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第1471話 今日は一日海の日

 今日も今日とてコリンナちゃんを追いかけてランニングである。

 といっても、さすがの奴も砂浜を走るコツを掴んできて、普通に終了した。

 偉い偉い。


 厨房テントで朝ご飯を貰って食べる。

 朝なのにもう太ももを炙る日光が強いね。


「コリンナちゃんも焼けたねえ」

「マコトも真っ黒だ」

「カロルも焼けたね」


 執行部三人衆は日焼けして真っ黒でござる。

 子供達もみんな焼けてるなあ。

 時々、夜に日焼けで泣いてる子がいて、カロルと私で治療して回ったのも良い思い出だな。


「マコト、今日は釣りに行こうぜ」

「ヨットで釣りかあ、まあ、良いかも」

「みんなヨットに慣れて動かせるようになったから乗せてやるよう」

「おお、そうなんだ、それはすごい」


 釣り天狗組も進化しているのだなあ。


「私は浜に居るわ」


 コリンナちゃんは王家主従と遊ぶっぽいな。


「私も釣りに行こうかしら」

「カロルも来い来い」

「私も私も」

「えー、コリンヌはなあ、ライイチローが邪魔だしなあ」

「ええー、いいじゃないのう」


 まあ、それを言うと、私が行くとヒューイも一緒なのだが。


《当然だ》


 まあ、朝から釣りという事になった。

 釣りヨットに乗るのは初めてだな。


「スケジュールはどうなってんの?」

「そんなものはない、海猫のあばれている海域に行き釣り針を垂らす、すると魚がわっさわっさ釣れる、以上だ」


 シルビアさんの航路説明が男らしいな。


「まあ、マリーテに向けて帆走して、お昼に一度帰ってくる感じだ」

「うん、楽しそうね」


 食器を厨房テントに返して、ヨットに乗り込む。

 剣術組も今日は海遊びっぽいね。


 子供達とドリンくんがよいせえとヨットを押した。


「手伝う?」

「いや、乗ってろ乗ってろ、飛び乗るのが難しいんだ」


 ヨットが海に出ると、子供達がポンポンとヨットに飛び乗ってきた、最後にシルビアさんとドリン君が乗り込む。

 シルビアさんが船尾の舵輪に取り付き、子供達が帆を上げた。

 風をはらんで帆がぱんぱんになり、速度があがり、ヨットは海の上を滑って行く。


「ああ、ヨット、良いねえ」

「みんな凄く上手くなってるね」

「そうだろうそうだろう、えへへへ」


 褒められてアダベルが照れた。


 ヨットの上はそんなに広くないので、ライ一郎とヤギ次郎とヒューイが邪魔だ。

 ヘビ三郎は帆柱に巻き付いて飾りのようになっているので邪魔にはならない。


 ライ一郎は私の肘置きみたいな感じになりたがるのだが、夏はお前は暑い。

 ヤギ次郎も暑い。

 ヒューイは鱗なのでまあまあ。

 マメちゃんは暑い。


「釣りをするんだから離れろおまえら」

「がうがう」

「めえめえ」

「わんわん」

《くそう》


 従魔どもは残念そうだが、暑いんじゃおまえら。


 しかしヨットは快速で気分が良いね。

 もう湾を出る所だな。

 砂浜と蒼穹の覇者号が遙かに遠い。


 子供達がくるくる働いて、帆の角度を変えたりしながらヨットは海原を進む。

 風の力だけで進む帆船とは偉い物だなあ。


「お、海猫だ、魚がいるぞ」

「おお、全員釣り竿準備」


 お、おお、魚釣りか、私の釣り具はどれ?

 と、まよっているとトール王子がちゃっちゃと揃えて渡してくれた。


「あ、ありがとう」

「いえいえ、餌はユムシね」

「うは、なんだこれ」


 なんかぬたぬたした細長いキモイ物が餌っぽい。

 うごめく奴をちぎって釣り針に着けた。


 ヨットを動かしている子供以外は釣り竿を持って船舷から糸を垂らす。


「おほ、釣れた釣れた」

「おお、でかいなオヤビン」


 私も海に糸を垂らした。

 お、おおおっ!

 なんだか竿が引き込まれて暴れるぞ、これ。

 原始的なドラムリールを回して糸を巻き上げる。

 おお、銀色の魚が釣れた、ピチピチしてやがる。


「鰺だ、結構大きいな」

「わ、私も掛かったわ」


 カロルの竿にも大きな鰺が掛かった。


《美味そう》

「しょうがないなあ」


 私は釣った鰺から針を外してヒューイの口に放り込んだ。

 奴はもしゃもしゃ咀嚼して飲み込んだ。


《美味い》

「わんわん」


 マメちゃんも欲しいか、まってろ、今釣るよ。


 竿を入れるとすぐ鰺が食い付く。

 入れ食いだねえ。

 釣れた魚をマメちゃんにあげる。

 コリンヌさんも鰺を釣ってはライ一郎とか、ヘビ三郎に与えていた。


 すごいフィーバーみたいな時間が過ぎると、ぱたりと釣れなくなった。

 魚が居なくなったっぽい。


「よし、移動だ」


 そうか、こうやって釣れる場所を探して移動していくのか。

 魚が捕れるとなかなか楽しいね。


 サバスポットと、またアジスポットを経由したあと、ヨットはマリーテ港に入港した。


「スイカを買ってくる」

「昨日たたき割ったでしょ」

「だめだ、ザニアの小さいスイカではものたりんのだっ」

「甘くて美味しかったけどね」


 ザニアのスイカは小玉スイカぐらいで、実が黄色かった。

 マリーテで売ってるのは大型で実が赤いのだ。


 私たち用の第三桟橋にヨットを着けた。

 とりあえず開けておくと言ったからヨットで来てもいいんだよね。


「市場に行って果物とか見ましょうか」

「そうね」

「あ、メイドさんから牛乳買ってきてと言われましたね」

「そうなんだ」


 みんな牛乳はよく飲むからなあ。

 買って収納袋に入れておこう。


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― 新着の感想 ―
マメちゃんワイルドw 小さくてもさすが魔獣w
ユムシはまあイソメとかよりはマシかな。しかしマメは生魚バリバリ食っても骨とかは平気なのかな?
トール王子、ご立派になられて( ;∀;) ユムシを検索したら英語名がアレでしたな。 食用にする地域もあるそうで。
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