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第1453話 朝が来てちびっ子たちは修道院見学へと向かう

 朝が来たー。

 しんみりとした昨晩だが、コリンナちゃんを走り込みで追い込むのは変わらないぜ。

 とはいえ、コリンナちゃんもそろそろ慣れて来たのか良い感じに走っているな。

 マリリンは一人で島一周コース、剣術組は号令を掛けながら先に行ってしまった。

 私とカロルとコリンナちゃんは、従魔達を引きつれてわっせわっせと波打ち際を走るのである。

 やあ、今日も良く晴れているねえ。


 本日のコリンナちゃんは最後までへばらなかったが、ゴールした瞬間にデッキチェアに倒れ込みタオルケットを纏って二度寝体勢に入った。


「飯を食え飯を」

「一休みさせろ~」


 しょうが無いなあ。

 てことで、カロルと一緒に厨房テントに並んで朝ご飯プレートを貰った。

 今日はスクランブルエッグ、ソーセージ、丸パントーストであった。


 アダベルが照れくさそうな顔でやってきた。


「昨日はごめんなあ、にはは」

「まあ、そういう事もあるよ」

「たまには良いわよ」

「うん、ありがとう、今日の修道院行きは私も行ってどんな所か検討する」

「そうね、お友達が行くかもしれない場所だから検討しましょうよ」

「うん、クッキーは出ないんだな」

「無いわね」


 クッキーが名産だったり、ワインが名産だったりする修道院は珍しいのである。

 大体の修道院は静かな生活を送る場所だ。


 海を見ながらテーブルで朝ご飯を食べた。

 コリンナちゃんもやってきて食べていた。


 イザラス山洞に行くメンバーと、ベルトゥ女子修道院を見学に行く子供達が蒼穹の覇者号に乗り込んだ。

 子供にはトール王子や村の三馬鹿の男子もいるが、まあ子供だから問題はあるまい。

 庭師にお爺ちゃんとかも居たしな。


 エルマーが蒼穹の覇者号の操縦をしたがったが、イザラス山洞に行くので私が操縦した。

 あと、シルビアさんとドリンも山洞へ参加である。


 浜辺に残ったのは、王家主従とコリンナちゃん、お洒落組であるな。

 コリンヌさんは修道院見学組だ。


 エバンズが温水パイプを外してテイクオフである。

 ちなみに学者さん達は今日もエンジンルームだ、飽きないのかねえ?


 ツイッと飛んでマリーテを飛び越してイザラス山洞の門前村の広場に蒼穹の覇者号を降ろした。


「んじゃ、行ってくるぜ」

「今日はちゃんと案内人雇いなよ」

「解った解った」


 剣術部は戦闘力は高いが、斥候力とか、迷宮謎解き力とかが足りないと思われるな。

 がんばって光魔石を狩って儲けて頂きたい物だ。


 また三時に迎えに来ると約束して離陸した。


「あの山の上の建物が修道院か」

「すごい崖の上にあるねー」

「どうやって下界と行き来するのー?」

「反対側に道があるのよ」

「「「「なーんだー」」」」


 まあ、籠で行き来する断崖絶壁の上の修道院とか教会とかは存在するけど、ここはそんなでも無いね。

 とはいえ、山の上なので下界よりは不便だし、生活も大変そうだよなあ。


 蒼穹の覇者号を修道院の中庭に降ろすと尼さん達が院から走り出てきた。


 子供を連れて船からぞろぞろと下りる。


「まーまーいらっしゃいませ聖女様、お早いお帰りで嬉しゅうございますわ」

「孤児院の子供たちに修道院を見学させたくて、またやってきましたよ。男の子も居るんですか大丈夫でしょうか?」

「ええ、ベルトゥ女子修道院は男子禁制ですが、成人男子の事で、未成年と老人は除外しておりますのよ。いらっしゃいベルトゥ女子修道院に」

「「「「こんにちは~~」」」」

「皆さんは王都の大神殿の孤児院のお子さんなのね、良く来てくれましたね」

「私は王都の守護竜だ、あと、トール王子とティルダ王女もいるぞ」

「まあまあ、名高い王都の守護竜アダベルさまね、お目にかかれて嬉しいわ。トール王子さまも、ティルダ王女さまもいらっしゃいませ、サイズ王国のお子様たちね」


 お、院長先生、意外に事情通だな。

 山奥なのになかなかやるな。


「所で修道院とはなんだ?」

「おほほ、修道院とは、世俗から離れて静かな信仰に満ちた生活をする所ですのよ。ベルトゥ女子修道院には五十人の修道女がいて共同生活を送っていますのよ」

「クッキーは作って無いのか?」

「おほほ、うちの修道院ではあまり作っていませんわ、お祭りの日にお菓子を焼くぐらいですの」

「お祭りの日にくれば良いんだな」

「ええ、今だと秋の収穫祭かしら。どうぞいらっしゃってくださいね、守護竜さま」

「アダちゃん食べる事ばっかり」

「だめだよ~」

「そうか、すまんすまん」


 院長先生の案内で子供達は修道院の中を案内してもらった。

 宿坊とか、食堂とか、礼拝場とか、落ち着いて清潔静謐な場所なんだよなあ。

 尼さんたちも子供が珍しいのか、ニコニコして受け答えをしていた。

 あまり若い尼さんはいなくて、どの人も中年ぐらいだね。


「若い人は居ないんですね」

「ええ、若い人は教区教会などで汗を流してもらって、修道院に来るのは大分後ですわね」


 老後施設な面もあるみたいだね。

 クッキーを生産していたマルコアス修道院には若い尼さんも結構いるのにね。

 こっちの修道院は農作業とか軽作業ばかりだからかもしれないね。

 孤児が卒院後に入るとなると、別の系統の修道院かもしれないな。


 とはいえ、孤児達は自分達が働くかもしれない場所となると興味が湧くみたいで、目をキラキラさせて色々質問を重ねていた。

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― 新着の感想 ―
アダベルにはあまり合わないタイプだな。肉が無さそうだし
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