第1386話 子供を積んで守護竜牧場へ買い出しだ
ホルボス山に向けて蒼穹の覇者号をツイッと飛ばせる。
村の広場上空にさしかかると、子供達が走って出て来た。
着陸すると、ドドドと乗ってくる。
その間にマジックハンドでアダベルの籠を甲板に積む。
ヒューイはどいてね。
「なんだなんだ、どうしたどうした」
「バカンス用のお肉を守護竜牧場へ買い付けに行きます」
「「「「私らも行く!!」」」」
そうだろうそうだろう。
守護竜牧場に行くと美味しい物一杯くれるからね。
ダシャ婆っちゃは子供達にだだ甘だしね。
子供達をメイン操縦室に納めて、再度飛び上がる。
ドタバタと子供達はライ一郎とヤギ次郎をかまって騒いでいるね。
村の広場から離陸してカメオ村の方向に回頭する。
出力を上げて飛行する。
やっぱり自分で操舵輪をもっていると、操縦しているって感じがして良いね。
他の人が操縦して乗ってるのもラクチンで良いんだけどさ。
ツイッと飛んでカメオ村上空、守護竜牧場の前の道に着陸する。
お、荷馬車が何台か牧場から出て行くね。
商売は繁盛しているみたいだ。
警備をしている聖騎士さんたちがこちらを見上げて手を振ってくれた。
タラップから下りると、ダシャ婆ちゃんとお孫さん夫婦がお出迎えしてくれた。
「まあまあ、いらっしゃい聖女さま、アダベルさま」
「また来た、バカンス用のお肉と牛乳を買いに来た」
「あらあら、ではご用意しましょうね。その間、母屋でクッキーでもいかがかしら」
「ありがたいっ」
まあ、守護竜牧場だから、守護竜さまに取引は任せよう。
必要な物はコリンナちゃんがリスト化しているから、それをお孫さんに渡した。
「お肉と牛乳、あとチーズですね、お待ち下さい」
気が付くとヒューイが甲板から飛び降りて来て、メモをのぞき込んでいた。
《見てもわからん》
まあ、そうだろうね。
ダシャ婆ちゃは子供達と一緒に母屋に入って行った。
私たちも母屋の中でお茶とクッキーを頂く。
「村長からの嫌がらせなどは無いか?」
「大丈夫ですよ、ブロウライトさま、聖騎士さんたちも居ますしね」
牧場の中は綺麗になっていて、取引が活発に行われている感じがするね。
マメちゃんが影から出て来て、ダシャ婆ちゃの膝の上に飛び乗ってくつろいだ。
婆ちゃは目を細めてマメちゃんの背中を撫でた。
「婆ちゃ、あれはなんだ?」
アダベルが部屋の隅にある水道タンクみたいな物を指さした。
「ああ、あれはアイスクリームメーカーよ。夏だから今年は作ろうかと思っているのよ」
おお、昔はアイスクリームを作っていたのか。
で、アイスと聞いて、子供達、アダベル、派閥の女子の目がキラリと光った。
「氷の魔法師の人を呼んでいるのだけれども、なかなか予定が詰まっていてね、困ってるのよ」
「まかせて……」
「まかせろーっ」
ここには、氷魔法の専門家もいるし、ホーリーアイスブレスを使うドラゴンさまもいるのだった。
「あらあら、よろしいの?」
「さっそく作って、食べよう食べよう」
「おほほ、それは良いわね」
お孫さんのお嫁さんがアイス用の溶液を作ってアイスクリームメーカーに入れた。
業務用だから馬鹿でかいね。
「エルマーと一緒に冷やそう」
「協力だ……」
アイスクリームメーカーの構造は簡単だ。
銅で出来たタンクの中にアイス溶液を入れ、外側を氷で冷やすのだ。
エルマーは呪文を唱えて外側に氷を作ってどんどん入れて行った。
アダベルはホーリーアイスブレスを加減しながら吹き付けて温度を下げていく。
頭の上のトトメスと肩のクロもアイスタンクを凝視していてなんだかおかしい。
「今度本体で来なさいよ、アイスあげるわよ」
私がそう言うとクロは目線をそらした。
しばらく冷やしてアイスクリームメーカーのタンクの蓋を開けると、しっかりと固まったアイスが現れた。
なかなか良い感じだね。
ダシャ婆ちゃがヘラでお皿にアイスを乗せていってくれた。
みんな並んで、貰った子から座って食べる。
《俺も食べるぜ》
「お婆ちゃん、ヒューイも食べたいって」
「ガウガウ」
「メーメー」
コリンヌカルテットも食べたいようだ。
ヘビ三郎とか食べさせて大丈夫なのかな。
「はいはい、みんな大人しくて良い子ね」
ダシャ婆ちゃんはお皿にアイスを乗せて、ヒューイや、ライ一郎、ヤギ次郎、ヘビ三郎、マメちゃんにも差し出した。
「甘い、美味い、美味い! おかわりっ!」
「あー、頭がキーンとする」
「甘くておいし~」
《うまいうまい》
「がふがふ」
「めーめー」
私もスプーンでアイスをしゃくって食べて見る。
ん~~、ミルクの味が濃いからすごく美味しいね。
なめらかで美味しいバニラアイスであるよ。
「これはバカンスでも食べたい。暑い海で食べたいなあ」
「機械を持って行きますか? 守護竜さま」
「んん、でも、持って行くとダシャ婆っちゃが生産出来ないだろう」
「村でもう少し小型のアイスクリームメーカーがあって使ってない家があったから買い付けたらどうかな」
お孫さんが助言をしてくれた。
「小型アイスクリームメーカー!! それだっ!!」
とりあえず、私たちは隣の農家に行き、使って無いアイスクリームメーカーをゆずって貰った。
注文していたお肉や牛乳、チーズ類が揃えられたので、みんなで手分けをして蒼穹の覇者号に収納した。
お孫さんのお嫁さんから、アイスクリーム溶液も沢山もらったので、バカンスでアイスを作れるようになったな。
あと、いつものように、ビーフジャーキーやクッキーを山ほどオマケに貰って、私たちは守護竜牧場を後にした。
「さっそく新しいアイスクリームメーカーを試そう」
「だめよ」
「なんでだっ!」
「アダベルはアイスを作る端から食べてしまうでしょ」
「ぐぬぬ」
アダベルは氷龍だからアイスを沢山食べてもキーンとしないようだしね。
もの凄い速度で食べるのだ。
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