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第1407話 日没はアイスと共に

 アイスを食べていたら日が水平線の向こうに沈み始めた。

 空が真っ赤になっているね。

 良い景色だなあ、アレだ金曜ロードショーみたいな。

 アイスも美味いなあ。


 カロルの隣でうっとりと海を見つめていた。

 幸せだなあ。

 ギターでもボロロンと引きたい所だね。


 みんなたらふく食べて満足そうである。

 子供達は電池切れでうつらうつらしている子がいるね。

 あ、カリーナさんとシャーリーさんが気が付いて抱っこしてテントに運んで行った。


「マコト、明日はどうするの?」

「午前中は対岸の港街で買い物かな」

「あら、良いですわね、ご一緒しますわ、領袖」

「私も行きますわ、港街で特産品をさがしますの」


 お洒落組とヒルダさんは港街の買い物に付いて来るようだ。


「シルビア、近所に迷宮があったら行きたいんだが」

「近くだとC級の迷宮があるな、行くか?」

「おうよ、カトレア、コイシ、一緒に行くか」

「行きますぞ、殿!」

「行くみょん行くみょん」


 剣術組は迷宮か。


「王家主従はどうすんの」

「僕らかい、うーん、明日も海かな、ね、ジェラルド」

「そうですな、日々忙しいのでのんびりしたいですな」


 若いのに爺臭いな君らは。


「じゃあ、それぞれやりたい事をやって明日も楽しみましょう」

「「「「はーい」」」」」


「アダちゃんは迷宮に行くの?」

「どうしようかなあ、お前達は釣り?」

「そうだね、また釣り、んで、海で泳いだりするよ」

「私も釣りにつきあうか、うん、カーチスが居るから迷宮は危なくないだろう」

「わはは、アダベルのくせに生意気な」

「派閥員は私が見ていないと危ないからなあ、だが、明日は自分でガンバレ、私はお昼にアイスを食べるから」


 わりと話が繋がって無いよな。


 子供達は釣りをしたり、島を探検したりするらしい。

 楽しそうだね。


 日が暮れて夜になった。

 ああ、花火がしたいな。

 だが、ここは乙女ゲームの偽欧州なので花火セットは当然売ってないのだ。

 ドカンと打ち上げる花火は王都夏祭りとかで打ち上げられるけどね。


 涼しい風が吹いて、なかなか快適だな。

 子供達はテントに潜り込んで寝ている。

 私らはランタンの光の下でおしゃべりをしたり、お茶を飲んだりしていた。


「お風呂に入りたい、が、無い」

「無人島だからな」

「シルビアさん、ここら辺に温泉は?」

「火山島に行けばあったと思うが、結構遠いぞ」


 おお、あるのか温泉。


「海に入ったんだから、お風呂はいいだろう」

「良く無いのだ、アダベル」


 雑なドラゴンめ。


 お茶をカプリと飲む、空には満月で良い雰囲気だな。


「グレーテ王女とペペロンは滞在日時が短いから、やりたい事があったら手伝うよ」

「海遊びたのしー」

「明日の港街の買い物に付いて行きたいですわ、お兄さまにお土産を買いませんと、いじけますので」

「そうだな、ディーマーはアイス食べれなくて残念だ」

「あんな美味しいアイスは初めてですわね。帰り際に持って行けば溶けずに届けられるかもしれませんわね」

「そうだな、アダベル、帰る前にいっちょ作っておくれよ」

「ああ、まあ、良いぞ」


 守護竜アイスだから、守護竜さまのご機嫌しだいなんだな。

 うん。


 さて、温泉に行きたい所だが、しらない場所を夜にうろうろするのもあまり気が進まないので明日の午後にでも行くかな。

 今日は船の中のシャワーでも使うか。


 私が立ち上がるとカロルも一緒に来た。


「シャワーでしょ、付き合うわ」

「うん、行こう行こう」

「私も行くぞ」


 コリンナちゃんも付いて来た。


 タラップを上がって船内に入る。

 今回は基本的にみんなテント泊まりだから、だれも居なくて船室はがらんとしてるね。


 シャワールームで三人で並んでシャワーを浴びる。


「先にシャワーを浴びて申し訳ない感じね」

「シャワーブースが三つしかないから、順番に使わないとね」

「子供達は寝てしまったっぽいね」


 子供はまあ、電池切れたら寝るからね。

 昼間に海に入ったから良いんでしょう。


 さっぱりしてシャワーから出て、ダルシーにバスタオルで拭いてもらって、ドライヤーをガーっと掛けて貰った。

 下着を履いて、白のサマードレスに着替える。


「夏って感じの格好だ」

「制服着るのもなんだしね」


 カロルも臙脂色のドレスで、とても似合って可愛らしい。

 コリンナちゃんは制服を着始めた。


「持って来て無いの、私服」

「無い、貧乏人はオールシーズン制服で暮らすもんだ」

「明日、港街で買いましょうよ、コリンナ」

「いい、金がもったい無い」

「駄目だ、ジェラルドに、『バカンスでも制服かね、やれやれ』と思われるぞ」

「……うーむ」

「私が買ってあげるわよ、大事な寄子なんだし」

「いや、悪いから」

「いいのいいの、ねっ」


 カロルが、ねっ、で強引に押し切った。

 さて、明日、港街でコリンナちゃんに似合うサマードレスを探そうではないか。


「明日の楽しみが出来たわ」

「白で麦わら帽だね、うん」

「それね」

「あと、明日の朝のランニングはあるから、ちゃんと起きなよ」

「ぐぬぬっ」


 コリンナちゃんは苦虫を噛みつぶしたような顔をした。

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― 新着の感想 ―
これは慣れない砂浜ランニングで朝から消耗するな…w
いいかげん習慣化してもよさそうなもんだが…w そろそろ諦めたまえ、コリンナ二等兵www
海・・・、特訓・・・、砂浜・・・。 明日、砂浜ランニングでコリンナちゃんは死ぬ・・・!!(ナ、ナンダッテー
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