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第1431話 晩ご飯はカレーライス

 なんだか厨房テントから凄く懐かしい感じの匂いがしてきた。

 なんだなんだ、なんだ、そのカレーの匂いの料理はなんだー!


「そのシチューは何!!」


 鍋をかき回していたアンヌさんがにっこり笑った。


「ツバメ食堂のカマラさんが届けてくれたスパイスセットで作ったビーフシチューです。なんだか、ライスを炊いて一緒に食べると美味しいって聞きましたよ」


 カマラさんGJ!!

 まさか異世界の浜辺でカレーライスが食べられるとは思わなかったよ。

 そして、受け取ってくれてありがとうアンヌさん!!


「私の大好物なの! やったわ」

「それはようございました、もう少しだから待って下さいね」


 ふおー、スパイスの組み合わせでカレー作っちゃうとは、カマラさんはすげえなあああ。

 レシピを貰ってひよこ堂でカレーパンを作っても良いね。


「おいしそうな匂いだ」

「何の料理?」

「カレーライス」

「かれーらいす? なんだか強そうな響きだわ」


 まあ、強いけどなカロル、がはは。

 いかん、昭和なおっちゃんが降りて来た感じがする。

 自重自重。


 ライスが炊けて、メイドさんが配膳を始めた。

 私は一番に並んでアンヌさんに目で笑われた。


 というか、おお、福神漬けにらっきょうがあるじゃないですか、どうしたのこれ?


「カマラさんが付け合わせにと持って来てくれました。ピクルスらしいです」

「わあ、完璧だあ」


 アンヌさんが鉄製のシチュー皿にライスとカレーをよそってくれた。

 私は福神漬けとらっきょうをスプーンでその上にのっけた。

 メニューは、カレーとサラダであった。

 ダルシーがお茶のカップをトレイに乗せてくれる。


 うっは、良い匂いだなあ。

 美味しそう美味しそう。


 いかん一番に取るとテーブルで長時間待たねばならない。

 せっかくのカレーが冷める。

 よし、二杯目はこの失敗をしないようにしよう。


「いただきます」

「「「「「日々の粮を女神に感謝します」」」」」


 ようやくみんなの元にカレーが渡ったので、急いでご挨拶をして食べる!

 パクリ。

 美味いっ!

 辛い!

 カレーだ!


「ぎゃっはっは、カレー辛れーっ!」

「うっは、水、水、でも後引く~~!」

「好きな味みょんなあ!」


 概ねみんなにも好評のようだ。

 カロルも一口食べて、Ohという感じに目を丸くしていた。

 よしよし。

 美味い美味い。

 コリンナちゃんも辛そうにしてるけど、スプーンは止まらないな。


「辛い」

「らっきょうを食べながらたべれ」


 私が沢山積んできたらっきょうを三粒コリンナちゃんに分けてあげた。


「おお、シャリシャリ甘酸っぱい、カレーに合う」

「私も私も」

「しょうがないなあ」


 カロルにも二粒渡した。

 あんまり渡すと私のらっきょうがなくなるからしかたがないのだ。


「辛いけど、美味しいですねえ、元気が出る感じの食べ物ですよう」

「カレーはんまいんだ」


 ぱくぱくぱくとカレーを食べる。

 ああ、夏の夕暮れはカレーだぜ。

 サラダも美味しいなあ。


 ビーフも良い感じにゴロゴロ入っていて、ホルボス山の野菜もゴロゴロしてる。

 食べ応えがあって、しかもご飯はジャポニカ系と、カマラさん解ってるなあという布陣だ。


「これ、うめえな、癖になる感じだ」

「辛い……、だが、美味い……」

「不思議な味だねジェラルド」

「ツバメ食堂は不思議な食べ物を開発しますからな。これもそのうち店でたべられるのでしょう」


 ツバメ食堂のメニューに加わったら週三で通うなあ。

 ああ、でも最近ツバメ食堂は混み混みだからな。

 ああ、カツカレーを食いてええええっ。


 という感じでカレーの一杯目が終わったのでおかわりに立つ。


「ご飯はほどほど、ルー多めでね」

「はい、こんな感じですか?」


 アンヌさんがナイスバランスで盛ってルーを掛けてくれた。

 お腹はわりとくちいが、カレーは別腹じゃ。


 らっきょうと福神漬けをかけてと。

 足下では、マメちゃんがダルシーに煮こごりを出されてワシワシたべていた。


「マコトにしてはよく食べるわね」

「カレー大好きなんだ」


 ああ、カレー、わりとジャパンに近いとろりとした感じ。

 カマラさんの再現能力凄いわ。


 子供達もカレーが好きなようだな。

 うんうん。


 ああ、美味しかった。

 完食である。


 アダベルとエルマーが屋台テントに入り、アイスを作り始めた。

 そうか、今日はアイスもあるのか。

 やったぜ。


 アイスが出来上がり、デザートとしてみんなで食べた。

 カレーでほてった口をアイスが優しく冷やしてくれるね。


「んじゃ、これディマーと食べなさい」

「食べなさい……」


 おばちゃんみたいな事をアダベルとエルマーは言って、缶に入ったアイスをペペロンとグレーテ王女に渡した。


「いろいろありがとうー」

「楽しいバカンスでしたわ、これからアップルトン王都でナージャを拾って帝国へ帰りますわ」

「収納袋は秋頃までに用意しておくから、また次の時にね」

「はい、たのしみにしております」

「んじゃあねえ」


 ペペロンが竜体になり、グレーテを乗せて影空間へと消えていった。

 ディーマーによろしくねえ。


 デッキチェアに横たわり、お茶を飲みながら波を見てまったりする。

 良いバカンスだなあ。


 んで、希望者で蒼穹の覇者号に乗り温泉行きである。

 夕暮れの光の中、温泉施設へと飛び、駐機場に蒼穹の覇者号を置いて、ひとっ風呂浴びるのである。


 いやあ、さっぱりするなあ。


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― 新着の感想 ―
カレーの強さにみなひれ伏した!
華麗なる晩餐(誰がおいしいことを云えと
カレーって前にツバメ食堂で派閥の昼食で食べてなかった? みんな初めて食べるような感じだけど
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