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第1364話 施設補強を終えて学園へ戻る

 チェックポイントの施設、チェックポイントゲート、選手控え室、おトイレ、審判の小屋等を補強していく。


「いやあ、助かりますな、では次のポイントへ」


 工兵隊長さんも軍馬に乗ってコースを走らせている。

 私たちもヒューイを陸上で走らせる。


 チェックポイントを廻って補強をしていく。

 しばらくしたら頭の上を蒼穹の覇者号が飛び越していった。

 王家主従が山頂に着いたな。


 だんだん補強にも慣れてきて、残りのチェックポイントもぱっぱと処置していく。

 最後のチェックポイントの補強を終わらせて、ゴールに続く坂をヒューイに駈上がらせる。

 やっぱ、元は陸上騎獣だから、登攀も力強いね。


 山頂に着いたので、ゴールポストをくぐる。

 王家主従が拍手で出迎えてくれた。


「いやあ、良い補修だね、これなら大嵐でも大丈夫そうだ」

「あとはどれくらい荒れるかよね、さすがに軍馬が吹っ飛ばされるほどの大嵐だとレース中止だろうし」

「ふむ、確かに、だが、小雨ぐらいならペガサスが飛べてしまうな」

「そう、難しい所だけど、まあ、天意に任せるわよ」

「まあ、そうだね」

「ジェラルド、補強する所は大丈夫?」

「一回り見たが、そうだな……、王様の開会の挨拶をするステージも補強してほしいな」

「場所はどこ?」

「ええと」

「観客席の屋上ですね。あそこから魔導拡声器で開催の挨拶と、表彰式、閉会の挨拶があります」


 屋上かあ、特に補強していないから、最悪王様が暴風雨で吹っ飛ばされてしまうね。


「ケビン王子、屋上に立って、覆うように障壁を作るよ」

「わかった」


 ケビン王子は階段を上がって屋上に出た。

 工兵隊長が立ち位置を教えてくれている。

 ああ、良く見ると、屋上は簡単なステージになっているのか。

 表彰台とかもあるし、全体をドーム状に覆って前面を透明にするか。

 前面は、2%ぐらいの不透明さを付与すれば良いね。


 ケビン王子の立ち位置から類推して、ドーム状の障壁で囲った。

 下の階の障壁と合体させれば強度は問題ないだろう。


「エクセレント!! すばらしいステージになりましたね、キラキラしていてとても綺麗だ」

「ありがとう隊長さん」

「お礼を言うのはこちらですよ。エルディー子爵家のティエリーと申します。今後ともよろしく、聖女さま」


 ティエリー隊長と堅く握手をした。

 まあ、何か施設を補強したい時は呼んでくれい。


「というか、野外施設も障壁でドレスアップすると凄く良い感じになるね」

「ガラス状ですからキラキラして綺麗ですな。それでいて強度も高い、いう事なしですよ」

「色々頼みたいものだが、なにしろお礼がな」

「領地なぞ、バンバン出すべきですよ、ここまでの能力です」

「逆だよ、工兵隊長、聖女候補だから褒美をあまり受け取らんのだ」

「ああー、そっちの使いにくさでしたか」


 あんまり爵位だ領地だで囲われるのはなあ。

 領地経営とか面倒臭いしさ。


 よし、大体の補強は終わったな。


「それでは、そろそろ帰りますね。何か補強して欲しい所が出て来たら、明日の朝にちゃっちゃとやりますから」

「よろしくお願いします」


 工兵隊長は頭を下げた。


「あんたらは?」

「すこし現場とチェックポイントを見てから帰る」

「麓までは軍馬で下りるよ」

「そう、頑張ってね、じゃあ明日」

「頑張ってね、キンボールさん」

「丁度良い嵐が来るといいな」


 確かにねえ。

 こればっかりはワイバーンさんたちの集まり次第だから何とも言えないのだ。


「コリンヌさん、帰るよ」

「はいはーい」

「ガウガウ」

「メーメー」


 山頂で遊んでいた、コリンヌさんとライ一郎、ヤギ次郎が蒼穹の覇者号に乗り込んだ。

 工兵さんが名残惜しそうに手を振っていた。

 ライ一郎のファンの人かな。


「ヤギジローが下生えを食べるので工兵さんに人気で」

「そっちか」


 私が降りるとヒューイは甲板に一っ飛びで乗った。

 まったく、ヒューイは手間の掛からない騎獣だなあ。


 メイン操縦室に入る。


「エルマーありがとう、助かったわ」

「なんのなんの……」

「レースは明日ね、頑張ってねマコト」

「頑張るよ、カロル」


 カロルと二人で笑い合った。


 蒼穹の覇者号は離陸して王都を目指して飛行した。

 王都上空に入ると、見慣れない飛空艇が居た。


『こちら、コールサイン886521『成層圏の召雷号』です。『蒼穹の覇者号』聞こえますか』

「こちらは蒼穹の覇者号、コールサイン547498、メリンダさん、いらっしゃい」

『わあ、蒼穹の覇者号、やっぱり優美で綺麗ですね、明日は乗せてください』

「VIPの人を山頂に輸送するので、明日の朝、乗れますよ」

『嬉しいです、では明日を楽しみにしてますね』


 さすが飛空艇令嬢のメリンダさんだなあ、飛空艇が好きなんだなあ。


「明日は私が操縦するから」

「え、悪いよカロル」

「マコトはレースの準備があるでしょ、VIPの送迎は私とエルマーでやるわ」

「やるよ……」

「ありがとう、ふたりとも」

「パイロット部員だから」

「パイロット部……」


 なんだか、気遣いが嬉しいなあ。


「がおがお」

「めーめー」

「え、あんたたちも明日来たいの? まあここで大人しくしてるなら良いけど」

「がうがう」

「めーめー」


 二匹は任せてという感じにうなずいた。

 そういや明日はレースだからヘビ三郎もここだな。


《シューン》

《まあ、しかたがあるまい》


 落ち込んだヘビ三郎をヒューイが慰めた。

 というか、なんか、従魔が増えたなあ。

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― 新着の感想 ―
工兵とか庭師とか仕事で除草する人達はヤギか羊を古式テイムするといいね。指示も正確に出来るしどこかに行ってしまう事もないしな。
いよいよだな・・・ワクワクしてきた!!
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