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第1393話 西ウイングの第一室で眠る

 ご飯を食べ終えてダイニングで夜をだらだら過ごした後、各部屋に別れて就寝である。

 西ウイングに女子、東ウイングに男子という感じに詰め込んだ。

 私たちは前のように第一室で眠る。

 というか、子供達も一緒なのでわりと騒々しいし、夜光猫が目をびかびか光らせていたり、ライ一郎が邪魔だったりして割と狭い。


 子供達にメインベッド二つをあけわたして、派閥員はエクストラベッドを並べて寝るのである。

 女子部屋はもう一室あって、そっちにはゆりゆり先輩とか、シルビアさんとか、ヒルダさんとかが泊まっている。


 子供達は枕投げで騒いでいたが、電池が切れたように寝た。

 ダルシーが寝具を整えて廻っていた。


 私たちも寝心地の良いエクストラベッドで寝た。

 すやあ。


 夜半、おトイレに行く途中でライ一郎の尻尾を踏んだ。

 すまんすまん。

 帰って来ると孤児のちびっ子が夜光猫に先導されておトイレに向かうのとすれ違った。


「に”ゃ”あ”あ”」


 奴はダミ声だが、前世の懐中電灯ぐらいの光量があるので夜光猫は便利だな。


 帰りはライ一郎の尻尾は踏まないですんだ。

 コリンヌさんのベッドの近くにライ一郎、ヤギ次郎、ヘビ三郎と固まって寝ているな。

 さすがはバラのキメラだ。


 エクストラベッドに潜り込んで、また眠る。

 寮のベッドよりも寝心地が良いんだよなあ。

 すやあ。


 ちびっ子の朝は早い、というか、朝から大暴れだな!

 ぎゃっこらぎゃっこらしている声で目が覚めた。

 体を起こすと、カロルとコリンナちゃんも体を起こしていて目があうと苦笑した。


 朝はおトイレとか、洗顔とかで大騒ぎであるね。

 子供が多いから。


「さて」

「さて」

「げ、まさか!」

「朝はランニングと決まっている」

「ぎゃあ、体操着持って来てねえよ」


 コリンナちゃんが不覚悟な事をいいおった。


「あら」

「ちっ」


 さすがに、お祭り前の村で制服で走らせる訳にはいかないか。

 というか、私らは体操着持って来ているのにさあ。


「バカンス前に寮によって体操着を持ってこよう」

「それがいいわね」

「鬼!」


 バカンス中の一週間、ランニングしないつもりか、こやつは。


 洗顔をして、用を足し、制服に着替えてシャンとする。

 朝シャワーをしたい所だけど、人が多いからなあ。

 省略して、階段を下りてダイニングに行く。


 応接セットで、アルエ家の人と、お養父様おとうさま、お養母様かあさまが、あとクリフ兄ちゃんが談笑していた。


「アルエ様、ゆっくりお休みになられましたか?」

「これはこれは聖女さま、とても良いお部屋で、ぐっすりねむれましたぞ」

「本当にありがとうございますね」

「いえいえ、ご親戚になったのですから遠慮は無用ですよ」

「はい、ありがとうございます、あのそれで……」


 アルエ男爵は子供と遊んでいるケビン王子の方を見て声を潜めた。


「ああ、気にしないでください、大層、ケビン王子に似てますがまったくの別人という事になっていますから」

「そ、そうなのですか」

「でしたらご挨拶は逆に失礼にあたるわね」

「はい、ほっといて上げてください」

「わかりました」


 変に偉い王子が参加してるからなあ。

 まあ、ロイド王子の方はあまり顔が知られていないので大丈夫そうだけどね。


 ダイニングで子供達の世話をしながら朝ご飯を取った。

 アダベルは朝からモリモリ食べるなあ。


「お祭り、いつから?」

「十時、まだまだー」


 子供達がお祭りの開催を心待ちにしているなあ。


 おっと、村長が来て、ブリス先輩と打ち合わせを始めた。


「村長さん、私の挨拶はあるの?」

「もちろんですとも、聖女さま、それでケビン王子のご挨拶はその、可能ですか?」


 私はケビン王子の方を見た。

 彼はジェラルドと共にやってきた。


「今回は、ロイドが挨拶をするよ」

「げえ、俺?」

「たまには挨拶をしてください、ロイド王子」

「あんまりしたことないからなあ」

「何事も慣れだよ、ロイド」

「かしこまりました、では、十時の開会式でご挨拶をねがいますぞ」

「村長、守護竜様の挨拶はいるか?」


 ハムエッグの皿を持ってアダベルもやってきた。


「あんたは王都の守護竜だからいらないのよ」

「そうか、ちっきしょー」

「わはは、アダベルさまも村民に人気がございますけれどもね」

「まあ、今回は勘弁してやろう」

「そうですな」


 アダベルはハムエッグをゴクンと飲み込むと、私に向き直った。


「お祭りの出店でアイスは出すのか?」

「アイスはお昼ご飯の時かなあ」

「お祭りで村民に振る舞わないのか、美味しいのに」


 ああ、その手もあるなあ。

 お祭りにアイスの出店がでたらみんな喜びそうだな。

 だが、アイス液の在庫が足りないか。

 どうしよう。


「そういえば、婆っちゃもお祭りにつれて来ればよかった、今から迎えに行くか」

「そうね、ダシャ婆っちゃにはお世話になってるし、呼んでも良いわね」


 蒼穹の覇者号を使えば、開会式の前に婆っちゃを呼んでこれるな。

 ついでにアイス液も貰ってくればお祭りで頒布できそう。


 そうしよう。

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― 新着の感想 ―
食いしんぼう守護竜かわいい
婆っちゃがなんだかアイスのついでに、みたいで()←いや、婆っちゃのついでにアイス、だから。
ロイド王子の一人称って普段は僕って言ってるけど、実は俺なんだろうか…咄嗟に出てしまった的な?
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