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第1409話 港街マリーテに買い出しに行く

 メイドさんがハムエッグとチーズトーストにしたパンを出してくれて、みんなで朝ご飯を食べる。

 美味い美味い。

 お茶はコーヒーだね。

 海風が渡ってきて良い感じに涼しい。


 目玉焼きには塩胡椒であるな。

 お醤油でも良いのだが、残りが少ないからな。

 節約である。


「午前中は対岸の港街、マリーテに買い出しに行くよ。一緒に行きたい人は蒼穹の覇者号の前に集合ね」

「港街か、僕も行くよ」

「王子が行くなら私も行きましょう」


 ジェラルドが行くと聞いてうなだれていたコリンナちゃんの首がシャンとなった。

 それを見て、私とカロルは目を合わせて、にんまりと笑った。


「僕たちは釣り~~」

「私も釣りだな」


 トール王子とアダベル、あと村の三馬鹿とかは釣りらしい。

 ティルダ王女とか、ペペロンとかグレーテ王女は買い物だな。


「俺らは迷宮に行くから、行きに送ってくれないか」

「いいよ、結構遠い? シルビアさん」

「船で半日だから、飛空艇ならすぐそこだろうよ」

「了解、帰りは?」

「初回だしな、三時ぐらいで上がるか」

「そうだね……」

「わかった、三時に迎えに行くよ。全滅とかしないよね?」

「C級だから、私が一人で底まで着いて戻ってこれるぐらいだよ」


 シルビアさんが請け負った。

 だったら安全かな。

 まあ、迷宮だから不慮の事故とかあるかもだけどね。


「コリンヌさん、迷宮に行かない?」

「え、お買い物したいですっ」

「迷宮組と連絡できると思ったんだけど、ゴブ蔵とか、カマ吉も連れてくれば良かったな」


 あいつらは神殿で人気者だからなあ。


「ああ、ライ一郎とヤギ次郎とヘビ三郎を迷宮にやりましょう」

「がうがう」

「メーメー」

「しゃー」


 なんか、人間横暴と三匹が言ってる気がするが、テイムした連中がいれば魔力線越しに冒険隊の情報が解るしな。


「ああ、ライイチローとか来ると助かるな、戦力になるし」


 三匹はしょうが無いなあ、という顔をした。


「ヤギ次郎は釣り組に行きなさい」

「メー」


 そんな殺生なという声をヤギ次郎が出した。


 あと、釣りをする子供組のお昼ご飯とかに王城メイドのマリオンさんが残ってくれる事になった。

 甲蟲騎士さんたちは料理とか出来ないからね。


 港街に買い出し組が結構多いね。

 みんな夏の私服を着て可愛い。

 制服姿はコリンナちゃんだけだな。

 なんでか知らないけど、コリンヌさんがメイド服だが。


 とりあえず、釣り組の子供とヤギ次郎を残し、蒼穹の覇者号はエルマーの操縦で離陸した。

 水道管はエバンズがわりと簡単そうに外していた。


「シルビアさん、迷宮のある島はどこよ」

「南東のオレーホヴァ島だよ」


 ピコンと迷宮島までの進路がマップ画面に現れた。

 十分ほどの飛行で行けるね。


 エルマーは操舵輪を回して蒼穹の覇者号を飛ばした。


 リシュエール諸島というだけはあって、あちこちに島があるね。

 人が住んでそうな大きな島から、無人島っぽい小さい島までいろいろであった。


 オレーホヴァ島が見えて来た。

 私たちが泊まっているヤクシム島よりも二回りぐらい大きい島で川があるので村があるね。

 あと、冒険者が来るからか、結構良い港があって、帆船が行き来していた。


「迷宮の島だからな、冒険者ギルドもあるぜ」

「意外に発展してる迷宮だな」

「本島に一番近い迷宮だからなあ、若い奴はここで腕を磨くんだぜ」


 島の真ん中にちょっとした山があって、その中腹にダンジョンの入り口らしい洞窟があった。

 エルマーはダンジョン前の広場に蒼穹の覇者号を着陸させた。


「そいじゃ、行ってくる」

「頑張ってね」

「おうっ」


 剣術組とエルザさん、シルビアさん、オスカーとライ一郎とヘビ三郎が下りていった。

 みんな頑張れよう。


 ついっと蒼穹の覇者号は離陸して回頭して、港街マリーテを目指して飛ぶ。

 といっても、割と近いのであった。


 港街マリーテは小高い丘の上の領城のもとに、巨大な港が広がる街であった。


「どこに駐めればいいのだろう……」

「飛空艇発着場はもう無いからなあ」

「マリーテだと、港湾に着水だろうね」

「勝手に港に駐めたら怒られるでしょう?」

「港の馬車溜まりに着けたまえ、私が交渉しよう」


 まあ、王子様が二人もいるんだから何とかなるであろう。

 文句言われたら教会の庭にでも下ろせば良いし。


「エルマー、馬車溜まりに下ろして」

「解った……」


 エルマーはふんわりと港の馬車溜まりに蒼穹の覇者号を下ろした。

 港湾施設から凄い勢いで役人が駆けてきた。


 タラップを下ろして、ジェラルドと一緒に外に出る。


「何者かっ! どこの国の飛空艇かっ!!」

「アップルトン、大神殿所属の蒼穹の覇者号です」

「おおっ、聖女さまっ!」

「ケビン王子とロイド王子も乗っている、この港湾でどこに停泊すれば良いのだ?」

「王子さまが二人も!! こ、こちらで問題ありませんっ!」


 役人がへどもどしていたら、立派な身なりの偉い役人風の人が全力で駆けてきた。


「聖女さまですなっ!! マリーテ港にようこそようこそっ!!」

「お、王子様も乗っておられるそうです、主任!」

「おお、なんという事ですか、事前にご連絡を頂きたい所ですが、それはそれとして大歓迎ですぞっ! ロイド王子様でしょうかっ!」

「ケビン王子も来ている」

「それはそれは、大歓迎ですぞっ!」

「馬車溜まりに駐めると邪魔でしょ、港に駐めてもいいんだけど、空いてる桟橋は無いの?」

「そ、それでしたら、第三番桟橋をお使い下さい」


 役人さんに三番桟橋を教えて貰い、蒼穹の覇者号を移動させた。

 海の上に停泊するのは、なんか良いね。

 揺れるけど。

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― 新着の感想 ―
>お茶はコーヒーだね。 わかる気がするけどなんだかわからないw
非常用通信機代わりの3匹プラス1人、まあヒューイとアダベルもいるし、船の近くならエイダが連絡か対処してくれそうだしな。
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