第1414話 子供達がヨットに夢中
子供たちがヨットに乗ってシルビアさんに色々と教わっている。
ヨットが風を掴んで、湾内を右往左往している。
風上の方へ斜めに上がっても行けるのね。
帆船すげえ。
村の三馬鹿とトール王子、アダベルが、ウハウハ笑いながら操船を教わっている。
だんだん日が暮れて西の空が赤くなってきたね。
シルビアさんが操船して浜辺にヨットを乗り上げた。
子供達が、船を押して浜辺に上げて行く。
というか、アダベルの力が強いなあ。
子供達が海から上がってシャワーを浴び始めた。
うんうん、今日も一杯、海で遊んだね。
「ご飯ですよ~~」
王宮メイドのマリオンさんがみんなに声を掛けた。
みんなで厨房テント近くのテーブルに付いた。
こういうガヤガヤした雰囲気もアウトドア遊びっぽくて良いね。
本当ならばカレーライスを作りたい所なんだが、この世界にカレールーは売って無いからなあ。
カマラさんが開発しないかな?
メイドさんが軍用の鉄製のトレイにシチューとパンとサラダを載せて配膳してくれた。
なんだかデストピア風だが、まあ、軍用だからね。
「なんか、食器にロマンスがありませんわ……」
「蒼穹の覇者号には素敵な食器がありますのに……」
「こういう場所だと、高い食器は使いにくいのよ。この鉄のお皿だと、海でジャブジャブ洗えるわ」
「マコト様、さすがに淡水で洗いますよ」
マリオンさんに突っ込まれた。
「アダベル、お昼はマリオンさんに作ってもらったのよね、何を食べたの?」
「パスタ~!! 美味かった~~!!」
「味わい深かった~~!! ミートソースだった」
「それは庶民的なパスタを」
「王宮でも、お子様が好むメニューは同じなんですよ、マコトさま」
「マリオンのパスタは美味しいよな、ロイド」
「うん、美味しかった、また食べたいな兄さん」
「もう、いやですよ、二人とも大きくなったのに」
今日の晩餐はミルクソースのお魚シチューと、グリーンサラダ、白パンであった。
うん、シチューが良い味をしているね。
お魚と根菜がゴロゴロ入っていて、とても美味しい。
パクパク食べて、おかわりもしてしまった。
「明日は、収納袋の素材が取れるか、オルゲート迷宮に行くけど、シルビアさんはどうしますか」
「そうだなあ、明日は偵察だろ、だったら、子供達に海でヨットを教えているよ」
「「「「やったあっ!!」」」」
「うん、明日は多分偵察、できれば派閥員全員に収納袋が欲しいからどんなもんか見てくるよ」
「素材さえあれば、私が作り方を知っているから、格安で作れると思うわ」
やっぱ錬金術のプロの親友がいると便利だなあ。
鞄の部分は市販品を使っても良いしね。
「明日は私もヨットを教えていただきたいわ」
「ヨット良いですわね」
メリッサさんとマリリンはヨット遊びの方に行くようだ。
「わたくしは迷宮に行きますわ。我がマーラー家では鞄の生産もやっていますから、外側はお任せください」
そういや、マーラー領は繊維の街だから、鞄もやっているわな。
「僕も迷宮に行きたいのだが……」
「ケビン王子、いけません」
「王族は却下で」
「兄ちゃん、あぶないぞ」
「危ないからやめな」
ケビン王子の希望は、四方八方から反対されて、彼は下を向いてしまった。
「というか、王族は収納袋要らないでしょ、王家の宝物庫にあるでしょうに」
「あるけど、やっぱり素材の迷宮に行きたいじゃないか」
「来年のガドラガまで待ちなさいよ。特に何にも無いとは思うけど、何かあったら私らは死刑なのでね」
「ぐぬぬ」
「王子さん、俺達と一緒にヨットで釣りしようぜ、楽しいからっ」
「そうだよそうだよ、王子さん」
「ガキどもの言う通りだな」
ケビン王子とロイドちゃんもヨット教室行きだな。
ディックさん、リックさんが居るから、迷宮に行っても大丈夫とは思うけど、まあ、ロイヤルファミリーは自重すべきだよな。
「私が迷宮に行かなくても大丈夫か、カーチス」
「ああ、ちょっと調査に行くだけだから、本格的なアタックの時に手伝ってくれよ、アダベル」
「わかった、その時は呼べ」
と言うことで、明日はヨット組と迷宮組に別れる感じになった。
オルゲート迷宮か、こんな事なら図書館でガイドブックを借りて読んでおけば良かったな。
「カロルはオルゲート行った事あるの?」
「無いわ、どんな所かしらね」
カロルは楽しげに目を細めて微笑んだ。
「コリンナちゃんはヨットかい?」
「わーたーしーは……、どうすっかな、ヨットも別に興味無いし、迷宮の門前街でぶらぶら観光するかな」
「あ、その手があったね。僕も門前街で待っているなら良いだろう、キンボールさん」
「王子……」
「ジェラルドと、ケーベロスさんと、三人で一緒に門前街をぶらぶらするのは楽しそうだよ」
「まあ、それならいいけどさ」
「じゃあ、僕とジュリエットも迷宮門前街で」
ロイドちゃんも乗ってきおったよ。
私らもあんまり迷宮の深い所まで潜る気は無いから、まあ良いかなあ。
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