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第1422話 ちょっくら迷宮に潜ってまいります

 美味しいランチを食べおわったので、冒険班はちょっとオルゲート迷宮に入って覗いてくる事にした。

 観光班は、ひきつづき三時まで街を観光だね。

 ウインドウショッピングとかしてなさい。


 『約束の大地へ』さんたちも集まったので、お互い自己紹介しながら、入場券を買って迷宮内に入る。

 私はヒューイに跨がって辺りを睥睨しているのだ。


《カブトムシのような変な匂いだ》


 たしかにスイカみたいなキュウリみたいな変な匂いがするな。

 樹木魔物の匂いかな。


 迷宮の中は照明施設が無く、暗いのでみなランタンを点け始めた。


『ライト』


 ピッカーと、みなさんの頭上に大型の光球を出し、あたりを照らした。


「おお、なんという明るさ」

「ランタン使わなくて良いのは助かりまさあね」


 ふふふ、私のライトは移動と連動して動いていく優れものなのだ。


 『約束の大地へ』さんを先導にして通路を歩いて行く。


 途中小さな食人樹が出て来たが、戦士の人が枝を掴んでえいやと遠くに投げ捨てた。


「あれはまだ育ってませんのでねえ」

「そうなんだ、あれで何号の素材が取れるの?」

「一号か、二号ですなあ、数千ドランクにしかなりませんや」

「なるほど」


 数万ドランクになる十号以上を採っているんだな。


 そうやって雑魚モンスターを蹴飛ばしたり投げ落としたりして、すたすたと地下五階ぐらいまで降りて来た。


「ここら辺から、八号から十号のエリアでさあ」

「十五号は?」

「あと三階下りるぐらいですな、どうしますか?」


 私はカーチス兄ちゃんと顔を見あわせた。


「聖剣もあるから三階下りる?」

「そうだな、怪我してもマコトがいるしな」

「凄い僧侶がいるパーティは潜りやすくて良いんですよな。まあ、アリエルみたいな奴でもありがたいですからな」

「うっせーぞ、トーラ」


 そのまま、トーラさんの案内で我々は三階分階層を下がった。


「おお、大きいのがいますぜ、ついてますな」

「人食い樹が三、鉄腕カブトが二、どれも堅いですぜ」

「まかせろ、行くぞ、剣術部、突貫フォーメーションだ」

「「「「おうっ」」」」


 聖女派閥剣術部は果敢に魔物に向かっていった。

 エルマーも氷魔法で支援してるな。


『目の線で横切りだ、縦や腹を切ると素材の胃袋も切ってしまうからな』

「了解だ」


 というか、普通にホウズとか、リジンとかは斬れるし、エッケザックスで巨大カブトムシは串刺しになって死んだ。


 なかなか勇壮な狩りであった。

 トーラさんが倒れた魔物を腑分けして素材である『人食い樹の胃袋』を取りだしてくれた。

 灰色でぶよぶよしてるなあ。


 カロルが満面の笑みで胃袋を広げていた。


「なかなか良い品質ね、うんうん」

「それを袋に縫い付ければいいの?」

「まずは、リスト化の魔法陣と、取りだしの魔法陣を書き込んで魔導具にするのよ」

「おお、それはそれは」

「二十号、十五号、十号って所ですな。意外にみなさん、お強いので、日帰りで三日ぐらいで二十本揃うかもしれませんな」

「私のと同じぐらいの奴がでたね。良いね」

「カロルの作業ってどれくらいで終わるんだ?」

「二学期中ぐらいかしらね」

「二年生に間に合えば良いから、良いんだよ、カーチス」

「そうかもなあ。とはいえ剣術部は早めに欲しいな」

「今日の二十号はカーチスが持って行きなよ」

「え、いいのか、悪いなあ」

「そのかわり、迷宮で素材の掘り出しをおねがいね」

「ああ、わかった」


 トーラさんがニコニコしながら私たちのやりとりを聞いていた。

 アリエルさんはカーチスが私に気安いとブツブツ言っておる。


「じゃあ、明日からおねがいしますね、『約束の大地へ』さん」

「解りましたよ、明日は朝から入りますか?」

「そうだな、朝から夕方まで潜ろう」

「解りましたよ。開陳亭にお弁当を頼んでおきやしょう」

「お弁当もやってるんだ」

「ええ、美味しいですよ」


 お弁当もやってる飲み屋さんは良いなあ。


 ヒューイの背中にカロルを引っ張り上げて、タンデムで地上を目指して上がって行く。

 帰り道にも、十号クラスの人食い樹を倒したので、これで素材は四つとなった。

 意外に二十個まで早いかもしれないなあ。


 ゲートで切符を返して、われわれは迷宮の外に出た。


「そいじゃ、あっしらはこれで」

「ありがとうございます、またあしたね」

「はい」

「聖女様ご機嫌よう」


 今日のお金はカロルが払っていたね。

 あとで、コリンナちゃんと精算するのであろう。

 なんだかんだ出来る女子が集まっているので、私はあまり気を使わなくて良いのが楽よね。


「ヒルダさんは収納袋あるんでしょ?」

「はい、持ってますよ」


 ヒルダさんは懐からお財布型の収納袋を出した。

 小さくデザインするタイプもあるんだよね。


「三十号の袋です」

「意外にでっかい」

「暗闘の家は荷物が多いので」


 ヒルダさんは、マイ拷問具とか持ってるからなあ。


 蒼穹の覇者号に乗ると、観光組の人達がもう来ていて、ラウンジでくつろいでいた。

 結構荷物もってる人が多いな。

 メイン操縦室でディスプレイに映っていたのである。

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― 新着の感想 ―
試しでこれだけ集まるならかなり集まりそうだな。マコトは幸運値とかあれば凄く高そうだしな。
ヒルダ・パイセンのマイ拷問具・・・キューちゃんいるから没シュートからの簡易拷問空間も?いつでもどこでも。 カーチスにいちゃんとマコトちゃんの出会いの時には逆のこと言われてたとしみじみ思い出します。
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