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第1343話 マーラー領館で水着の試着

「これはこれは、聖女さま、みなさま、いらっしゃいませ」


 領館から家令のセバス爺ちゃんが出て来て出迎えてくれた。

 元気そうだね。


「水着の方はでき上がっているかしら」

「はい、ご注文の品は全てそろいましてございますよ、ヒルダお嬢さま」


 私たちは領館の中に案内された。


「ここがマーラー領館ですのね」

「そうですぞ、ケリー・ホルスト伯爵令嬢さま」

「ま、まあ、まだ自己紹介しておりませんのに」

「いえいえ、マーラー領に敵対した貴族の事は調べ尽くしますぞ」

「あら、まあっ」


 暗闘の家は怖いなあ。

 とはいえ、命令さんは気持ちが太いので、特にびびる事も無く領館内を見回していた。


「爺さん、あたしの事は解るかい?」

「ははは、解りませんなあ」

「シルビア・ハウエルさまよ」

「おお、リシュエール諸島のハウエル家のお嬢さまですか、よくいらっしゃいました」


 セバスお爺ちゃんは破顔してシルビアさんを握手で迎えた。

 命令さんとは対応が違うね。

 まあ、十五倍の関税を掛けた敵対貴族だからねえ。


 水着の担当のアベラール家のマクレーンさん達が室内で待ち構えていた。


「ささ、男性はこちらへ、女性はこちらで、試着をいたしましょうね」

「よろしくおねがいね」


 男子と女子で別室に通された。

 聖女派閥は女子が多いからねえ。

 

 メイドさんに手伝ってもらい、服を脱いで水着に着替えた。

 おお、なんかさっぱりした感じだなあ。

 肌触りは良いね。

 姿見で見るとパレオ付きビキニで良い感じであった。

 うひひ。


「パレオ付きとはいえビキニは恥ずかしいわ」

「カワイイからカワイイからっ」


 いやあ、カロルの臙脂色の水着姿が可愛いなあ。

 良く似合う。

 素敵でカワイイ。


「ど、どうだ、マコト?」

「すげえカワイイすげえカワイイ」

「そうか、アダベルも可愛いな」

「えへへへ」


 うん、ちょっと地味だけど、コリンナちゃんもカワイイね、セパレーツだけど良く似合うね。

 アダベルは水色の綺麗な子供用セパレートだった。

 いいねえ、カワイイねえ。


「私の分もあるのか、うん、良いなあ、持っている水着よりも肌触りがいいぞ」


 シルビアさんも水着に着替えていた。

 白のパレオビキニで良く似合っているわね。


「私のがありませんわ」

「ケリーは発注しておりませんわ」

「か、買いますから予備を出してくださいませ」

「しかたがないわね」


 真っ黒なビキニ、しかもパレオ無しの攻めたビキニのヒルダさんが、メイドさんに言いつけて、命令さんサイズの水着を持ってこさせた。


 子供達が水着に着替えて走り回っている。

 ゆりゆり先輩はおっぱいがでかいなあ。

 ビキニが似合うぞ。

 ミーシャさんも水着に着替えた。

 なかなか幼児体型だが、良い感じに似合っているな。


「ダルシー」

「はい」

「水着を試着しなさい」

「は、はい……」


 カロルもアンヌさんを呼んで試着を命じていた。

 うん、諜報メイドもバカンスでは水着だからね。


 わ、灰色のビキニが良く似合うなあ。


「ダルシー、カワイイよ」

「あ、ありがとうございます」


 アンヌさんは赤い水着で格好いいね。


 コリンヌさんはヘビ三郎を首に巻き付けて着替えていた。

 黄色で華やかなセパレーツで良いね。


 カトレアさんとコイシちゃんも水着に着替えて剣術のポーズとか取っていた。


「みっともないからやめなさい」

「水着での稼働域を調べないとならない、これで剣を振る事もあるからな」

「良い感じの水着で嬉しいみょんなあ、わっしの水着は田舎で買ったのでもっさりしてるみょんなな」


 二人とも良く似合っているね。


 ふと窓の外を見ると、カーテンの向こうにでっかい影が。


《どこかに行こう》

「ヒューイ、こっち来たの」

《新しい街を飛びたい》

「後でね」

《わかった》

「あとで私も乗ってやるよ、ヒューイ」

《楽しみ、姉上》


 ヒューイは窓際からどっかに行ってしまった。

 一匹でうろうろさせて大丈夫かな、とも思うけど、ヒューイはでっかくて強いからなあ。

 なかなか倒せる奴は居ないだろう。


 みんなで水着を堪能してから着替え直した。

 特に問題は無いので、まとめて袋に入れてカロルの収納袋に入れてもらう。


「船に乗せておきましょうか」

「そうだね、次に使うのはリシュエール諸島だからね」

「あたしのまで悪いね」

「いいんだよう」


 命令さんだけは別個にお金を払い、布袋に入れて渡されていた。


「ひ、品質は良い水着のようですわね」

「水蜘蛛の養殖も始めたのよ、王都での取引を大きくするわよ」

「これは……、売れそうねえ、我が領でもどこかに発注しようかしらん」


 デザインをパクられそうな気がするが、まあうるさくも言えないか。


 さて、どこかでお昼を食べてから、マーラータウンで衣類の買い出しをして、帰りますか。


 領館の応接室に戻ると、男衆も戻って来ていた。


「おお、どうだった?」

「問題無し、そっちは」

「お、おう、なんか凄い格好になったが、なかなかポロリはしないもんだな」

「派手で照れくさい……」

「とても良い製品だね」

「ロイド王子はロイヤルカラーで、俺達みたいなのにすれば良かったのに」

「いや、無理無理、あれはなあ」


 よほど凄い水着なんだろうなあ。

 カロルが男衆から水着の袋を受け取って収納袋に入れた。


 よし、水着買い付け作戦は完了だ。

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さ、挿絵何処~?(待て
「すげえカワイイすげえカワイイ」 ・・・どこぞのオヤジが憑依したのか( ゜д゜) 日焼け止めとかUVカットパーカーとかないとあぶないぞ?ヒールやポーションで治るのだろうけど。あと足元。サンダルは? …
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