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第1344話 マーラー領館で天然マスランチを頂く

「領袖、ランチは領館にてご用意しておりますよ」


 げげ、モスラを喰って太ったマスとか嫌だな。


「マスのソテーを中心にしたランチで、マスは天然物です」

「よし、食べましょう!」


 さすがにこの人数のランチをマーラータウンで探すのは大変そうだし、どこも養殖川魚を出しそうだからね。

 天然のマスだったらモスラの幼虫は食べて無いから安心だ。


 領館のダイニングホールでテーブルがセッティングされていた。


「ありがとうね、セバスお爺ちゃん」

「ははは、聖女さま、お気遣い無く、子供が沢山来てくれて嬉しい限りですぞ」


 子供達は暴れているので、テーブルに着かせるのが一苦労だ。

 年長の子供達にも手伝ってもらって、ランチが始まった。


 おお、大きいマスだな。

 メニューは、マスのソテー、山菜サラダ、根菜スープ、白パンであった。


「美味しそうね、マコト」

「養殖では無いのが嬉しいね」

「領袖は養殖場を見た後、マスを食べたがりませんでしたからね」

「い、いや、お蚕さんのサナギを食べているからといって嫌がるのが悪いんだけどさ」

「変な所に神経が細かいのよね」


 ほっといてくれカロル。

 虫はだめなのだ。

 栄養があっても駄目なのだ。

 でも、海老やシャコは良いのだ。

 そこらへんの合否が謎よね。


「まあ、なかなかね」


 命令さんがマスをパクパク食べていた。

 ときどきロデムにも上げている。


 パクリ。

 うん、身が締まって美味しいマスだね。

 脂ものっていて美味い美味い。


「そういえばキルギス君は?」


 私はアダベルに聞いてみた。


「あいつは王都の教会巡回に行った、付き合いが悪いったらないよ」

「そうなんだ、バカンスには来るかな」

「無理矢理連れて行くよ、水着も買ったし」

「そうなんだ」

「例の酷いデザインのパンツを嫌がらせに買った」


 うっはー、ブーメランパンツか。

 ま、まあ、何人かはブーメラン男子だから大丈夫だよね。

 うんうん。


 孤児のちびっ子はロデムが気に入ったようで、隣で頭をなでなでしている。

 夜光猫ニャーリンも首筋にまとわりついている。

 ロデムもまんざらでは無さそうな緩んだ顔をしているね。


「ケリーさんは、わりと子供好きなのね」

「ええ、お父様が子供好きで、私もね、ヒルムガルドの孤児院にも良く慰問に行くのよ」


 お、篤志家だったのか。

 ありがたいありがたい。

 孤児院とか貧民への炊き出しは、お金持ちの寄付でやってる所があるからね。

 お金持ちは社会福祉にお金を出すことで死後の平穏を買うのだ。


「これからどうするの、マコト」

「二時までマーラータウンでお買い物、三時にヒルムガルドでおやつです」


 わあっと子供から歓声が上がった。


「美味しいお店に連れてってあげますからねっ」


 命令さんは笑いながら言った。

 うん、なんだか命令父娘は子供には善人の顔を見せるなあ。


「それでは二時に領館に集まってね」

「「「「はーい」」」」


 私は子供達を連れて服屋に行かないとなあ。

 カロルとコリンナちゃん、あとコリンヌさんがやってきた。

 コリンヌさんは首にヘビ三郎を巻き付けてヤバイ人みたいだぞ。


 シルビアさんは剣術組やカーチス達と一緒に。

 ヒルダさんはお洒落組と一緒に街を廻るようだね。


「ケリーさんはどうしますか」

「そうねえ、子供達のお買い物に付き合いましょうか」

「わあ、一緒にいこういこう、ね、ロデム」

「がう」


 ロデムは頭をしゃくってちびっ子を背中にのせた。


「あらまあ、よかったわね、ちびちゃん」

「うんっ、ロデム大好きっ」

「に゛ゃあ゛」


 ニャーリンがダミ声でそうだとばかりに鳴いた。


 子供達を連れて街にくりだした。

 いつぞやの太物屋に入った。


「お気に入りの服を一揃い、買っていいよう」

「「「「わあいっ!」」」」

「私もか私もか」

「アダベルは自分で出しなさいよ」

「お金もってきてない」

「じゃあ、アダベルも良いわ」

「やったあ!」


 一人だけ買い物できないのも悲しいからね。


 子供達の服を見てあげながら、自分のドロワースとかを買い込んだ。

 夏用のシミーズとか買っとかないとね。


 ワイワイと買い物をするのは楽しい。

 命令さんも結構買い込んでいた。


「さすがは生産地、良い物が安いわね」


 やっぱり交易都市の娘さんだから目利きなのね。


 マーラータウンをうろうろと歩き、他のグループと情報交換とかしながらうろつき廻った。

 剣術組たちは肌着系、お洒落系はアクセサリーとか、グループによって好みが違うのが面白いね。


 さて、孤児院の女官さんから頼まれた布地とかタオルとかも買い込んだので、領館に戻る。


 他のグループも二時前に帰って来た。


「それじゃあ、またね、セバス爺ちゃん」

「はい、またいらっしゃってくださいね、聖女さま、お待ちしておりますぞ」


 マーラー領の人達に挨拶をして、飛空艇に乗り込んだ。


「次はヒルムガルド?」

「そう、川沿いを下って行きましょう」

「わかったわ」


 カロルは、うなずいて蒼穹の覇者号を発進させた。


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マコトちゃん、天然マスもエサは天然の◯◯や。 ヒルダさんの観察眼と気遣い(๑˃̵ᴗ˂̵)b マッシュルームの苗床を知ってもマコトちゃんは マッシュルームを食べられるのだろうか?
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