表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1453/1512

第1443話 学生会館で寝てしまおう

 チーズをたらふく食べて満腹になって蒼穹の覇者号へ戻った。

 レストランにチーズサンドを六つ作って貰ったので飛空艇研究部の先生方とエバンズに渡した。


「おお、助かります」

「ありがたい」

「ちゃんと食べて下さいよ」

「「「「はい」」」」


 まあこういうマニアな人達は手元に食糧があれば食べるから良いか。


 心配だった総本山系の刺客も来ないようだし、さっさと魔導都市に行って学生会館で寝てしまおう。


 カロルの操縦でヘリザウから魔導都市へと飛行した。

 お爺ちゃん先生を連れて、全員で学生会館へ行ってチェックインである。

 私たちは四人部屋で、カロル、コリンナちゃん、コリンヌさん、である。

 まあ、ライ一郎とヤギ次郎、ヘビ三郎が付くのだが。

 ヒューイは馬屋で一泊である。


 学生会館は豪華ではないけど、ちゃんと清潔な室内で、なかなか居心地が良い。

 お風呂も小さいのが付いてるね。


「マコトから入りなさいよ」

「分かった、カロル一緒に入らない」

「一人用のお風呂に二人は入れないわ」


 ちえっ、せませまバスタブでイチャイチャしながら入るのが醍醐味なんじゃん。

 とは思ったが言葉にするとなんなので黙って入浴をした。


 あわあわ風呂にして、身体を洗ったあと、お湯をすててシャワーを浴びて石鹸成分を落とすという、まあ、なんか非合理な西洋浴室なのだが、たまには良いね。


 ダルシーが風呂上がりの私をいろいろとお世話してくれた。

 清潔なベッドに潜り込み、だらーんとしていたら、知らない間に寝ていた。


 目をさましたら、ちょっと寒い部屋で、窓を開けると山肌に雲が走っていた。

 暖房のスイッチを入れると、温風がでて暖かい。

 夏だってのに、高山は気温が凄いな。


「おはよう、マコト」

「おはようカロル」


 コリンナちゃんも起きているが、目をすがめてベッドでごろごろしておる。

 ランニングに追い立てられないのが残念だな。


「ちょっと寒いのでライ一郎が助かる」

「あ、本当だ、ホカホカ」

「浜辺だと蹴り飛ばしたくなるほど暑苦しいけど、高山だと良いね」


 服を着替えて、食堂に行く。

 みんな起きてきて、一斉に朝ご飯であるよ。


 チーズとパンと目玉焼き、ハムだな。

 飲み物はコーヒーだ。

 味はまあ、無難である。


「もう海辺に戻れるかな?」

「どうだろう、エイダさん、嵐の方はどうですか」

【南海方面のハリケーンは本土に上陸後熱帯性低気圧に変わりました、現在ヤクシム島の天気は快晴です】

「うん、戻れるっぽいね」

「よし、帰って釣りをしよう」

「俺らは近場のダンジョンで下ろしてもらって、夕方に迎えに来てくれ」

「まあ、いいよん」


 さて、バカンス再開だ。


 で、飛空艇に行くと、マニア先生たちが土下座をしていた。


「なにとぞなにとぞ、あと一日研究を」


 私は知っている、この手の先生はどんどん時間を延ばして、延々と研究すると。


「私たち、あと一週間ぐらい、南洋でバカンスなんですが、一緒に行きますか?」

「い、いいのかい?」

「邪魔ですが、まあ、研究者の人の気持ちは解りますので」


 まあ、船の三等船室に泊まってもらえば良いだろう、だいたいはエンジンルームに居るだろうしね。


 飛空艇マニアの先生方に感謝されて、彼らも付いて来る事となった。


「マコトは研究者さんたちに甘いわよね」

「お養父様とうさまを思いだしていかんのよ」


 私たちは船に乗り込んだ。

 今日の操縦者は私だ。


「さて、ヤクシム島に帰りましょう。近所の迷宮はどこ?」

「マリーテの東側のトーセン洞だな。そこそこ手強いらしい」

「分かったわ」


 マップ画面にトーセン洞までのルートを表示して私たちは空に舞い上がった。

 マニア先生方はエンジンルームで研究してるね。


 蒼穹の覇者号は高高度まで上がり、雲海の中を飛行する。

 やっぱり飛行手段があると足が伸びて良いね。

 魔導都市観光が出来るとは思わなかった。

 あと、一回、バカンスで遠出が出来そうだね。

 偽アフリカに行くか、カタロニアに行くか、目的地を考えておこう。


 飛行は順調にいき、トーセン洞の門前街の広場で剣術組とエルマーを下ろした。


「がんばってきなさいよ」

「おうよ」

「行ってくる……」


 さてさて、タラップを収納して、再び蒼穹の覇者号を空に舞い上がらせる。

 ここからヤクシム島は近いので普通に飛んでいく。

 というか、さすがに海の近くは暑いね。


 ヤクシム島に着陸した。

 特に嵐の影響は見えなかった。

 普通にテントが残っているな。

 椰子の木が二三本折れていて転がっているけどな。


 さすがに障壁は風に強いっぽい。


 自分達のテントに入り、風を入れて空気を入れ換えた。

 さて、水着に着替えて海遊びするかな。


 エバンズが船からパイプを接続して、温水シャワーや水道を復旧させた。

 飛空艇マニアの先生がたも興味深そうに見ているね。

 つうか、先生方は服装が夏向きじゃないので倒れるぞ。


「涼しい服を持って来てないんですか」

「いや、こんなに温度の差があるとは……」

「魔導都市は涼しいからねえ」


 あの街は涼しいんじゃなくて肌寒いんだよ。

よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
冬場のもふもふライ一郎
世俗に疎いというか、浮世離れして(引きこもって)研究三昧だったというべきか
そういや剣術組とかと一緒にコリンナも下ろして弓の修行させてもいいのにな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ