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第1392話 ホルボス邸宅で晩餐会、だがテーブルが足りねえ

 派閥の女子組と子供女子で連れ立って邸宅の浴場へと行く。

 ブリジットさんとティナさんが脱衣所にいたので、簡易ドライヤーを渡した。


「ありがとうございます」

「ドライヤー、憧れてたんだよー、お友達が持っていて自慢されたのっ」

「簡易式は旅行とかに便利よ、本式の堅い奴は言ってくれれば手配するわよ」

「ほんとう!!」

「あまりおねだりしちゃだめよ、ティナ」


 ブリジットさんはティナちゃんの髪にドライヤーを掛けながら笑って言った。


「温泉も凄く暖まった、すごい」

「良いお湯でしたわ、ありがとうございます聖女さま」

「良いんですよ、親戚なんですから、事前に言って下さればいつでも邸宅にお泊まりください」

「ほんとう!!」

「まあ、それは素晴らしいわね」


 あれだ、前世の社員の保養所みたいな感じだね。

 いや、親戚の別荘か、うん。


 服を脱いで浴室に入る。

 アダベルがビョーンとジャンプしてお風呂に飛びこんだ。

 ザンブリと温泉のお湯がかかった。

 んもう。


 かけ湯をして浴槽に浸かる。

 影からマメちゃんが出て来て水面を犬かきで泳ぎ回った。


「ティナちゃんは良い子だな」

「うん、良いお友達になれそうよ」


 アダベルの言葉にティルダ王女が返事をした。

 なかなか良い感じだな。


「今度、大神殿に誘ってみようっと」

「いいねいいね」


 こうやって人の輪は広がって行くんだなあ。


「晩餐が大人数になるけど、食材は足りるかしら」

「ジェシーさんが村に調達に行ってますよ、何か美味しいものを作ってくれそうです」


 おお、それは楽しみ。

 あまり目立たないから視界に入りにくいけど、ディックさん、リックさんのゴツイ護衛も実は居るからな。


「ダイニングに入りきるかなあ」

「キンボール家のお二人と、アルエ家の四名さま、孤児院の子供、サイズの王子さま王女さま、聖女派閥員、王家主従にシルビアさまと、クリフお兄さまと結構な人数ですわね」


 村の三馬鹿は家に帰らせるとして、まあ、結構増えたな。


「お養父様おとうさま、お養母様かあさまとアルエ家の方々はサンルームでお食事を取ってもらいましょうか」

「そうですわね、広さも丁度よさそうですさね」


 ゆりゆり先輩がノートに書き付けていた。

 やっぱ、大人数旅行には部屋割りとか進行補助とかのスタッフが要るねえ。

 ゆりゆり先輩が卒業するまでにメリッサさんとマリリンにそこらへん教え込んでほしいね。


 ヒューイがどこに行ったかと魔力線をつなげてみたら、地獄谷の灼熱温泉で湯治をしていた。


《ここち良い》

(ヒューイはそこ好きね)

《すき》


 ヘビ三郎は別のお湯に入ってくつろいでいた。


 ライ一郎がコリンヌさんと一緒に入って来て、ざんぶりと湯船に浸かった。

 ヤギ次郎はお風呂が嫌いだから林で雑草を食べているな。


「ライイチローを洗うから、みんな手伝ってーっ」

「「「「はーい」」」」


 子供達がライ一郎に群がってシャンプーで泡立てはじめた。

 意外に気持ちが良さそうだね。

 シャワーでお湯を掛けられて嬉しそうにしている。

 温厚ライオンだなあ。


 私もダルシーに隅々まで洗われてライ一郎と一緒である。

 マメちゃんもダルシーに捕まって洗われていた。


 さっぱりして脱衣所に出て下着姿でダルシーにドライヤーを掛けて貰う。

 子供達とコリンヌさんが一緒になってライ一郎にドライヤーをかけて乾かしていた。

 マメちゃんはブルブルッと身を震わせて水をはねとばしてから影に入った。


 しかし、ライ一郎がふわふわになりおったな。

 撫でてみるともっふもふだな。

 子供達とアダベルが群がってモフモフしていた。


 お風呂を出てダイニングでくつろぐ。

 お養父様おとうさま、お養母様かあさまは家長部屋、アルエ家の人達は上客室に入ってもらった、わりと広いので家族で泊まれるのよね。


 そろそろ夕暮れだね。

 村の共同浴場に行っていた男衆が帰ってきた。

 湯上がりケビン王子を見て、アルエ男爵さんが目を丸くしていた。


「エルザ、日が落ちきる前に庭で一勝負しようぜ」

「いやですわよ、また後で」

「ちえーっ」


 シルビアさんがエルザさんに剣の稽古をねだっていた。

 そういうのは日中にしなさいよ。


「それでは食事のようだ、私たちはこっちらしいですぞ」

「はい、サンルームにご用意させていただきました、キンボール教授」

「私たちもこっちね、ティナはどうするの?」

「子供達はみなダイニングでの晩餐となります、どちらでも対応可能ですよ」

「ティナ、みんなと食べるー!」

「そう、楽しんでらっしゃい」

「うん、みんなーっ!」


 ティナちゃんがトトトと子供達の方に駈け寄った。

 うんうん、良きかな良きかな。


 学生と子供達はダイニングだね。

 クリフ兄ちゃんも末席に座って大人しくしてるな。


 用意ができたらしいので、席に座る。

 メイドさんがミーシャさんの指示でお皿にスープを注いでいく。

 お、フルコースか。

 子供達はマナーは……、まあ、駄目だけど、何事も経験だね。

 年長の子が教えたりしてるね。

 アダベルがなにげに上手くなっておる。


 メニューは、山鳥のソテー、森のキノコのパスタ、オニオンスープ、空豆のサラダ、白パンであった。

 鳥が脂がのっていて美味しいね。


 ワイワイとおしゃべりをしながら楽しく食べる。

 ああ、美味しかった。

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― 新着の感想 ―
地獄谷の源泉はヒューイ専用だなあ、他のドラゴン達は入らないのかな?まあ人型になれるアダベルとペペロンくらいか、後は人型っぽくなれるワイバーンも入れるかな?
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