表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1372/1514

第1362話 ランチを食べに街に繰り出す

 学期末シフトなので、午前の授業は一学期のふり返りで、さくっと終わった。

 帰りのホームルームを受けて、本日の授業は終わり。

 放課後である。


「マコト、今日はどうする」

「外食の日だね、どっか良い所無いかね」


 クラスの秀才さんが近くにやってきた。


「これ、うちの領のレストランの割引券、良かったら聖女派閥さんで使って」

「あら、悪いわね、いいの?」

「いいのよ、プートリー山の遠足ではお世話になったし」


 おお、三十人の宴会まで使える二割引券だ。


「どれどれ、おお、南部料理かあ、南部なんだね」

「そうなんですよ、ケビン王子」


 クラスメイトと交流すると色々と得だなあ。

 今日のランチはトスメルキス料理とあいなった。


「それでは行こうか、キンボールさん」

「あんたらはビビアン様のところやろうがい」

「「ぐぬぬ」」


 なぜちゃっかり逃げだそうとしているのだ、王家主従。


 聖女派閥員を集めながら階段を下りて玄関から外に出る。

 今日は曇りだね。


「トスメルキス料理屋さんってどこかしら」

「大通りから一本入った繁華街みたいね」

「二割引はお得だ」


 校門から外に出ると、ヒューイがヘビ三郎を巻いて待ち構えていた。


「何かね、君は」

《行こう行こう》


 もー、便利だけど、愛が重い騎獣であるよ。


「ヘビサブローばかりずるいって、ライイチローとヤギジローが言ってます」

《ガオンガオン》

《メエメエ》


 うるせえ、念話で騒ぐな。

 ライ一郎とヤギ次郎はまた今度ね。


 ヤギ次郎は最近、学園内の雑草退治に一役かっている。

 藪に生えた雑草とかをむしゃむしゃ食べてくれるので庭師さんとかが大喜びであった。


 しょうが無いのでヒューイに跨がる。

 ラクチンではあるが、みんなに悪いね。

 なんだかカロルが手綱を引いてくれた。


 トスメルキス料理レストラン『ストラガ』は飲食店街にあった。

 結構綺麗で新しいレストランだね。


 お店の前の馬繋ぎ柵にヒューイをつないだ。


《あんまり走ってない》

「午後からプートリー山に行くので一緒に行こう」

《それはいい》

《ガウガウ》

《メーメー》


 コリンヌカルテットの動物も行きたいようだ。

 まあ、良いけどさ。


「トスメルキス料理って、どんなのよ?」

「南岸の温暖な気候で育ったトマト、ニンニク、ハーブを使ったお料理です、だって」


 ああ、偽プロバンス料理だな、これは。

 偽地中海気候で温暖なんだな。

 Aランチにもラタトゥイユ風の煮込み料理があるな。

 Bランチはブイヤベースセットだな。

 どっちも美味しそうだね。


「いらっしゃい学生さん」

「割引券をもらったけど使えるかしら」

「はいはい、あら御領主さまのお嬢様のお友達ですか、はい、使えますよ。あとサービスでグラスワインも付けましょう」

「お、それはいいな」


 カーチス兄ちゃんが喰い気味に食い付いた。


「おほほ、お酒が飲めない方にはデザートを付けますよ、ささ、どうぞどうぞ」


 私たちはレストランの個室に通して貰った。

 さすが領主の割引券、神通力が半端ない。


 私がラタトゥイユのセットを頼むと、カロルはブイヤベースセットを頼んでいた。


「なかなか綺麗で良い店ね」

「トスメルキス領というと、デュシャン伯爵家の御令嬢かしらね」

「たしかそんな名前だったような」

「ジュリー・デュシャン伯爵令嬢よ、マコト」

「あ、ありがとうカロル」

「なるほど、ジュリー様でしたか」


 どうやらゆりゆり先輩のご近所の家っぽいね。


 お、お料理が運ばれてきた。

 わあ、良い匂いだなあ。

 夏野菜がごろごろ入ってる温かい煮物だね。

 これに大きめのソーセージとチーズと白パンが付いてきた。


「いただきます」


 パクリ。

 おお、ナスがホクホクだなあ。

 美味い美味い。

 トマトとニンニクの味が利いていて食が進む。

 良い味だねえ。


 ブイヤベースのセットも来た。

 大皿にブイヤベースが盛り付けられて、ミニサラダと白パンが付いていた。

 切り身のお魚がごろごろ入っていて美味しいそうね。


「あら、美味しい」

「なかなか美味しいお店だね、割引券をもらったらまた来よう」

「そうだね、お野菜中心でヘルシーな感じだし、良いね」


 うまうまとランチ完食である。

 グラスワインを取らなかった人にはミニケーキとコーヒーが出た。

 いやあ、充実するなあ。


「午後のプートリー山へは私も行きたいですっ」

「コリンヌさんもか」


 コリンヌカルテットが揃ってしまうね。


「僕も行こう……」

「私も行っていい?」

「いいよ」


 エルマーとカロルのパイロット組も一緒か、まあいいけどね。


 窓から空を見ると、曇り空だけど、まだまだ天気は崩れてないみたいね。


よろしかったら、ブックマークとか、感想とか、レビューとかをいただけたら嬉しいです。

また、下の[☆☆☆☆☆]で評価していただくと励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
王子主従接待がんがれ!!٩( 'ω' )و ポ派のおさえになれば良いけど、裏切る時は裏切るだろうし。 偽南プロヴァンス料理。 美味しそう。 カルテットも思いっきり運動して、ついでにコースの安全点…
聖女マコト様はそれなりにお金持ちでいらっしゃいますので、別に割引券なんてなくても食べに来ればいいのにw 変なところで庶民根性が抜けませんねえ。偉いお坊さんにとってはそれが魅力になるのかもしれないね。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ