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第1417話 新しい朝はランニングから

 マメちゃんがドタバタとテントの中を走り回っていたので目をさますと、外はもう朝であった。

 朝の海は良いねえ。

 すがすがしい。


 ので、体操服に着替えてコリンナちゃんを起こした。


「今日もか」

「毎日」

「ぐぬぬ」


 浜辺だから、まあそんなに距離は走らないが、足を取られるので結構足腰に来るんだな。

 んで、剣術組も体操服で集合してランニングに出かけていた。

 マリリンは別枠で凄い良いフォームで走って行った。

 彼女は何周もするんだろうなあ。

 剣術組も、かけ声を掛けながら走って行ってしまった。


「ケーベロスさんも大変だね」

「あはは、お恥ずかしいです、マクナイト様」

「ジェラルドで良いよ、コリンナさん」

「は、はい、ジェラルドさま」


 おいそこ、朝から甘々劇場を開催すんな。


「さー、行くよ、聖女派閥ー、えいおーっ!」


 剣術部の真似をしてかけ声を掛けてみた。


「えいおー」

「えいおー」


 私たち三人はかけ声高く走り始めた。

 コリンヌさんはテントから顔を出して見ていた。

 ヒューイとライ一郎、ヤギ次郎とマメちゃんが一緒に波打ち際を走って行く。

 ヘビ三郎は付属品みたいにヒューイの首に巻き付いている。


 波が打ち寄せる中を走るのはなかなか爽快だね。

 ちょっと暑いけどさ。


 わっせわっせと走っていると、反対側からマリリンが走って来て、さらに剣術部が走って来た。

 もう浜辺の端で折り返して来たらしい。

 みんな体力があって良いな。


 浜辺の端まで来るとコリンナちゃんがへばった。

 背中を丸めて下を向いてゼイハア言っておる。


「まあ、水でも飲め」


 私は水筒をコリンナちゃんに渡した。

 彼女は、ががっと一気飲みをした。

 そして変な所に入ったのかガハガハ言って咳き込んだ。


「ふう、ありがとう」

「そいじゃ、ゆっくりで良いからテントまで戻るよ」

「ヒューイ、乗っけてくれー」

《やだ》


 ヒューイは無情に位置を変えてコリンナちゃんの誘いを断った。


 わっせわっせとテントまで戻る。

 コリンナちゃんは結構いっぱいいっぱいになったな。

 テントまで着いたら彼女はデッキチェアに倒れ込んだ。


「ひ弱な」

「船でシャワーを浴びましょうよ」

「めんどう」


 しょうが無いので、カロルと二人で船に入り、シャワーを浴びた。

 ふう、さっぱりした。


 船から下りると、剣術部が水着になって、外の温水シャワーを浴びていた。


 というか、真面目に見ると、カーチスとかエルマーのブーメランパンツがセンシティブで卑猥よな。

 いや、私がデザインしたんだけどさ。

 カーチスは筋肉質だから、まだ良いんだけど、エルマーが美少年なので、お耽美で変な魅力が出て、メリッサさんとかがうっとり見ておるぞ。

 まあ、可哀想だから突っ込むまい。

 泳ぐとき以外はパーカーを着てるからそんなには目立たないしね。


 スニーカーを脱いで砂を出してから、昨日マリーテで買ったサンダルを履いてみる。

 うん、なかなか快適だな。


「朝ご飯ができましたよ~」


 厨房テントでマリオンさんが声を出して皆を呼んだ。

 こういう現場では、仕えている主人の身分が高いメイドが偉いという事なので、王宮メイドのマリオンさんが一番偉いメイドさんであるな。


 テーブルに付くと、ハムエッグとトースト、コンソメスープの朝ご飯が出て来た。


「美味い美味い」


 アダベルがパンをわしわしと食べて感嘆の声を上げていた。

 海辺で朝ご飯は良いね。


「今日は、三班に別れて遊びます。第一班はオルゲート迷宮の視察です。収納袋入手の可能性をさぐります。第二班はオルゲート迷宮の門前街観光です。第三班はシルビアさん主催のヨット教室です。オルゲート迷宮行きの人は飛空艇に乗り込んでください。ヨット組はシルビアさんの所に集合です」

「「「「はーい」」」」


 コーヒーを飲みながら今日の予定の打ち合わせだ。

 とりあえず、第一班と第二班はオルゲートまで行って下船だね。

 しかし、飛空艇を置く場所があるかな。

 ガドラガぐらい大きい迷宮なら飛空艇の発着場とかあるんだけど、オルゲートだとどうかな。


「私も影の迷宮以外の迷宮は初めてだなあ、楽しみだなあ」

「そうね、収納袋があると色々便利だから良いわね」


 ペペロンとグレーテ王女もオルゲート迷宮だな。


「今日は一緒にヨットを学びましょうね、アダベルさま」

「お、メリッサとマリリンもヨットか、楽しみだな」

「はい、よろしくお願いしますわ」

「解った解った」


 アダベルが安請け合いしてるが、なんとかするのはたぶんシルビアさんで、アダベルじゃないと思うぞ。


 コリンナちゃんが真面目な顔で、三班の名簿を作ってチェックしていた。

 こういう所はマメなんだよね。


 さあ、オルゲート迷宮に飛ぼう。

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コリンヌは四分の三は走ってるか、いやヘビ三郎も走ってないから二分の1か。というか不老化してるからもしかして鍛えても肉体は変わらない?夢のダイエット要らずかもしれないが。
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