落組がお土産物屋に引っかかり、剣術組が武器屋に入ってだんだんとばらけて行くな。


「僕らはちょっと役所を見てくるよ」

「ああ、そうだね、監査してきなさいよ」

「王都から凄腕の官吏を連れてきたから、それほどの事はなかろうがな」


 ケビン王子とジェラルド、あとコリンナちゃんは役所に向かった。

 抜き打ち監査は怖いだろうなあ。


 ガドラガ大通りを迷宮前まで歩いて、冒険者ギルドへと向かう。

 お天気のガドラガは新鮮で良いな。

 あと、標高が高いので結構涼しい。


「ガドラガは懐かしいですっ」

「ガウガウ」

「メーメー」

「シャーシャー」


 コリンヌカルテット誕生の地だからなあ。


 ギルドに入ると、もう朝のラッシュ時間は過ぎたのか、結構空いていた。


「お、おおおおおおお!!」

「おおお、聖女さんっ!!」


 ギルマスとジャンが一斉に反応した。


「こんにちは、バカンスの途中で寄ってみたよ、調子はどう?」

「いやいやあ、何ら問題は無いなあ」

「良い感じで山は動いているぜ、仮橋も出来て歩荷も少なくなったよ」

「あ、もう仮橋出来たの?」

「ああ、教会の建築部が突貫工事で仮橋を組んでくれたよ、馬車での輸送が楽になって物価が下がったさ」

「それはよかったわ」


 あとで仮橋を見に行こうか。


「そういや、五本指は?」

「あいつらは迷宮だ、夕方帰ってくんぜ」

「そうかー、残念だなあー」


 そういや影犬のラインたぐれば通信できるか?

 今、連中は……、おお、地下十五階赤道を下りてるな。


《ワオンッ》

(ペス、久しぶりー)

(うお、聖女さん、どうしたガドラガか?)


 ペスへの通話にクヌートが乗ってきた。


(バカンスの観光で寄ったわさ、変わり無い?)

(問題無いぜ、毎日楽しいよ、今日は泊まりか?)

(夕方には帰るよ)

(そいじゃ、早めに上がるから、ギルドで会おうぜ)

(そうしようか)


 せっかくだから顔も見たいしね。


「夕方までに上がるって」

「念話って便利よね、私もミリヤムさんのラーニング状況を知りたいわ」

「そうだねえ」

「ガドラガ支店からミリヤムさん産の素材は結構運ばれて来て、大商いになってるのよ」

「それはそうだろうねえ」


 希少な魔物産の素材をバカスカ産めるミリヤムさんは貴重だよなあ。

 青魔導師の恐ろしさよ。


「餓鬼どもジュース飲んでくか」

「くれいくれい」

「くださいください」


 子供達が沢山冒険者ギルドのテーブルに着いている光景はなかなかレアだな。

 まあ、ジュースはぬるくて不味いと散々な評判でアダベルがブレスで冷やしたりしてた。

 酒場のおっちゃんの厚意なんだからよう。

 といっても子供達は残酷な物なのだ。


 馬繋ぎ柵からヒューイの手綱を取って、また街をゆく。

 晴れているから大通りの真ん中を歩けていいなあ。

 雨の時はアーケードを伝うしかなくてなあ。


 オルブライト商会のガドラガ支店はなかなか繁盛していた。


「あ、これはお嬢様、いらっしゃいませ」

「バカンスの途中で寄りましたよ、お店の調子はどうですか」

「良い感じですね、売り上げが上がっています」


 商店にはひっきりなしに冒険者が訪れ、ポーションや毒消しを買っていた。

 そりゃ、品質のオルブライト商会製だからなあ。


「良さそうね、がんばってね」

「はい、お嬢様が実習にくる来年までに規模を倍にしておきたいと思っています」

「そうね、不可能じゃないわ、頑張って」

「はい!」


 さすがうちの嫁は凄腕社長だぜ。


 そろそろガドラガに聖女現るの報が伝わったのか、野次馬が増えて来たな。

 まあ、ヒューイとコリンヌカルテットが目立つからね。


 路地を曲がって、皆でガドラガ教会を目指す。

 というか、パットミル博士とか捕虜の魔族はまだいるよな。

 虐殺とかしてないはずだし。

 あいつらも面倒臭いなあ。

 そろそろ魔王国国境まで運んでうっちゃるかな。

 うん。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
博士まだ居た!(複数の読者が忘れ去るレベル)
捕虜(?)も管理コストかかりますから。 尖兵にされた少数魔族とはいえ、聖女陣営の、特にマコトちゃんとの戦闘情報を持ったまま野に放つのも問題ありそうですなぁ。 情報漏らさないようにギアスかける? 魔封…
要らなくなったからと生き物を捨ててはいけません! でも魔族にマッドサイエンティストどうしようかねえ。飼って何かの研究とかさせるくらいか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ