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第1472話 マリーテ散歩してヤクシム島に戻る

 マリーテにはバカンス中、何回か来ているので結構慣れたな。

 地中海の風が吹くナイス港湾街だね。

 カロルと一緒にヒューイに乗って市場に向けてシタシタと歩かせる。

 コリンヌさんがライ一郎に乗ってとても目立つが、まあ仕方が無かろう。

 ヤギ次郎には孤児院のちびっ子が乗っている。

 ヘビ三郎はヒューイの首に巻き付いて飾りみたいになっているな。


「ちと、ユムシの補給をしておくよ」

「おお、すぐなくなるからな」

「ヤクシム島で獲った奴じゃ無いの?」

「島にも居るけど、釣りしてると無くなっちゃうからな、マリーテの釣具屋で補充するんだ」

「そうか」


 なんだか気持ちが悪いユムシだが、他となるともっとキモイ、ゴカイとかになるから仕方が無いな。

 釣り天狗共が釣具屋へと吸い込まれていった。

 見ると釣り竿とかリールとかが置いてあるね。

 リールはドラム式ばっかりで、前世のスピニング型のリールは無いみたいだ。

 発明したら売れそうだと思ったが、釣りの趣味が無いので仕組みが解らない。

 なんでも知識チートは出来ないな。

 覚えている物だけだ。


 ヒューイをシタシタと歩かせて市場の中に入る。

 ここは結構大きい市場で、鮮魚、青果、穀物、酪農品まで揃えてあるね。


「おっちゃんスイカだスイカ」

「こりゃ守護竜さま、今度はちゃんと割れたかい?」

「ザニアの小さいスイカは割れた! 今度はマリーテのでっかいスイカだっ!」

「そうかいそうかい、選んで持っていきなよ」

「解った」


 アダベルが真面目な顔で大きなスイカを観察して選んでいた。

 なんだか常連になっているなあ。


「ここに寄港するとスイカを買ってたので、お得意様になったぞ」

「いつもすいません」

「いやいや、守護竜さまにご贔屓にされて嬉しいですよ、お嬢さん」


 八百屋さんはジェントルマンだなあ。

 ヒューイから下りて、美味しそうな果物を色々と買った。

 アップルトン南部だからあまり見ない果物もあるね。


「早生の林檎があるわね、すっぱいかな」

「こいつはなかなか甘いよ、ちょっと食べてみな」


 カロルの言葉に八百屋のおじさんがナイフで林檎を切ってくれた。

 どれどれ。

 私も一切れ貰って食べた。

 お、ちょっと酸っぱいけど、結構甘いな。

 悪く無いね。


「これ一袋ください」

「あいよう」


 余った林檎はヒューイがボリボリと食べた。


《すっぱい》


 林檎を貰って収納袋に入れた。


「おお、収納袋か、良いねえ」

「バカンスの前半にオルゲートで素材狩りして、作ったんだよ」

「そりゃいいねえ、さすがは魔法学園の生徒さんだ」


 おっちゃんに褒められて少し嬉しくなった。

 洋梨も買ってあげよう。

 味はラ・フランス互換なんだぜ。


 初夏なので、わりと果実は充実しているね。

 オレンジジュースもペール缶で買って収納する。


「おお、シャーベットにするか」

「じゃあ、檸檬ジュースも買いましょう」

「甘酸っぱいのか、良いな!」


 檸檬ジュースも買い付けた。

 炭酸系は瓶に小分けなので途中で買って飲みながら歩く。

 ああ、酸っぱくて美味しいね。

 瓶系は飲み終わったらスタンドに返すと銅貨にしてくれる。

 子供の頃は瓶拾いでお小遣いを稼いだなあ。


 釣具店から出て来た釣り天狗組と合流。

 ユムシも大量に手に入ったようだ。

 いや、見せなくていい。


 釣り天狗組に女子はティルダ王女だけである。

 彼女も船の上ではくるくる動き、くるくると釣りをしていたな。

 彼女もトール王子も日に焼けて真っ黒だね。

 良い事だ。


 さて、ヨットに戻り、出港である。

 上手に回頭して、風を間切って進んで行く。

 風上に斜めに動いて行けるんだよね。

 帆船すげえ。


 途中、アジスポット、サバスポット、イワシスポットに入り、釣りまくった。

 イワシは小さいけど沢山取れて嬉しいね。

 ドリン君が海竜に戻り、海にドブンと入って、大きなマグロを捕まえてきた。

 すげえ、大きいなあ。

 これは食いでがありそうだ。

 わあ、お刺身とかお寿司とかしてえ。

 お醤油がねえ~~。

 買っておけば良かったな。

 マリーテには売ってないんだよな、王都まで戻らないと。

 どでかいマグロをドカンとヨットにのせて、一路ヤクシム島へ。


 ライ一郎がマグロの端っこをガジガジと噛んでいた。

 やめなさい。


 ヨットは湾に入り、ドリン君が曳航して浜辺に上げた。

 子供達が海に入って浜辺に押し上げる。


 浜辺にはメイドさんが待ち構えていて、漁獲してきた魚を分捕って厨房テントへと運んで行った。

 マグロもダルシーが重力を操り、肩に乗せて運んで行った。


「すごいマグロですねえ、晩餐はマグロカツですね」

「活きが良いからお刺身……」

「あれは調理免許を得た職人さんがバラしませんと、海魚は寄生虫が怖いですから、煮炊き揚げ物ですよ」

「うぐぐ」


 ああ、蓬莱へ行きたいぜ。


 とりあえず、昼ご飯である。

 釣りたてのアジをフライにして、アジフライ昼食である。

 あと、サバスープと海藻サラダ、あと白パンだ。


 海遊びしていたみんなもやってきて、昼ご飯だ。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 パクリ。

 もぐもぐ。

 うん、釣りたてのアジフライ、美味い。

 タルタルソースも良い味わいだな。

 美味い美味い。

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― 新着の感想 ―
アダベルちゃんのブレスとマコトちゃんのサーチで寄生虫なんとかできそうな気もするなぁ。 あと聖剣でマグロ解体ショーとかしろうだなぁ。
魔法で凍らせて寄生虫死滅させよう しぶといやつもいるんかな
障壁で寄生虫を通さないようにして魚を透過すれば食べれそうです
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